俺の幼馴染み7
一人が告白したことで、女子達はそわそわしたような態度を見せるようになった。それは仕方がない、そう言うお年頃なんだもんなと考えながら、下敷きで弘人の髪を擦り、静電気を出して遊んでいると……、そわそわしていた女子の一人が話しかけてきた。
「ねぇ、良いの? 山城くんが弘人くんの髪で遊んでいるけど……」
と、俺にとっては名前しかわからない女子にそう話題に出され、少しだけ身構えたが名前も知らないあの人の言葉をふと思いだし、その瞬間に身構えた身体の力が抜けていった。
そんな俺の様子を見て、驚いたような表情を弘人は見せた後、話しかけてきた女子に対してこう言う。
「伊吹はいーの。凄い痛くなるようなことはしてこないから、気にしないで」
別の何かに興味を示しているのか、そう答えていたその声色は珍しく、とても素っ気ないものだった。
俺の話を持ち出したのは恐らく、話を続けようとするきっかけのためだっただけで、思った通りに話が続かなかったために、諦めてその女子は友達であろう子の元へと戻って行った。
優しい弘人がああ言う風にあしらうのは珍しいなと考えていると、そう考えさせていた当本人が俺の方へと振り返り、これまた珍しく真剣な表情を浮かべながらこう話しかけてきた。
「ねぇ、伊吹。……もしかして、好きな人でも出来たりした?」
と、そう言われた俺は、弘人の髪から下敷きを離した後、何でそんなことを聞くんだろうと疑問を抱きながら、幼馴染みがそう言った感情には心当たりがないため、首を横に傾げながらこう言った。
「えー? そんな訳ないだろ。どうして、そう言う風に思ったんだよ?」
「いんや、わからないなら良いんだよ。最近、余裕が出てきたから“好きな人”が出来て、変わろうとしてるのかなって思っただけで深い意味はないから!」
と、そう言った後、直ぐに身体の向きを黒板の方へと戻した弘人に対して疑問を感じつつ、俺は授業開始を伝えるチャイムが鳴るまで首を傾げていたのだった。
チャイムと被せるように弘人が、
「……伊吹に聞くより、小夜子さんに聞いた方が早いかもしれない」
と、弘人の異変について考えていた俺には、考え事をするのに夢中でそう呟いていたことに気づかなかった。




