第三回Gクラス課外授業:王都夏至祭の警備 最終日
ついに夏至祭は三日目の最終日を迎える。
大きな事件が起こることなく無事に最終日を終えてほしいと思うと警備に携わる人々は思った。
この王都にとある場所に多くの人が集まっていた。
そこは暗く全員がローブを深くかぶって顔を見せないようにしていた。
そこにいる上座に座る人物が口を開く。
「皆さん。今日が決行日です。盛大にやりましょう。すべては」
『我らの女神のために』
その掛け声とともにその集団は散り散りになっていく。
今日は夏至祭最終日だけあってイベントが盛りだくさんでさらに夜には城で王族主催の舞踏会が開催される予定がある。
おかげで警備体制が変更される。
さらにその影響でパーティメンバーも変わるところが出てきた。
Gクラスの面々で今日の舞踏会に参加する人がいるためだ。
舞踏会にイセリア自身には関係ない話だが、アベルトとジークフリートの二人は舞踏会に参加するので今日の警備には参加しない。
これによりイセリアは本来想定されていた一人による警備になる。
一人になったイセリアは二人がいなくなることにあまり気にしていない。
イセリアとしては二人がいなくなったことにアベルトの護衛をしなく済むことから動きやすくなったと言っている。
この舞踏会にはアベルトとジークフリート以外に先輩方数名、イセリナも出席する。
ユーリは舞踏会に呼ばれているが出席しないという。
そもそもユーリは現在身分が王侯貴族ではない為に出れない。
なのに招待状が届いたこと自体がおかしいのである。
なぜユーリに招待状が届いたかは不明だが、ユーリは出る気がないために招待状に出席しないと書いて深夜に城の門番に手渡した。ユーリはそれがちゃんと受理されることを願うだけだった。
最終日の警備が始まる。
警備が始まってから少ししてからイセリアはいろんなところから呼び出しを受け、頼まれたことを処理し続けた。
今日に限って呼び出しが多い理由を聞くと王子たちが足かせになって、すぐに来られないということであまり呼べなかったが今は一人なのですぐに来られるということで呼び出ししているという。
呼ばれまくっていろんなパーティに振り回され気がつけば陽が完全に上り頂点に達していた。
イセリアはパーティから呼び出しに応え終わり、休憩がてら昼食を取り始めた。
食事をしているところ周りをきょろきょろと探っているゲヂーとカリストを見かけ声をかけた。
「どうした。ゲヂー、カリスト。そんなところでキョロキョロしていたら不審人物にしか見えないからこっち来いよ」
声をかけられた二人はイセリアのもとへとやって来る。
イセリアは二人がなぜきょろきょろしていたのか尋ねる。
二人は今日は昨日と一昨日と比べて犯罪が多いことが気がかかりで周りに気を張っていたという。
二人がいうには今日の事件数が昨日と一昨日の事件合計をすでに超えているという。
話を聞いたイセリアも二人と同じように、今日は事件が多いことに気になっていた。
たとえ、羽目を外してもここまでの数のことが起こるのはおかしいと。
三人は情報を交換しても今の異常について結論をつけることができず疑問に思うだけだった。
イセリアたちは知らなかった。今年の夏至祭は例年に比べて事件数がはるかに多いことに。
食事を終えてカリストとゲヂーと情報交換したあと警備場所へと戻っていった。
イセリアも警備に戻り、おとといの事件によって入ることができなくなった地下水道の入り口前まで来ていた。
イセリアは地下水道すぐに封鎖するのは正しいと思っている。だが、封鎖し後、地下水道に現れた機械の蜘蛛がどこから現れたか調査しないことに疑問に思った。
さらに自爆した男が地下水道で何をしていたのか気になるところだであり、調べるために地下水道に入ることを本部に申請しても通らず、跳ねのけられている。
許可が下りないなら勝手に入ろうと考えていたが本部から勝手に入った場合、クラスみんなの今月の課外授業の単位を出さないとくぎを刺されており、渋々、突入するのを諦め、この場所から離れるのであった。
とある場所にて何者たちが何かをしようとして急ぎうごめていた。
「急げ、計画発令まで時間がないぞ。この計画が成功すれば、女神の復活が少しでも近づく。気を抜くな」
「わかってるさ~。同志の一人がせっかく自爆してまで、ここを閉鎖するように誘導することができたからには頑張るさ~」
「この計画は失敗は許されぬ以上、迅速かつ正確にせねば」
この者たちは急いでどこかへと向かっている。
そして、この者たちが向かった先には大きな広間があり、そこには武装を身にまとった集団がいた。
「すみませ~ん。ここに来るのに手間取ってしまって」
「謝罪などいい」
武装している集団のリーダーらしき人物が前に出てくる。
「あれ?謝罪はよろしいので」
「そんなものはいらん。早く王族たちが集まる場所を言え、そのために我々は集まったのだ。もしがせねただったらただでは済まさん」
「おお怖いですね。それでしたらこちらに」
男はリーダーらしき人物に懐から取り出した紙を渡そうとする。
リーダーらしき人物が受け取ろうとしたとき、男は紙を引いてしまう。
それを懸念に思ったリーダーらしき人物は男に今回ここに集まったことを問いただした。
「どういうつもりだ」
「いえ、あなた方、反王族連盟に渡す前にこちらの提案を受けてもらいたくて、もし受けてくれた場合はちゃんとお渡ししますよ。それにここに来てもらう際の手紙にもちゃんと書かれているはずですから」
リーダーらしき人物は男たちから出されたと思われる手紙を思い出すと確かに書かれていたことを思い出した。
「わかった。要件を言え」
「かしこまりました。要件はですね。襲撃の合図は我々に任せてくれませんか」
「それだけか」
「はい。それだけです」
「何か企んでいないだろうな」
「確かに我々は企んでいますが、それはお互い様でしょう。我々には我々の、あなた方にはあなた方の計画があり、互いを利用しあう間柄なのですから。はっきり言えばあなた方が不利なるようなことはございません。どちらかというとここ王都にいる警備兵は我々がやろうとしていることに手がいっぱいになりますので、ことを有利に進めることができるようになると思いますよ」
(まぁ、女神さまから話を聞かされた教主様の話では我々のしでかしたことをイセリアなるものが阻止しなければこの王都どころか世界すら危ぶまれるそうですが、どうでもいいでしょう。女神さまが復活された暁には結局世界など消えてなくなるのですから)
リーダーらしき人物は少し思案した後、男からの要件を了承し受け入れた。
後ろにいた武装集団から不満の声が上がったが、リーダーらしき人物が手を上げた際に声がやむ。
それからものたがいの最終調整は終わり解散する。
たがいに利用する形で夏至祭最終日の夜に盛大なパーティーを始めようとしている。




