第三回Gクラス課外授業:王都夏至祭の警備 1日目 地下水道捜索
イセリアたちは地下水道へと降りていき、少し進んだところで道が三つに分かれいるところに到達する。
そこからは三つのパーティに分かれて女性の捜索を開始しようとしたところで衛兵のところに一本の通信が入る。
通信が送ってきたところは祭りの実行委員会からだった。
衛兵はそれすぐに出て話を聞いているうちに驚きの声を上げる。
「なんだって!ここから入っていった女性以外にも別の場所から地下水道へと下りていった人がいるというのは本当ですか!」
どうやら別の場所から地下水道へと下りていった人がいるらしい。
ということは捜索対象が新たに一人増えるということになる。
果たして地下水道へと降りていったのが二人だけなのだろうか。降りるところを見た人がいないだけで他に地下水道へと降りていった人がいるかもしれない。
そう考えると地下に何かあるかもしない。
祭りの実行委員会に提出されていない催し物がこの地下水道にあるともっていいだろう。
衛兵は話が終わったのか通信機の通話オフにして話の内容を皆に話し始める。
別の場所から地下水道へと下りていった人は男性で、こちらは堂々と地下水道へと降りていったという。
地下水道はでは催し物は一切やっていないためなぜ降りていったかは不明。
もしかしたらここから降りていった女性と地下水道で会うために下りていったかもしれない。
わからないものを考えても仕方がないのでイセリアは感覚を鋭くして人がいないか探る。
しかし、イセリアが感じ取った範囲の中には人がいる気配はなく魔物の気配しか感じられない。
この近くには女性の気配はない。女性は探知範囲外にいるか、または、すでに魔物食われた可能性がある。
そのことから急ぎ捜索を開始、ほかのとこから入った人も見つけ次第保護する。
「急ぐぞ。ユーリにイセリア。ジーク、俺と別れてもちゃんと仕事しろよ」
「アベルト、それはこちらのセリフだ。イセリア、アベルトを姉、ジークリンデの代わりにユーリをお願いする」
「アベルトのことは任された。が・・・、今のユーリならそう簡単に後れを取ることはないと思うがな」
全員、組みなおしたパーティになり、地下水道に下りた人たちの捜索を開始した。
イセリアたちは指示された道を捜索し始める。
まず向かったのはすぐ近くにある小部屋に行く。
女性はそこに立ち寄ったか調べるために。
その小部屋に近づくにつれてイセリアはそこに人の気配を感じるようになった。
すぐにそのことを別れた人たちにも連絡する。
イセリアたちと同じところから降りた女性はすぐに見つかったように思えた。
だが、小部屋の中にいる人の気配は一人だけではなく。もっとたくさんの人がいるようだった。
「やはり、地下水道に降りたのは二人だけではなかった。もっと多くの人が下りているようだ。それにしてもなぜこんなところに人が集まるんだ?」
「まさかと思うが、イセリアが言っていた。裏取引でもやっているのか?」
「イセリア、そんなこと言っていたんだ。裏取引の現場って簡単に入れるものなの?」
「いや、そういうやつらに限って必ず警戒しているものだから普通は簡単には近づけないものだ。だけど・・・、この先で行われているのが裏取引なんだろうか?」
「イセリアでもわからないの?」
「情報が少なすぎて判断がつかん」
「裏取引の現場ならすぐに取り押さえればいい。行くぞ!」
アベルトは急ぎ小部屋へと向かっていく。
イセリアとユーリは急ぎアベルトを追いかける。
三人が小部屋の近くに到着したとき、小部屋のドアを守るように守衛が配置されているのを見つける。
三人は物陰に隠れて小部屋を監視し突入の準備に取り掛かる。
三人が小部屋の突入準備している最中、三人がいる反対側の通路から話声を聞こえ来る。
物陰から身を乗り出し反対側から来る人たちを覗く。
服装からして貴族と思わしき女性たちとその護衛と思わしき人たちが小部屋へとやってきたのだ。
その人たちが小部屋の前に近づくと守衛が反応して女性たちに話しかける。
「合言葉を言ってください」
「今日もわくわくコミチカ、百合の祭典」
「お通りくださいませ」
守衛は小部屋のドアを開けて女性たちと護衛を中へと入っていく。
今のを覗いていた三人は今の状況を整理する。
現在、地下水道に下りていった人たちを探すために地下水道を捜索している。
降りた人たちはまだ見つからず、一つ目の部屋にてドアを守る守衛を見つける。
そこに反対側から来た女性たちと護衛がやってきて、守衛に合言葉を言って部屋の中に入る。
夏至祭実行委員会の話では地下水道にて催し物はやっていないとのこと。
なのに地下水道にて何か催し物をやっている。
三人は部屋の中にて行われている催し物を探ることにする。
部屋の中を探ることにしたことは良いが、どうやって中に入るが問題になってくる。
先の人たちは合言葉を言って入ったが、自分たちもそれで中に入れるかどうかがわからない。
「さてどうやって中に入るべきか」
「さっきの合言葉ではだめなのかな?」
とイセリアとユーリは考えるが、そこでアベルトがひらめいた顔をした。
「なあ、俺たちは警備委員なんだから、普通に事情を話して中に入ればよくないか。なぜここで催し物をやっているか、ついでに聞けばいい」
「どうだろう。実行委員会に催し物の開催の提出をしていないことからまともではなさそうだが」
「まずは試しで正攻法で中に入ればいい」
「まあ、試してみるか」
三人は物陰から出て、部屋の入口へ向かう。
守衛もイセリアたちに気が付き警戒し始める。
アベルトはイセリアの前に出て守衛に自分たちの目的を話して中に入れもらおうとする。
「我々は夏至祭実行委員会から警備を任されている者だ。この地下水道に一般人が一人、下りていった情報を聞き捜索に来た。ここに人が入っていくところを見かけた。こちらから人は来ていないか?」
守衛はこちらの質問に対してちゃんと答えを返してきた。
「ここにはいろんな方たちが訪れています。自分たちは地下水道に下りられる際はこちらまたは利用者が雇った護衛と一緒に下りてきてもらっています。人が一人下りてきていることはあり得ません。」
「だが、実際に人が下りてきてしまっている。そのわけを聞かせもらえないか」
「自分たちは利用者の方たちに事前に地下水道に下りる場所を教えています。皆様が探されている方は自分たちとはあまり関係ないように思われます」
事前に下りる場所を告知されているなら女性は地下水道へと下りる場所をわかっていただろう。
なのに女性は別の場所から地下水道へと下りてしまった。
女性を見かけた人は、女性は挙動不審で周りをきょろきょろと探っていた。
もしかしたら女性は場所を間違えてしまって不安になり、突然声をかけられたことによりびっくりして下りてしまったのだろう。
「そうそうこれが下りる場所を指定したところの地図だよ」
そういい守衛は一枚の紙を三人に渡す。
それを見た三人は女性がキョロキョロと何かを探している理由が分かった。
「これを見てわかるやつ知りたいな」
「地図が下手だ。これを見ても場所なんてわからない。おまけ程度に下りる場所は書かれているが、文字だと場所がどこだかわかりづらいな」
「抜けていところがあるせいで正確とは言いづらそうね」
「なんとなく女性がキョロキョロと周りを気にしていたのが分かった気がする」
「文字で場所がかかれていても正確性にかけていて、さらに地図は下手すぎて場所がわからん。これでは役に立たない」
女性はここの催しとは関係ないと思われたが、もしかしたら女性はここに来たくてイセリアたちが下りてきた地下水道の入り口にいたのかもしれない。
三人はそう考えてほかのパーティにこの情報を教える。
ほかのパーティでもイセリアたちと同じことを考えていたところもあった。
イセリアたちがいる子ここ以外にも地下水道で催し物を行っているところがあると伝えられる。
話し合っている最中に移動中のパーティからうずくまっている女性を発見との報告を受けた。
女性は地下で行われている催し物に参加するために地下水道の入り口に来たことは良いが、人がいなかったため探していたところ声をかけられて驚きのあまり地下水道へと下りてしまったとのこと。
女性は発見したパーティが地上に連れていくことにして、別のところから降りた人の捜索と地下で行われている催し物の取り調べをやるように言われる。
三人はここで行われている催し物を調べるため守衛に何か入れてもらえるように頼み込む。
守衛はイセリアたちを待たせて一度、部屋の中に入る。
そして、中から一人の女性と共に部屋から出てくる。
「あなたたちですか。ここ調べたいという警備委員の方々は!」
出てきた女性はイセリアたちを見るなり最後の方が驚きの声を上げていた。
女性はアベルトの存在に気づいて驚きの声を上げたと思う。
だが、それは違ったようだ。
「ユ、ユ、ユーリ様!なぜあなた様がここにおられれるのですか!こうしてはいられません。中の人たちにユーリ様がここに来られたことお伝えしなければ!ユーリ様たちは自由に中にお入りください!失礼します!」
女性は回れ右をして部屋の中に入っていく。
さっきの女性の声が聞こえたと思ったら、部屋の中にいるだろう人たちの声が聞こえてきた。
ユーリが来ただけでこの大騒ぎ、ここで一体何が起きているのだろうか?
「まさかユーリ様本人がここに来られると思いませんでした。どうぞ中にお入りください。我々はユーリ様方を歓迎いたします」
守衛は部屋の中に入れてくれるようだが、イセリアたちにとっては状況がいまいち理解できていない。
「すまないが、ここで何行われているのか聞かせてもらえないか」
「わかりました。ここは非公式ユーリ様ファンクラブ会場でございます」
「非公式ファンクラブ?ユーリにそんなものがあったのか。ユーリ、知ってる」
ユーリは首を振り知らないと答える。
「フェイト、アベルトのファンクラブがあるのは知っているけど、そういえば今日、フェイトのファンクラブの公式イベントがやる予定だったはず。どこだったかな」
「ユーリ様自身は知らなくて当然です。何分非公式ですから・・・、会長は打診して非公式から公式のファンクラブにしたかったそうです」
「できないわけでもあったわけか」
「王族直々にファンクラブの設立は禁止されました」
「なるほどそれで非公式ファンクラブなんだ」
ユーリのファンクラブは王族によってファンクラブ開設を禁止されている。
でも今はユーリ本人が了承すれば公式になるのではないか、本人はもう王族から籍を抜いているわけだし。
「ユーリどうする。お前が認めればこのファンクラブは非公式から公式になれるけど」
ユーリは考えるそぶりを見せて少し考えて結論を出した。
その時、部屋の扉が開き、中に入っていった女性が出てくる。
「いいですよ。ファンクラブを認めます」
「本当ですか!!!ありがとうございます!ユーリ様!!!」
女性は大喜びでユーリ元へと駆け寄り手をつかみ目から大量の涙が滝のように流れていた。
それを見たイセリアとアベルトは若干引き身になり、ユーリは愛想笑いを浮かべた。
そのあと、女性は涙を拭く。
「王族のユーリ様ファンクラブは王族直々に止められいましたが、ここに冒険者ユーリ・エターナルさんファンクラブの設立をここに宣言いたします!!!」
女性の宣言と共に部屋の方から大量の拍手が鳴り響くと同時に「長かった」「これで思ってだってユーリさんのファンクラブだと言い張れる」「表立って行動できるぞ」など声が聞こえてくる。
イセリアはつられて拍手をする。
アベルトは理解できていない様子だった。
だが、彼は何に対して理解が追い付ていないのだろうか。
女性はユーリを中に案内しようとする。
しかし、ユーリは今はいけないと言いついていかない。
「なぜですかユーリさん」
「わたしたちには今やるべきことがあります。それが終わり次第、一度、ここに顔を出します。それでよろしいですか。え~と?」
「私の名前はマスター・ラーンアウトと申します」
「マスターさん用事が終わり次第、ここに向かいます。では、別のところから地下水道へと下りた人を探しましょう。イセリア、アベルトに・・・さん」
ユーリは部屋の前を通って報告にあった人を探しに行く。
イセリアとアベルトはそれについていく。
この時のユーリの後ろ姿は喜んでいたように見える。




