27.いつかは
あれから2日後、いつもの光景の職場を見ながら、これからの事を考えてた。いつものように、スーパーの仕事を黙々とする。自分の存在をまるで居ないように、存在を隠すように働きながら、品だし作業をひたすら続ける。電話のLINEの音が、私の腰の辺りに振動する。サクは、あれからだいぶ落ち着いてくれた。あの時は、精神科へ連れていきたいなど、思ってしまった。でも、サクが何を求めているのか、私は痛いくらい知っている。愛情だということ。互いの感情で、螺線のように畝りながら、互いの感情で緩くなったり、きつくなったりしながら、不安定に伸び続けていく。悪魔の精神状態によって、大きく左右されていく。きっと、双極性障害という病に、振り回されている悪魔(自分)が憎い。サクは、病院ではなく、薬でもないと思う。昨日の夜の出来事だが、最近サクに、寝ている間に起こされる。私は睡眠薬を飲んでから、床につく。サクの夜中の声かけ、物音などで、起きてしまう。その度に、サクが私の肩をパンパンと軽く叩いて、「うぅ...起きて...ねぇ...本当にごめん...起こしてごめん...」ぼんやり、写るサクの泣き出す顔に「又か...とは」言わないが、正直なところ寝かしてほしいと思ってしまう。しかも、その内容は私に振られる夢だった。嬉しいような、可愛いような。繊細すぎるサク
お客様A「すいません!」
お客様のご要望に答えながら、商品の売場の案内をしながら、誘導すると「忙しいのに、本当にありがとうね。ごめんね」その言葉に、なんだか切なくなる感情が込み上げてくる。そんなに、聞いてはいけない内容ではないのに、なぜ謝るのか。疑問がわく。いつしかお客様に対しての接し方が、本当に180度変わってしまったなと思った。この10年という間に。私自身も自分が、変わってしまった。病気によって、自分がだんだんわからなくなってる。いつものことだが、突然やって来る。パニックのような、この場所に居られないという状態。逃げ出したいという居てもたっても居られない現状に、トイレに、急いで逃げ込む。トイレの壁に、もたれながら、しゃがみこみ下を向く。こうすれば、大体は落ち着くのだ。深呼吸をしたり、サクの写真を見たりする。大体は10分程度で、落ち着くように頑張って、整えるが、10分じゃ足りないときもある。たまに、これ以上サクと居るとお互いに駄目になってしまうのではないかと、涙が止まらなくなる。
【その頃のサクは】
「あと1ヶ月したら、仕事だー。オト...遅いな」オトのパジャマを抱き締めたりしながら、キッチンを探る。いつも開けない扉を開けると大量の薬の袋がある。中身を開けると【精神科医の名前、薬の内容、大量の薬の袋】「オトの名前....」なんで?なんで言ってくれなかったの?そんな思いと自分が頼りないから、言えなかったんだ....言葉にならない思いと自分が憎たらしい、バカ、マヌケ、自分のせいだと強く又自分を責めようとする。そこに...休憩中の私から、連絡が入る。電話には、出たもの、話せないサク...
「どうしたの?サク」
「.......」
「どうして、言ってくれなかったの?」
「何のこと?」
「........薬」
「........」
「オト...」
「話したら長い...外出るから、ちょっと待って」
電話の向こうから、聞こえるサクのすすり泣く声と
周りのワイワイする声が、天国と地獄な世界に感じる。「なんで...隠してたの?」その言葉が、氷柱のように、グサッと胸に突き刺さる。「なんで...」
「帰ったら、話す」覚悟は決めれない。だけど、私の心の支えの必要とされる愛は、もぅ帰らないだろう。遅かれ早かれ、こういう運命だった。きっと、天から罰を受けたのだろう。私は、自分よりも悲惨なサクを見て、安心しようとしていたのではないだろうか?だから、サクを愛してあげたい、必要としてもらえるだろう。そんな気持ちで、サクに出逢い...でも、結局は結ばれない運命だった。サクも離れて行く...それでいい、それでいいんだ....トイレで隠れて、休憩中声を殺して泣いた...
勤務時間に戻り、いつものように飲料を品だしする。重くて、腰が痛い。お菓子でも食品でも、同じ時給なのに。新店のチーフには、嫌われていたから、飲料なのだろう。みんな笑ってるけど心の中は、ニタニタ笑ってるのだろう。周りの人は楽に仕事を出来るのだから「すいません」聞き覚えのある声、安心するあの声...振り向くとサクが目の前に居た。目が潤んでくるのを必死に堪え「どしたの?」
「お酒売場どこ?ウイスキーどこかな?」お客様として対応し、丁寧に案内する。何度もその場から、離れようとするが「美味しいの?これ?俺飲んだことないんだよね」真面目に、聞いてくるサク
「失礼ですが、ウイスキーは飲まないので、お味のほう聞いてきますね」
サクが、私の腕を掴む
「いや、いいよ...俺、ウイスキー飲まないから」
「わかった...」
「あと30分くらいだよね?そこらへん、プラプラして待ってる」
サクの一瞬の温もりに、包まれる
自身の双極性障害のため、ゆっくり更新していきます。見てくださる方ありがとうございます。




