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三度目の正直を必ずこの手で  作者: 池春 藤斗


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クリックしていただきありがとうございます。

本日ある程度の間隔を空けて8話投稿する予定です。

現在2/8話目。順番にお気を付けください。

父さんに初めて狩りに連れて行ってもらった日から半年が経過した。

父さんがその間に狩りに出かけるときは多々あった。

俺はその間の狩りは常に同行していた。

序盤は初めて連れて行ってもらった時同様陰から見ているだけであったが、今では狩りに参加させてもらっている。

その獲物の対象は大きなものではなく鳥やウサギなどの小動物ばかりだ。

父さんとの約束で狩りは安全なものから始めるのが当然だとの考えから大型のものなどは一切手を出していない。

俺はこのことに不満を覚えたことはない。

むしろ良かったと思っている。

何故ならこの狩りは魔法の実戦練習としては非常に優秀な訓練方法であるからだ。

今までは魔法を放つ精度を向上させるために固定した的に魔法を当て、当てることができたなら後ろに一歩下がりまた魔法を放つ。

これの繰り返しだけをひたすら行っていた。

だがこの的当てと狩りの最大に違うところは標的が動くところにある。

狩りは基本待ち受けて獲物が止まっているところに仕掛けるのだが、俺の場合魔法の練習もかねて動いている獲物だけを仕留めることになっている。

それに狙ってもいい獲物は小動物だけ。

当たり前だが小動物は大きさが小さいから小動物と呼ばれている。

ここから分かる通り小動物は体が小さい。

ならその狙うまともその分小さくなるわけだ。

狙う的が小さく、かつ、どのように動くかは分からない。

このような状況でうまく仕留めるのは極めて困難なことだった。

だからこそ魔法の精度向上にはうってつけの会場に早変わりする。

当然数をこなしていけば獲物にヒットさせることはできる。

だが力加減が難しく父さんに呆れられたこともしばしばあった。

それでも今は多少なりとも加減を身に付けて仕留めることができようとしている。


青空が広がり、木々な間から漏れてくる光を背にして俺の目の前には獲物であるウサギが佇んでいる。

なかなか動こうとしないので魔法を使いウサギを吃驚させ動きを誘導する。

間を長く開けてしまうと見失う可能性があるため少し待ってから魔法を放つ。

選択した魔法は風系統の魔法。

少し大きめの針をイメージした風の針だ。

今まで矢の形や槍の穂先、斬撃など様々な形をイメージして放ってみたが、いい感じに形を残して狩れたのは非常に少なかった。

そのため一番形をうまく残せた針を採用している。

それでも全体的に見て上手くいっているというものだ。

失敗する方が明らかに多い。

俺の風の針はウサギに近づき、すぐその胴体を貫いた。

ウサギは倒れそこに血がたまっていく。

その様子を横で見ていた父さんが溜息を吐いた。


「レイ、また魔力を込めすぎてるぞ。あれじゃウサギもかわいそうだぞ」

「ご、ごめんなさい」


ウサギはイメージ以上に大きくなってしまった風の針と魔法の余波で体が爆ぜていた。

倒すという点では文句はないだろうがこれは狩りだ。

毛皮や肉などがしっかり綺麗に残っていないと意味がない。


「まあ当てれるようになっただけでもまだマシか」


そういって父さんは俺の頭を乱暴に撫でた。

慰められているのだろうが惨めな気持ちでいっぱいな俺は反省点を頭の中で列挙していた。


「じゃあしっかりと回収しますか」


父さんは立ち上がり、俺を促しウサギの回収をさせた。

使えそうな部分だけを回収し、残りは穴を掘り土に埋める。

失敗したからといって何も回収しないなんてことはしない。

そんなことをしてしまえば命を無碍にしているのと同じことだからだ。

ウィンディアという辺鄙な村で育っているからこのような考えを持っているのかもしれない。

この村はほとんど自給自足だ。

たまに誰かが町まで行き、そこで買ってきたものが振舞われるぐらいだ。

だからこそ命の大切さは良く学べた。

俺たち人間は何かの命と引き換えに生きることができる。

実際狩りを始めてからこのことが良く理解できる。

だからこそ何か使えそうなものがあれば回収して使う。

無駄にはしない。

それでも跡形も残らずにやってしまったときはどうしようもないのだが……

そのため少量だが回収できるところがあったことに胸を撫で下ろした。

もし何もなければただウサギは無残に死んでいっただけになるし、俺自身も無駄な狩りになり果ててしまう。

そんな負の連鎖が起きなくてよかった。

そのような思いから来ていた。

そして今日の狩りはここまでとなった。

成果はウサギが二羽で鳥が一羽だった。

では質はどうなのかとなるわけだが、そこは気にしないでいただきたい。

先ほどの結果と似たようなものだ。

それしか言わない。


しかしまだ太陽は高い位置に存在している。

まだ時間的には猶予があるがここまでとなった。

その理由は父さんとの約束事が他にもあるからだ。

あまりに狩りすぎると森の生態系に異常が生じるから最低限に抑えること、子供の動物には一切手を出さないことだ。

前者は言葉通りで乱獲をしてしまうと森の生態系が変わり森が機能を失う可能性がある。

後者は未来のために残しておこうということだ。

子供の動物まで狩ってしまうと繁殖スピードが落ち、狩れる獲物が居なくなり自分たちの生活に支障が起こり始める。

まあどれもこれも俺たち人間の勝手な都合なのだが、これも生きている以上仕方がない。

そんなわけで今回は前者の約束事で終えたということだ。

というかこの理由でしかこんな時間に終わるわけがないのだが。

それにしても初めて狩りをした日から大きな獲物を見たことがなかった。

いったいどこに行ったのかな?

と雑念を抱いているうちに森を抜け、村まで帰ってきた。


最後まで読んでくださりありがとうございました。

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