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愛という名の尊さ  作者: Momoha
【第一章】溶けない雪
20/26

20.TVの光だけ

本作では

愛情に飢えている2人の嘆きを

テーマにした。心痛い、でも、なんだか暖かくなる

ヒューマンラブストーリー、サスペンスで

お互いの傷跡、嘆き、生い立ちのせいで

交差する恋愛が描かれている


暗い中リビングのTVをつけたり、消したりしながら、触ったり投げたりするブロックの音が聞こえてくる。家族の笑い声や赤ちゃんの泣き声に反応する優しい声や赤ちゃんの誕生を祝う人々のワイワイとした楽しそうな幸せの声が聞こえてきて、サクの事が気になりゆっくり歩き、立ち止まりながらサクを見る。TVの前で寂寞たる背中で羨ましそうにじっと画面を見つめている........


お爺ちゃんお婆ちゃんなどが、お祝いをして誕生日プレゼントを母親に渡す。「これオモチャね」ニコッとする表情に母親が目を見てハグする。そんなシーンを繰り返し観てる


本当にある家族のシーンを観ている。ゲーム実況や音楽、アニメ、映画、ドラマ、ドキュメンタリー、犬や猫などを飼っている人達の動画などを無料で観ることのできるサイト。サクはその中の赤ちゃんの誕生日映像を繰り返し観ている。ため息をつきながら何度も観る。


「俺にはわからない.......」

「わからない.......」


私のあげたモッフィーのぬいぐるみを横に置いて、次の動画を観る。内容は5歳の誕生日おめでとう!!

というタイトルの動画。食い入るように観て、服をめくり目を拭きながら又観る。何度も何度も繰り返し観ては、ため息をつきうつむく。そのまま横になり足を丸めて、TVの光だけの明るさでブロックで遊ぼうとするが、投げる。まるで投げるために作ったブロックのように。少し作っては又投げる。


「サク....」


振り向くと、安心したような表情を浮かべるサク


「ごめんなさい....私.....なんて酷いことをサクに言ってしまって....もぅ人として本当に終わってる.......」


「オトは悪くないよ....謝らないで.....オトは悪くない」


「サクはどこまで優しいの?あんなこと言ったのに.....しかも辛いサクに.....私は人間失格」 


「そんなこと言わないで......言わないでほしい.......失格なんかじゃない」


優しすぎるサクの言葉に涙が溢れて止まらなくなる。


「泣かないで......泣くなよ......オトは悪くない.......なした?オトはきちんと俺の事わかってくれてる.......責めないで......」


顔を覆って泣きその場で座る


「オト大丈夫だよ....俺が居るから......何があっても守る」


その言葉に又泣いてしまう.....なんで、こんなに優しいのか.......なんで、なんで、なんでと頭の中がいっぱいになる。泣いてる私を抱き締めて呟く


「オト....ごめんね....俺にはわからない......」


泣きながら話す


「私が悪いの.....サクにあたってしまったの....あたる人ではないのに.....」


サクの後頭部を何度も撫でる


「全部嘘だから.....あんなこと微塵も思ってない......」


「うん....わかってるよ.....オトあんなこと普段言わないもん......俺とお婆ちゃんを重ねて、言ってくれたんだろ?」


涙が溢れて溢れて止まらないが「うん....」と呟きサクを自分の方へと寄せようとする。その仕草にサクが私を自分の膝に乗せて向かい合わせで私を強く抱き締める。


「オト大丈夫だから.....泣かないで......泣かないでよ.......」


少し苦しいハグだがサクなりの精一杯の愛情に嬉しく感じる。TVの中では誕生日の中の5歳の男の子は、無邪気にはしゃいで、おちゃらける中笑い声が飛び交う中で走り回り、母親が笑みを浮かべ動画を撮ろうとする。誕生日ケーキが映る。


「サク.....誕生日とかは形なの.....だから.....これから出来なかった事をやって思い出にするの.....サクがしたかった事を.....」


「うん....ありがと....」

「あと引くかもしれないけど.....実はね.....」


「うん......」


サクが前髪で目を隠しながら、ゆっくり話す


「オトに出逢って......初めて女の(オト)の前でおねしょをしてしまった......あの日の俺は完全に精神的にも辛くヤバかったし......もぅどうでも良かった.....でも心のどこかで、生きたいなみたいな.......」


「うん......わかるよ」


「愛もないのにヤる....ヤったら又今度ねみたいな」


「それはセフレみたいな?」


「そうなるのかな......でも不思議と緊張しないし、その場限りだよ.....ただ単に遊びなんだよ.....」


「付き合うに発展しないの?」


「しないよ」


「でもサクって正直モテるでしょ?」


「モテるのかな....うーん.....俺はそうは思わない......ただ寂しくてさ、誘われるとヤっちゃうみたいな.........引いていいよ.......」


うつむきながら話す


「でも、オトに出逢ってから本当の自分を出せるようになった......オトって今までに会ったことない女の子なんだよね......しかも.....可愛くて優しくて.....だけど正義感があるのか、強がるところもあるよね.......これから......もっとオトを知りたい........どう?」


サクの目を見る


「仕方ないと思う.....今までのサクの生い立ちを考えると......でももっと自分を大事にしてほしい........そんな簡単に安売りしないでほしい.....もぅやってしまったことは仕方ないよ......だけどその寂しくてヤるのは危険だから止めた方がいいよ.......」


「もぅしてないよ.....オトに出逢ってから」


「うん.....」


「オトも知ってるだろ?恥ずかしすぎて出来ないの.......俺も男だし........でも頑張ろうとはしてるけど......」


「サク男なんだね(笑)男の子みたいだけど.....」


「男だよ」


「私にしたら、サクは男の子だよ.....でもたまに男になるね(笑)」


「だろ?ごめんトイレに行ってくる」

急いで走って行く


「うん」と言い、ゲーム機のコントローラーでサクの観ていた動画を消しDVDプレイヤーに魔法使いの死の秘密1を入れる。キッチンに行きサクの分と自分の分にオレンジジュースを入れテーブルに置く。トイレの近くに行き「まだ~?一緒に映画観ようよ~魔法使いの」と話すと「あともうちょいで行くから.......あっち行っててよ......」と言うので、ソファーに座り1人で観ることに......でもやっぱり最初から一緒に観たい私は何度もタイトル画面が流れたままでも待ち続ける。蒼白く死人のような姿。蛇のような鼻で悪役だが、私は彼が面白く見える。10分くらい経つとリビングに来たサクが大蛇が画面に向かって食べようとするシーンで「怖い....」と言いながら私の隣に座る


サクにオレンジジュースを手渡し本編を観ると「怖い.....音が」


「名作は何度も観るの。知ってるでしょ?この映画」


「知ってるけど、なんでこれなの?」


「面白いから。この作品はね何度観ても又観たくなる」


怖がってるサクからオレンジジュースをもらい、テーブルに置きサクを自分の方へと寄せる


「大丈夫だよ....」


「蛇顔怖い....」


「加工すれば怖くない....見ててみ」


動画を一時停止して、スマホで加工アプリで可愛く

蛇顔を猫みたいに可愛く加工される。それをサクに見せ「可愛いでしょ?」少し笑うが怖いと言い私の後ろに隠れる


「もっと小さくして....音」


「そんなに、大きくないよ....」


ボリュームを少し下げる。怖がってたが、蛇男が現れた時だけ後ろに隠れるが、あとはその隙間から笑ったりして見て楽しい表情を浮かべる。真っ暗な部屋の中TV画面の光だけがたよりで、その中でも又楽しいというのが、本当の幸せだと再び思った........


いつも読んでくださりありがとうございます!

まだまだ寒いので体調には気をつけて下さいね

オトサク

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