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本日ある程度の間隔を空けて8話投稿する予定です。
現在6/8話目。順番にお気を付けください。
帰路に就くため一歩、二歩、三歩。
足を前に出した時、森の中を風が通り抜けた。
ただの風だ。
だから歩みは止めない。
だが俺だけが止めて風の吹いてきた方向へ視線を向ける。
その方向には木だけで他に何かが見えるわけでもない
周りと比べても遜色などなく、不審なところもない。
「おーい、何しているんだレイ。突っ立ってないで早くこっち来い。置いていくぞ」
父さんは俺が立ち止まっていることに気付き声をかけてくる。
その言葉は俺の耳にしっかりと届けられていた。
だが俺は相変わらず同じところを見つめていた。
なかなか動かない俺に父さんは何か言っているが、今は耳に入らなかった。
理由は俺が走り出していたからだ。
「おいレイ! どこに行く!? 勝手なことするな!」
奇行を取った俺に父さんたちはびっくりしているだろう。
声からでもそのことがよくわかる。
それでも仕方がないと思って追いかけてくれるのは優しさでしかないだろう。
俺は風が吹いてきた方向に走った。
なぜいきなり走り出したのか。
それは助けてという叫びが風に乗って聞こえてきたような感覚がしたからだ。
この感覚は今まで森にいて感じたことがないものだった。
何か確信があったからじゃない。
ただの直感。
それ以外の言葉は思い浮かばない。
そんなものを俺は信じて走った。
子供と大人の走る速さでは勝負にならない。
すぐに追いつかれるが足は止めなかった。
「おい、レイ! どうしたんだ!?」
父さんが荒げた声で問いかけてくる。
俺は父さんの感情を無視して端的に答えた。
「何か嫌な予感がする。今まで感じたことがないほどに嫌な予感がする」
このとき俺は父さんを全く見ずに言った。
少しでも何かに気を取られると間に合わないような気がして仕方がなかった。
そんな様子を見ていた父さんは、
「ミランダ。このままレイについていく。それといつでも戦える準備を」
それだけを言った。
ミランダは父さんの指示に従い、隣にいた父さんは先程までとは全く違うオーラを身に纏っていた。
そして五分ほど経った後、森が開けた場所で俺の目に映ったのは白髪で俺と同じくらいの歳の女の子とその女の子を食らおうと口を開けている大きな蛇の頭だった。
だから俺は走りながら無我夢中で炎の槍を作り出し、蛇に向って撃ち放つ。
まっすぐ放たれた槍は蛇に直撃し、煙が立ち上り女の子を食らうのを中断させた。
蛇は警戒して後ろに下がる。
俺はその隙に女の子の下へ行き声をかけた。
「もう大丈夫だから、心配しないで。俺が守ってあげるから。あとこれ飲んどいて」
女の子に持ってきていたポーションを渡し、周りを見渡すと大人の男性が一人倒れていた。
もしかしたら女の子のお父さんかもしれない。
「ねぇ、あそこに倒れているのって君のお父さん?」
「うん」
女の子は頷いた。
俺は女の子のお父さんの下へ行き、生死を確認する。
まだ生きているようだが危ない状況だった。
ポーションを取り出し無理やり飲ませる。
ポーションは怪我などをした場所に使うだけでも効果があるが飲む方が治りや効果も段違いに違う。
だから無理やりだ。
それに回復魔法も併用して使っている。
女の子も心配なのか俺のところへ来た。
「お父さん、大丈夫?」
「大丈夫だよ」
俺はそれだけしか言えなかった。
はっきり言って俺にも助かるかどうかわからなかった。
ただ強がっただけだ。
そんな中俺は水を差された。
「おいおい、レイ。看病するのもいいがこっちもしっかりと見ていろよ」
父さんだった。
父さんの方に向くとその顔は険しいもので支配されていた。
「初めはただの大蛇かと思ったがまさかハイドラだったとはな。まあヤマタノオロチじゃなくてよかったと思っていよう」
目の前にいるのは四つの首にそれを束ねる巨大な胴体を持つハイドラと言われる魔物。
いや魔獣だ。
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