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48歳バツイチ占い師、異世界の貧乏士族の倅になる ~占いを当てるほど強くなる16歳の成り上がり~  作者: ひまえび
第二章――「王都の寵児」

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第4話(後編)――「迷宮は金になる」

 領地へ戻ったレオンは、王都へ持ち帰る荷物の中へ、岩山で拾った黒い石と赤茶色の石を入れた。


 王宮への報告を済ませた後、鉱山や金属に詳しい者へ調べてもらうつもりだった。


 同時に、次回の迷宮調査へ向けた準備も管理官へ頼んだ。


 前回は討伐後の確認として兵50人を連れ、入口から少し入っただけである。次は内部を調べるために入る以上、戦える兵だけを集めればよいわけではない。


 負傷者が出れば運び出す者が必要になり、松明と油、水、食料、縄も持ち込まなければならない。鉱石を見つけても価値を判断できる者が必要であり、薬草があっても知識がなければ採るべき物すら分からない。


「王都で鉱山に詳しい人を探します。薬師も1人か2人連れてきたいです。領内では荷物を運ぶのに慣れた人を集めておいてください」


「護衛は前回と同じ50人ほどでしょうか?」


「中へ入る兵は30人ほどで考えています。狭い通路へ大人数を入れても、戦う時に動けなくなります。入口を守る兵は別に置きます」


「前回より少ない人数でも問題ありませんか?」


「今回は迷宮を全部攻略するわけではありません。浅い場所を調べて、危険なら戻る。その結果を見て、次に必要な人数と装備を決めます」


「分かりました。荷運びの人間はこちらで集めておきます」


「お願いします」


 その日の午後、レオンは領地の帳簿をもう一度確認した。


 昨年は必要な支出を引いた後に銀貨360枚しか残らなかった。今年はまず1,000枚を目標にしているが、地上だけでも昨年より増やせる見込みはある。


 排水路を直したことで水害による損失は減る。羊を増やし、馬の繁殖も始める。木材は丸太のまま売らず、領内で板材へ加工して付加価値を付ける。


 そこへ迷宮から鉱石や薬草まで運び出せるようになれば、収入はさらに増やせる。


 管理官が帳簿を見ながら尋ねた。


「迷宮で利益が出ると分かった場合、今年の目標も銀貨1,000枚より上へ変えますか?」


「もちろんです。ただし、中を調べるまでは当てにしません。実際に持ち出せる物と量が分かってから計算します」


「そこは慎重なのですな」


「金は欲しいですよ。でも、まだ手に入っていない金まで先に数えるつもりはありません」


 管理官は笑い、帳簿へ視線を戻した。


 王家から見れば、この土地は耕地が少なく、税収も低い外れ領だった。しかし実際に歩いてみると、羊や馬を増やせる草地があり、森林も利用できる。岩山には正体不明の鉱石が露出し、その地下には鉱石や薬草を運び出す未来が見えた迷宮まであった。


 畑から取れる税だけを数えていては、この土地の価値を見誤る。


 翌朝、レオンは王都へ戻る支度を整えた。


 王直属の特任士官である以上、領地へ残り続けることはできない。国王への報告もあり、軍務局の仕事も続いている。


 その一方で、王都で受け取る月銀貨300枚には新しい使い道ができていた。


 家族を養うだけなら十分すぎる給金である。その一部を領地へ回せば、羊や馬を増やし、道や排水路を直し、新しい仕事を作れる。領地の利益が増えれば、その金を次の開発へ回すこともできる。


 ブラウンへ跨がる前、レオンは村の周囲を見渡した。


 雪の消えた畑では春の作業が始まり、丘では羊が草を食んでいる。南では直した排水溝に水が流れ、その向こうには森林と岩山が続いていた。


 昨年、この領地に残った金は銀貨360枚だった。


 今年はどこまで増えるのか。


 その数字を大きく変えるものがあるとすれば、次に調べる迷宮だった。

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