第三回Gクラス課外授業:王都夏至祭の警備 1日目 地下水道捜索終了
男は盛大に自爆し、肉片をまき散らして死んだ。
爆発はアベルトとユーリを襲う。
ユーリはシールドに搭載されているサイコフレームの共振させサイコフィールドを形成し爆発を耐える。
アベルトは、イセリアが飛ばしたシールド三枚が陣形を組み、サイコフレームを共振させてユーリ同様サイコフィールドを形成されて守られた。
ユーリは爆発を耐えきり、アベルトはイセリアに守られた。
しかし、自爆した男のすぐそばにいたイセリアの安否は・・・、
「うっ・・・、今のは・・・、自爆・・・?イセリアは!無事なの!?」
「あの男いきなり自爆なんて何考えているだよ?」
アベルトは自爆した男に悪態をつき、ユーリはイセリアの姿を探して爆心地に目を向ける。
二人が爆心地に向きを変えたとき、爆心地から風が吹きすさぶ。
煙は風に引き裂かれ爆心地にいたのは四対の漆黒の翼を持ち、忌色の巫女装束を着て神々しさをまとった女性がそこにいた。
「二人とも無事か?怪我はないか?」
女性はアベルトとユーリを心配する。
このときアベルト前で陣形を取っていたシールドは陣形を崩し女性のもとへ飛んで行った。
ユーリは目の前にいる女性をすでに見ているために正体は知っている。
ユーリが知っていてもアベルトは知らない。だが、アベルトのもとを浮遊していたシールドが女性のもとへと向かいすぐそばで停止したことで女性の正体に気が付いた。
「イセリアなのか?馬鹿な、この神々しさ、まるで本物の神ではないか。でも翼が漆黒とはどういうことだ?」
それからアベルトはぶつぶつと独り言を言いながら考え込んでしまった。
ユーリはイセリアに近づき声をかける。
「大丈夫?」
「ああ、この程度の爆発ではこの姿の私に傷一つけられない」
「そうなの。でも無事でよかった。でもあたしたちの捜索って完了したの」
「無事完了とはいいがたいが・・・、まさか捜索相手が捜索者である私たちに自爆特攻したこと。そこのこと含めて報告しないと」
イセリアは捜索に参加しているパーティに連絡を入れここで起きたことを報告する。
別のパーティも爆発音を聞いており、その詳細を聞きたがっていた。
イセリアは助けを呼ぶ声を聞いて地下水道をさらに下り機械の蜘蛛に襲われている捜索対象者を発見したこと、助けに入り機械の蜘蛛を破壊した後、事情を聞こうとしたところ、イセリアが近づいたところ、捜索対象者がイセリアに対して自爆したことを話した。
『イセリア殿、男が自爆したことに心当たりはあるか?』
通信先の衛兵がイセリアに対して男が自爆したことに心当たりはあるかと聞かれる。
イセリアと男の間には面識がない。
今回が初めて会うために心当たりはあるかと聞かれてもないとしか言えない。
しかし、イセリアは男が自爆した時、言っていた言葉を思い出した。
男が言っていた言葉とは・・・、
「男が自爆した時、男は“我らの女神のために”と言っていたから、最近、暴れている謎の女神崇拝者と考えられます」
『謎の女神崇拝者たちから命を狙われる覚えはあるか?』
「奴らの今後の活動する際に邪魔になるから消そうと思ったのではないでしょうか。奴らとはすでに交戦して力を見せています。それから今後の危険分子として排除しようと考えたのではないでしょうか?そうするとここに下りた理由がわからないか?」
イセリアは男がなぜ地下水道に下りたのかを考える。
イセリアが狙いだったとしたら地下水道に下りる必要はなく直接イセリアを狙いに行けばいいだけの話だ。
だが、男はそれをしなかった。
次に考えられるのが地下水道に目的があって下りて、イセリアが偶然、男を捜索しに来ていたところ遭遇し、今後の憂いを断つために自爆したと考えられるかもしれない。
『わかった。なぜ男が自爆したのかはこちらで探る。学生は地上に戻り、再び地上の警備を続行してくれ。以上だ』
「わかりました。それとここで起きたことを今地下にいる人たちに話してもよろしいでしょうか?」
『安全のためにすぐに地上に上がってもらうよう説得してほしい』
「わかりました。説得してみます」
後のことは衛兵の人に任せて学生は元来た道戻り入ってきた入口へと引き返す。
イセリアたちも入口へと元来た道を戻る。
その途中でユーリがファンクラブの人たちとの約束を果たすのと地上に上がるように説得するためにファンクラブ集会所に寄ることにした。
ユーリファンクラブの会場に到着し、マスター会長を呼び出して事情を話す。
マスター会長たちもあの爆発音を聞き、さらに爆発の衝撃がここまで来たという。
マスター会長たちはここで危険なことが起きていると思い会場にいる人たちと避難する準備をしているところだった。
中を見ると多くの人が片づけをして避難しようとしている姿が見えた。
イセリアたちはマスター会長から避難の準備を手間取っているところの手伝いをしてくれないかとお願いされる。
ユーリは快く引き受ける。本人はここでの活動内容に興味があった。
イセリアはユーリの元々のパーティのリーダーであるギーベンに連絡を入れて、ユーリが地下水道にいる人たちの避難する準備を手伝うために合流するのが遅れることを伝える。
連絡を受けたギーベンはパーティを連れて手伝いに来てくれるという。
イセリアは了承してそのことをマスター会長に伝え、自分も避難の準備を手伝う。
一方、アベルトとは何しているのかという。
本人も準備を手伝っているのだが・・・、
こういうことはあまり経験がないのか手伝うつもりが逆に邪魔になってしまい壁際で大人しくしている。
イセリアとユーリはしばらく避難の準備を手伝い。
手伝っている最中、ギーベンたちとジークフリートがここに到着した。
ギーベンたちはここから荷物を運ぶために一度地上に戻って台車を複数台借りてきていた。
「台車にの荷物を載せて順次運び出してください。皆様方のおかげで無事にここから避難できそうです」
「ええ、これからの活動頑張ってください。それと・・・、過激なものはできる限り抑える方向でお願いします」
ユーリは運び出される荷物の一部を見て恥ずかしながら注意する。
手伝っていたイセリアもユーリと同じ方向を見て乾いた笑いが出てくる。
アベルトは壁際で見ていたが、イセリアとユーリが見ている荷物の中身はちゃんと見ていなかった。
「わかりました。ユーリさん。できる限り抑える方向で行かせていただきます。でも・・・、学生さんたちからの話では今のホットはイセリア×ユーリさん本とか、これまでとは逆のユーリ×ジークリンデという方向に変わりつつある聞き及んでいますし」
ユーリに過激な物は抑えるよう言ったそばからマスター会長は不穏な空気をまとわせながらもファンクラブの人たち指示を飛ばしていく。
ユーリたちはマスター会長の最後の方口にしていた内容は聞こえていなかった。ただ一人イセリアを除いて。
(うちの学校の学生の中にもユーリのファンクラブに所属するやつがいるのか・・・、まさか私までネタに使われるとは思わなかった。ユーリだけに百合というのはどういうことだろうか。そりゃ~、私たちの周りには男っ気が全くないの自覚しているが・・・、それがこんなことになっているとはな。それと・・・、増援できたギーベンたちの中にファンクラブの人たちと何か交渉している人がいたが・・・、考えるのはやめるか私に実害がるわけでもないし)
イセリアは考えるをやめて、ファンクラブの人たち荷物を地下水道の入口へ運ぶ。
その途中、魔物に出くわし襲われるが、これをユーリと共に倒す。
その時、ファンクラブの人たちから拍手が上がるがマスター会長がすぐに檄を飛ばして移動を再開させる。
イセリアたちは会場と入り口を何度も往復して無事にすべての荷物を地下水道の外へと運び出すことができた。
「ふう、終わった。疲れた」
無事、地上に出たファンクラブの人たちはたがいに労っていたり、ユーリの戦闘を間近で見れたことに喜んでいた。
「ユーリさん。かっこよかった。魔物が現れ次第、すぐに倒されしてくださいましたものそうですが、あの武器を構えて撃つ姿や魔法を使う姿はかっこよかった!」
「確か魔法だ使えないという話でしたけど、ユーリさんと年が近い人たちから聞いてはいましたが使えるようになっていたんですね」
「その人たちから聞いた話では、ユーリさんが使っているのは魔法じゃないという話ですわよ」
「魔法じゃない!ではあれは何なんですか!?」
「その人たちも詳しいことはわからないみたい。あそこにいるイセリアって人と交流を持ってから魔法みたいの使えるようになったり、物凄く強くなった聞きましたのよ」
「魔法ではない何か・・・、それを使えるユーリさん。私たちは見習うことができないけどこれからも見盛らせていただきましょう」
「ああ、こうしてはいられませんわ。あの姿が目に焼き付いているうちに何かに書き写して次の会までに何かしら形にしたいわ!」
「それは同感です。これらの荷物をもって今日の雄姿を何かに書き写したい」
とファンクラブの人たちが会話しているのをユーリとイセリアは聞いていた。
イセリアはユーリの方を向いてニヤニヤと笑い。
ユーリは耳を赤くしながら恥ずかしがっていた。
アベルトとジークフリートはそんなユーリの姿を離れたところから見ていた。
「ユーリは変わった。昔はただただリンデの主で何もしない。何もしようとしない。ただ流されているような感じだった。なのに今のユーリは何だ。地下水道の魔物に対して冷静に対処して倒していた。昔から考えたらあり得ない話だ。何がきっかけでああまで変わったんだ」
そんなアベルトの独白をジークフリートはそばで何も言わずに聞いていた。
かつて弱く魔法が使えないユーリはもう存在しない。
今は仲間に支えられ術が使えるようになり、強くなったユーリがそこにいる。
アベルトはユーリが巣立っていくようでうれしいような、寂しいようなそんな気持ちになった。
イセリアたちはファンクラブの人たちと別れ自分たちの警備する場所に戻っていく。
イセリアはギーベンたちについていき、ギーベンたちの警備範囲を少し手伝った後、ギーベンに一言入れて別の場所を警備するのだった。
それからは大きな事件とかはなく怪我した人の手当てや万引きの現行犯逮捕、喧嘩の仲裁などをして一日が過ぎていく。




