第三回Gクラス課外授業:王都夏至祭の警備 1日目 地下水道捜索続行
イセリアたちがファンクラブ会場を後にしてしばらく進む。
その最中、イセリアとユーリはユーリのファンクラブができていたことに話を弾ませていた。
そんな中、アベルトだけが浮かない顔をしていた。
(いったいどういうことだ。ユーリの名前が変わっているなんて聞いてないぞ。父上や兄上、それに母上も知っているのか。わからない。ちょうど本人もいることだし聞いてみるか)
アベルトはつばを飲み込みユーリになぜ名前が変わっているのかを訪ねた。
ユーリとイセリアは信じられないことを聞いたような驚きの表情を浮かべる。
ユーリはなぜアベルトからその話が出てくるのか不思議でならなかった。
父である王がユーリとの親子の縁を切ったことを家族である兄たちに話していると思っていた。
だが、現実は違った。
王はアベルトにユーリとの親子の縁を切ったことを話していなかった。
ユーリもアベルトに話を聞かざる得ない。
王が、アベルトたちにユーリが親子の縁を切ったことを話さなかったのかを。
「陛下から聞いていないの?わたしが王族から籍を抜いてアベルトさんと家族ではなくなったこと」
アベルトはユーリの返答の内容に驚く。
アベルトも兄フェイトもユーリが王族に対していい感情を持っていないことは知っていた。
だが、王族から籍を抜くとまでは思っていなかった。
なぜなら、たとえユーリが王族から籍を抜いても、ユーリ一人では生きていけないと思っていたからだ。
しかし、アベルトやフェイトの相続を超えてユーリは王族から籍を抜いた。
それなのに誰からもユーリが王族から籍を抜いたことを教えられていない。
王は知っているようだが、なぜ家族にそのことを話さなかったのであろう。
「父上からはユーリが王族から籍を抜いた話は一度たりとも聞いていない!それにいつだ。いつ、王族から籍を抜いた」
「王族から籍を抜いたのは先月の課外授業を終えた次の週末に王に親子の縁を切る書類を持っていきました」
「確か週末明けに父上から手紙が来ていた。内容は確かユーリがついに余を頼ってくれたと喜びを書きなぐったものだったけど、本当はユーリが王族から籍を抜いたことだったのか」
「陛下が喜んだって、確かユーリが書類を渡した際のもそんな話があったな」
「陛下に渡した書類を見て喜んでサインしくれたよ。まるであたしが王族から籍を抜くのを待っていたかのように・・・」
ユーリはその時のことを思い出さしたのか眉間にしわが寄り怒り始めている。
イセリアとしてはまた暴走して地下水道の壁とか壊してしまわないか心配になる。
アベルトは怒り始めるユーリを見て、父である王は本当に縁切りの書類にサインしてしまったのだろうと思ってしまった。
アベルトの知る王は書類にすぐサインをするが、ちゃんと書類に目を通しており、その内容を理解したうえでサインしているのを知っている。
だが、ユーリの渡した書類に関してはユーリが自分を頼ってくれた喜びのあまり内容を確認せずにサインしてしまった。
(父上・・・、あんたはユーリが頼ってくれたと思って物凄く喜んだかもしれないが、ユーリから渡された書類は親子の縁を切る書類だったみたいだぞ。それどころかなんで俺たちが知らなくて、なんでユーリの非公式ファンクラブの連中が知っているんだよ!今日、警備が終わり次第、兄上と父上にこのことを聞くか)
アベルトは考えいてる最中、三人は地下水道を進んでいく中、別のパーティから連絡が入る。
地下水道に下りた男性を見た人がおり、その人の話ではさらに地下に下りたとのこと。
「まだ下があるのか。今思うとここ王都はどうなってんだ?神霊力を持つものしか開けられない地下通路に、上下左右に入り組んでいる地下水道、それなのに地下通路も地下水道もどちらも互いに干渉していない。どうなってだ」
「確かにおかしい。アベルトさんは何か知っていますか?」
「地下水道が入り組んでいることは知っているが、地下通路ってなんだよ聞いたことないぞ?」
アベルトが地下通路ことを知らないのは無理もない。
地下通路の入り口を開けられるのは神霊力持ちでなくてはならないのと、ユーリがここ最近までジークリンデだけに教えていなかったのだから。
「アベルトは魔力だし、ユーリも話していないって聞いているから知らなくて当然か。今思うと案外、王都の地下だけ空間がおかしくなくなっているなんて落ちだったりして」
イセリアの指摘に対して、アベルトはその指摘に心当たりがあった。
「空間がおかしくか・・・、その考えはあたりかもしれん」
「冗談で言ったことが事実だっていうのか」
「古い文献などを調べるとだな。どうやらこの王都の地下には旧文明を滅ぼした。何もかもを終わらせる機械仕掛けの神デウスエクスマキナが眠っているみたいんだ」
アベルトからもたらされた情報に二人は驚く。
かつて旧文明を滅ぼした何もかもを終わらせる機械仕掛けの神デウスエクスマキナ。
それは突如現れて絶対的な力をもって旧文明を破壊し滅ぼしたという。
デウスエクスマキナの力は空間を操る能力がある。
その時、デウスエクスマキナの周りの空間に異常が見られていたという。
そのせいか、旧文明の力では、デウスエクスマキナの空間を操る力を止められず、旧文明の攻撃はすべてすり抜けてしまい当たらなかったと文献には書かれている。
旧文明がそのことに気が付いたの時には、時すでに遅く対抗手段を作る前に滅ぼされてしまった。
デウスエクスマキナは文明を滅ぼしたとどこかで眠りについたと文献には書かれている。
「もしかして男はデウスエクスマキナの復活を目論んでいるのか?」
「その結論は飛躍し過ぎだ。私はふと地下通路と地下水道がなぜか干渉していないと思っただけだから、男がデウスエクスマキナの復活を目論んでいるなんて暴論もいいところだ」
「情報が足りないな。もっと情報を集めないと」
「そもそも、あたしたちはその人の捜索が目的なんだからその人が何したいのかは見つけたときに聞くか、衛兵に頼んで事情徴収の内容を聞かせてもらうだけでいいじゃないかな」
「それもそうだな。今そんなこと考えても意味がないか。捜索を続行しよう」
イセリアたちは捜索を続行し先に進む。
進んでいる最中イセリアたちはさらなる地下に下りることができる梯子の近くまで来たとき人が助けを呼ぶ声が聞こえてくる。
「助けてくれ~~~」
イセリアは助けを呼ぶ声聞いてすぐに梯子のところから梯子を使わずに下へと下りる。
ユーリとアベルトはイセリアに続いて梯子を使って下りてきてくる。
助けを呼ぶ声は次第に大きくなってくる。
それと同時にガシャガシャという音も聞こえてくる。
三人は音の方向へと急行する。
急行した先にはイセリアたちに向かって走ってくる男性と蜘蛛の姿をした機械だった。
「なんだありゃ!?」
「機械の蜘蛛!?」
「なんでこんなものがこんなところにあるんだ!」
三人は機械の蜘蛛をみて驚きの声を上げる。
三人の声を聴き男はイセリアたちのもとへと走る。
機械の蜘蛛のはイセリアたちの存在に気が付き口らしきところが光り出しピーピーと音が鳴り出す。
イセリアは男と蜘蛛の間に入り、シールドを三つ取り出し構える。
イセリアが構えた瞬間、蜘蛛からボーボーと音と共に光が放たれた。
放たれた光はイセリアのシールドに当たる寸前で拡散していく。
それを見たユーリは放たれた光の正体に気が付いた。
「今のはレーザー砲!イセリアの関係者が置いていった物なの」
「レーザー砲!?なんだそれは!」
「説明は後、アベルト兄さんは絶対にあたしとイセリアの前には出ないでそうじゃないと間違いなく死ぬから」
「なんで!」
「兄さんは光学兵器を止めるすべは持っていないでしょ」
「魔法で盾を作れば!」
「無駄!無意味!こちらに向かっている男と大人しくしていろ!邪魔だけはするな!」
「なっ!ユーリ!兄に向ってなんて口をきくんだ!」
ユーリはアベルトの最後の言葉を無視してアベルトの前に出て背負っていたシールドとビームライフルを構え、ビームを機械の蜘蛛に撃つ。
ビームは機械の蜘蛛に引き寄せられ、当たれば機械の蜘蛛に穴がはずだった。
ビームはさっきのレーザーと同じく機械の蜘蛛前で拡散して消えてしまった。
「はぁ!Iフィールドでも搭載されているのか!」
「ビームがだめでもあたしには神霊術がある。冷気よ、ここに集いて、周りのすべてを凍土へと変えろ。アイスバーン!」
ユーリの神霊術により発せられて冷気は地下水道を凍らせていき、流れる水さえも凍らせていく。
冷気は地下水道を凍り付かせるだけではなく。機械の蜘蛛さえも凍らせていく。
「おっと!新術か」
「なっ!なっ!なっ!」
イセリアは凍らせる術をユーリが開発していることは知らなかった。
アベルトにいたってはユーリが術を使うところを初めて見て驚いている。
「よし!機械の蜘蛛は神霊術に対して対策は取れていない。今よ!イセリア!」
「わかった!この剣技、貴様にすべて見切れるか!アリシア師匠直伝!紫電一閃!」
イセリア一歩目を踏みしめた瞬間、くるりと回るように後ろを向いた。
これを見たアベルトとユーリと逃げていた男は頭をひねった。
しかし、イセリアが三人のもとへ向かおうとした時、機械の蜘蛛がぐにゃりスライドし始めて切られた跡から紫電の一閃の跡がきらめいた。
きらめいた瞬間、爆音とともに爆風が地下水道を駆け巡り、機械の蜘蛛は粉々に砕け散った。
イセリアはユーリたちのもとへと戻り、見つけた男のもとへ向かう。
イセリアとユーリは男から地下水道へ下りた事情を聞くために近づく。
男の方も自らイセリアの前まで進んでいく。
イセリアと男が対峙した時、
「ユーリ!アベルト!離れろ!!!」
イセリアの掛け声を聞いてユーリはシールドを構えて防御の姿勢に入り、アベルトはすぐに対処できず、頭に???を浮かべるだけだった。
イセリアは自分の防御を関係なしに自分のシールドをアベルトの前へと展開する。
「我らの女神のために死ね」
男はそう呟き、イセリアに抱き着こうとして自爆した。
-------------神格覚醒-------------




