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愛という名の尊さ  作者: Momoha
【第一章】溶けない雪
23/26

23.狭間


一緒に布団に、入るが「眠れない....」と話すので「次の日も休みだし今日眠ってたから眠れないのは当然かもよ」とアドバイスするが「やっぱり起きてる」と言い出す「でもやっぱり眠りたい」と反対言葉を話し始め「もぅどっちでもいいよ」と伝え背中を向けて寝ると「そっち向かないで....こっち向いて.....」と小さく甘えた声を出すサク。振り向くとサクが私の手をそっと握り、涙ぐむような潤んだ目で、じっと見つめて何かを訴える表情をする「サク眠るのが恐いんだもんね」うなずいた後に「ううん」と首を横に振る。その表情から甘えたいのも垣間見える「サクの傍にずっと居るから大丈夫だよ」再び私の手を握ると小さく「うん....」と呟きながら目を閉じるが、数分後「やっぱり恐い....」と呟く「大丈夫だって」とサクの顔を見ると不安そうな表情をしあくびをする「眠いの?」と聞くが「眠くない」と私に寄り添い甘えてくる


「おやすみサク」


「おやすみしないの......」


「イヤなの?」


「イヤだ.....」

と小さく甘えた声を出す


スマホのメール音が鳴る


「オト.....寝ないの.....」


「だから寝なくてもいいから」


「それはイヤだ.....」


サクの髪の毛をハサミで切る真似をする


「イヤだ......イヤだ」


再びスマホのメール音が鳴る


「サクもぅ寝よう.....」と寝たふりをする。しばらくは「イヤだ....」と小さく言い続けたり、私の名前を呼んでは、起こそうとするが止めて「恐い......恐い」と言い続けていた声が、そのうち聞こえなくなっていき、寝たのかなと思いサクを見ると既に眠りに落ちていた.........


スマホのメールは母からだった.......「元気にしてる?ご飯は食べてるの?」「心配でたまらない.....会いたい......」母からは、よくメールや電話はきていた。その度に必要最低限は会わないしメールもしない。と心に決めて、自分一人で生きていく事を誓った日を思いだして自分はもっと強くなろうとしていた。でも今はすぐにでも母に会ってあげたい.......でも今はサクも居るし私も気分が沈んでいる......サクが病んでる中会わすことは出来ないし今のサクの精神状態で離れることもしたくない。サクの悲しむ顔が私には見えるから.........ゆっくり時間をかけて母に会わす事が最善の方法。今のサクには酷すぎる......


だから、サクのいない日に母と会おう。その時にサクの事も.......


スマホを止めて横に寝ているサクを見て目を閉じた。穏やかな寝息を立てて眠る息づかいが堪らなく心地いい......


翌朝、強い眠気と体が鉛のように重いのと猛烈な不安と共に目が覚める。起きたいけど、眠い変な感覚、吐き気、心臓がドキドキする、息苦しい.........


薬を飲みにふらふらと歩きながら、キッチンに向かう.........


苦しい......苦しい......でもサクが居る.........サクが居るから.........


薬を飲みキッチンの前に座り込み、薬が効いてほしいと願うが、すぐには効かない........効くまでに時間がかかるから.......


その場でうずくまり、目をつぶるが、色々な事が頭の中に浮かぶ。普段は思わない感情.......

サクは消えるだろう......そのうちどっかに行っちゃう........振られるだろう.......消えてしまいたい..........


「サク.....」と小さく名前を呼びながら、徐々に涙がこぼれてくる......


ベッドに戻り、うずくまり目を閉じる。サクがおねしょをしていないのに気づき少し安心する。自分のしていた事は間違って無かったんだと......しない時もあるけど、トラウマの夢でしてしまう事もある。自分は、もしかしたらサクを治す事が出来るかもしれない。今は辛いけど頑張って耐えよう。


耐えよう.....頑張って耐えよう.....でも苦しい......辛い

.....この状況から抜け出したい.......


ある言葉を思い出す。【混合期】という言葉を.........

今自分は混合期で酷くなってる......でも本当の自分はどこに居るのかわからない......どれが本当の自分なのか.......本当にわからない.........


サクが寝ぼけた様子で話す


「なっちゃうの......」


「なに?」


「なっちゃうの......」


その寝ぼけた顔が可愛すぎて、ニコッと微笑む


「オト電車に....なっちゃうの」


「はい?」


サクが、私をギューしてくる


「もう一回言ってよ」


「乗っちゃうの.....」


「私が電車になっちゃうのかなって思ったよ(微笑む)」


「いや違う....」


「だよね.....」


「俺も一緒に行くの......」


寝ぼけて話してるのだと思うが、電車の夢で別れたのか気になる


「サク...別れたの?私達?」


「ううん....」

と言いながらボクサーパンツを触る


「オト....なんかあったら言ってね.....」


うなずきながら「ありがとう.....」と何度もサクに言い続ける。ある言葉が深く私の心の中に突き刺さる


「俺、オトの為ならなんでもするから......」


なんでもする.......その言葉に嬉しいような悲しいような、複雑な心境になる。サクは私のためなら、自己犠牲を厭わない、つまり自分を犠牲にしてでも私を助けるってことだよね......そんなの悲しすぎる


「オト......だから言ってね」


気づかれてるのか、何かを悟ったのかわからないが、心配そうな不安な心境が目に見えて苦しくなる........


軽くうなずく


「わかってる....だけど自分を犠牲にしないで、自分を大事にしてほしい」


「出来ない.....」


自分にも言えることだろう。相手には私もそんな風に言える。だけど、自分にはやっぱり厳しくなってしまう。サクは「自分には価値がない」という思い込みが強くて、私に尽くすことや試し行動で自分の価値を見出そうとしている。根底に強い「見捨てられる不安」や「自信のなさ」そして「ありのままの自分では愛されない」という思い込み......心の深い傷痕はサクの中にずっと今もなお癒えず残っている。


「じゃあパンツ(股間)触んないで」


「だから、無意識なんだって」

布団で隠す


「サク」


機嫌が悪くなって、少し恥ずかしそうな顔をする


「なに?」


「今日でお泊まり終わり」


「え?なんで?」


「自分を犠牲にしないの守れないんでしょ?」


「そんなことで?いいもん」


「あっそ!おやすみサク」

背中を向ける


返事をしないサクだが、1人で小さく小言を言う。


「オトのために言ったのに.....なんで」

「なんで、なんで、なんで......」

「オト!」


知らないふりをする


「なんで?俺が守るからって意味だよ」


サクがオトの肩に手を置きオトに話す


「サクは私のためならなんでもするって言ったでしょ?」


「言ったよ」


「サクは私の大事な人なの.....もし失ったら私はどうなるの?死んじゃうよ」


「なんで?死ぬの?」


「寂しくて、居場所が無くなるしサク以上の人は居ない....」


考え込むサク


「ねーなんで俺のこと、好きなの?」


「だから、全部.....まだ眠るね」


「うん.....」


バックハグをしてくるサクに構ってほしいんだなと感じて可愛がりたくなるけど、体が鉛のようにだるいのと眠たい......昔の自分を思い出してしまう。サクのように寂しくて堪らなかった。母はずっと夕方くらいまで眠ってる。ひどい時は19時までとか.......

だいたいは夕方に起きて、その間はとても寂しくて不安だったのを今でも痛いほど感じる。サクはやっぱり私の言葉の意味の深さを理解していない.......



読んでくださりありがとうございます。

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