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帰還した世界での学園生活  作者: astry
第一部 一年生
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夏至祭に向けて

 Gクラスの面々が旧校舎地下ダンジョンを探索してから数日が過ぎた。

ユーリはトランザムライザーの反動が少し弱まったようで動けるようになった。

だが、動けるようになっただけで、体が怠く歩くことができても運動はできなかった。

無理して出てきたものだから座学の授業はできても体育の授業は受けるのことができなかった。

ジークリンデはそんなユーリを肩を貸してともに行動している。


 そんな中、イセリアは次の課外授業について聞くためにシャルロッテとエリナに会えないか取り次ぐ。

二人とも昼時なら会えるとのことで、昼時にイセリアたちがよく集まって食事しているところに来てもらうように言って二人の前から立ち去る。


 授業は滞りなく進み昼時になりイセリアたちがいつも集まっている場所にシャルロッテとエリナは来る。

イセリアは昼飯を準備して二人を待っていた。

だが、シャルロッテとエリナを待っていたのはイセリアだけではなかった。

ユーリとジークリンデがともにいるのはよくあることなので二人は気にしていない。

イセリアたち以外の人物に問題があった。

そこにいたのは第一王子たち王族たちがそこにいたのだ。


「なぜ?殿下たちがいるのですか」

「時に下々の料理が食べたいと言ってここに食べに来るんだよ。王族たちに出される料理になんてお上品な料理ばかりで下々の料理というのは出されないからな。今日は運がなかったと思い付き合ってくれると助かる。まぁ、あまり気にしなくても大丈夫だ。あちらはあちらでどうにかするようだし」


 二人はイセリアの説明を聞いて気の抜けた返答をする。

イセリアがあまり王子たちを気にしていないのは王子たちのところにはアザレアがおりほとんどの給仕はアザレア一人で全てやれているからである。


 イセリアたちは気を取り直して先輩二人から課外授業について聞くことにする。

これまでの課外授業は去年、一昨年ではいけなかったところに行っているために去年と一昨年の情報は役に立たないが、今月は夏至祭があるのでどこも準備で忙しいはずである。

それでも課外授業はあるのかと、もしなかった場合どうするのかを聞く。


 シャルロッテとエリナは話を聞いて去年の課外授業について話す。

去年は王都夏至祭の警備をしている。

シャルロッテの話によると一昨年もその前の年も王都夏至祭の警備をやっているとのこと。

夏至祭の警備は三学年合同で行われ、チームを組んで王都を警備したという。

学生は一チーム5名で編成され、私服で夏至祭を楽しんでいる人たちに混ざって警備したという。

去年の出来事は祭りに浮かれて酒に酔って起きたけんかの仲裁、すりなどの人が多くつ集まると起こる犯罪者など検挙が主だったという。

学生の行動範囲は王都の立ち入り禁止区域と貴族街を除いた所を話し合って警備するとのこと。

今年も去年と同じなら今月の課外授業は王都夏至祭の警備になるという。

シャルロッテの話では一昨年もそのまた前の年からずっと学生は王都夏至祭の警備をしているという。


 それを聞いたイセリアたちは次の課外授業は王都夏至祭の警備であると予想する。

経験者であるシャルロッテとエリナはもちろんのこと話を聞いたイセリア、ユーリ、ジークリンデは今月の課外授業は王都夏至祭の警備で間違いないと思った。

イセリアここで一つの疑問が浮かんだ


「王都夏至祭の警備することは良いとして警備中に夏至祭を楽しんじゃダメなのか?」


他のクラスの人の人たちが夏至祭を楽しんでいる最中に自分たちは夏至祭を楽しむことができずにただ警備するとか虚しすぎる。


「ああ、そのことな」

「それなら安心していいよ。私たちはまだ学生だから夏至祭を楽しんではいけないことはないの。だけど夏至祭を楽しみすぎて警備をおろそかにしてはいけない」

「去年は三日間、夏至祭を楽しまずに警備に徹しろと言っていた先輩がいた卒業したから、今年はそんなこと言う奴はいないけどな」


そういったエリナは去年を思い出してか、嫌な顔をしていた。

どうやら三日間警備に徹しろと言われて先輩のもとで去年の夏至祭を過ごしたようだ。


「今年は警備範囲が広がりそうだな」

「え?なんでですか」

「そりゃ・・・、今年度は地方で何かと事件が起きているだろ。そのせいで本来、来る予定だった王都夏至祭の警備の増員が今年は少ない可能性がでてるんだ」


 イセリアたちはその話を聞いて今までに起きた大きな事件を思い出す。

一つ目、4月上旬に起きたイグナイト公爵邸爆破事件。

この事件被害は貴族邸宅が一つ消失とそこで働いていた人々が大けがしたことぐらいである。

唯一、難を逃れたのはマリアと寮に行っていたアザレアだけである。

犯人はまだ見つかっていない。

それどころか爆破物が何なのか未だに不明になっている。


二つ目、王都近郊にある神魔皇帝ゴッド・エンペラーによる森の消失事件。

世界の狭間からはぐれ神魔皇帝ゴッド・エンペラー現れてこの世界で暴れようとしたところを同じく世界の狭間から現れた新米神様との戦場になり討伐されたと報告されている。

誰もがこの報告はあり得ないと言われている。

報告した人たちは同意見だが、その戦いに遭遇した人たちから話は聞いているのと、この手の話に詳しい人からの情報によりこの報告が通った。

その人の話によると世界の壁が壊れるのは滅多にないという。

そのため、次は起こらないと言われている。


3つ目、4月下旬に港町インマーニで起きた。ディーゼル5656暴走事件。

ヴォルフガング博士により開発されていたディーゼル5656が何者かによりデビル化され暴走して港町インマーニを襲撃する事件。

これは当時ここに課外授業として訪れていた国立魔法学園エンデュミオンの生徒により鎮圧された。

生徒は大型人型兵器を持参しておりディーゼル5656からインマーニを守るために出撃する。

一度は圧倒することに成功するものの、この時、ディーゼル5656がデビル化していることに気が付いていなかったために思わぬ反撃にあい、換装パーツを排除して素体状態に戻っている。

それから戦闘は続き、最後は必殺技でデビル化したディーゼル5656を完全破壊する。

犯人の手掛かりはいまだにない。


4つ目、5月下旬にノウブル村で起きた。魔猪トゥルッフによる人々が魔猪に変えられる事件。

多くの人が犠牲になり、またもや課外授業として訪れていた国立魔法学園エンデュミオンの生徒により事件は終息した。

事件を引き起こしたトゥルッフは何者かに襲われ逃亡し、ノウブル村で力を蓄えていたと報告されている。

さらにトゥルッフを襲ったやつはトゥルッフが持っていたハイパードライブ・コアを欲していたという。

そのハイパードライブ・コアは国立魔法学園エンデュミオンの生徒がトゥルッフ戦の戦利品として持って行っている。

ハイパードライブ・コアを狙っている人物の情報はいまだに届いていない。


 そのほかにさまざま事件を思い出したが、大きな事件と言えるのはこの4つ特に被害が起きのは5月の事件である。

4月、5月下旬の事件は人の意思が介在しているためにその警戒のために王都夏至祭の警備に人を王都に呼び寄せることができないのかもしれない。

王都付近で起きた事件と地方で起きた事件のひどさを考えると地方のがひどいから、地方の警備を強化するのはわかる

イセリアたちは現状を思い納得する。




 イセリアたちの話をひそかに聞き耳を立てていた王子たちは、


「まだ本決まりにもなっていないのにすでに情報収集してんのか」

「アベルト、ユーリたちの話にも出ているように今年は地方から警備を回してもらうことができていない。勝手に城から飛び出して警備の手伝いをするのではないぞ」

「兄上、それはできない相談だ。人が少ないからこそ一人でも多く王都を守ろうとする人が必要だと思っている」

「アベルトの言う通りだが、我々の立場のせいでこちらに護衛の人数を割かなければならくなる。我々が口出ししてせいで本来の予定していた人員配置を変えさせるわけにはいかない。それに貴様の身に何かあれば迷惑を被るのは貴様だけではない。警備をしている者たちにも迷惑を被るのだ」

「だが、兄上」


 第二王子のアベルトは自分の立場を一応わかっているものの、それでも国と民を思う故に警備に参加したいと思っている。

第一王子フェイトは確かに一人でも多く王都夏至祭の警備に参加してほしいと思っている。

だが、兵士や学生ならまだしもアベルトの警備の参加は彼らの行動に何かしら影響を与えるの明らかだ。

アベルトの腕っ節は王侯貴族の中では上の方に入る。

しかし、王族である立場がアベルトを王都夏至祭の警備に参加させることができなくしている。


 そんな中、フェイト王子は一度、イセリアたちの方を見る。

そこでイセリアに目が留まり、アベルトを警備に参加させても大丈夫な方法を考え付く。


「アベルト、もしGクラス課外授業の発表前日まで王都夏至祭の警備に参加する決意が変わらなかった場合、

父上に警備に参加できるように進言してもいい」

「いきなりどうしたんだ兄上?イセリアの方を見たと思ったら今度は・・・、なるほどそうかイセリアか・・・」

「そうだよ。彼女の力なら貴様一人守るのも造作ない力を有している。彼女がすぐそばにいれば間違いなく安全だといえる。ついでに彼女から技を盗むことをお勧めする」

「なぜだ?」

「学園に入るまで何もできなかったあのユーリが彼女を師事することで、今では学園内でトップクラスの力を持っていると認められ、今回の旧校舎地下ダンジョンで活躍している。彼女とともに行動すれば何かつかめるかもしれない」

「確かに・・・、あの何もできなかったユーリが今では・・・、わかった。それでいこう」

「わかった。では、Gクラス課外授業の発表前日まで決意が変わらないことを祈る」

「ああ」


 アベルトはイセリアの方を向く。

その時、王子たちの話が聞こえていたのかイセリアがいつの間にか王子たちに目を向けていた。

王子たちがイセリアに向いたの確認するとイセリアは笑みを浮かべた。

その笑みの意味は・・・、


「ついてこれならついてこいか。ふっ、いいだろうついて行ってやる」


アベルトは立ち上がりここから離れようとする。

護衛をも後に続く。


「戻るぞ。妹には負けていられない。お前もそうだろ姉であるジークリンデには負けていられないだろ。ジークフリート」

「はっ、自分も姉には負けてはいられません」


 アベルトがいなくなったことによりフェイトたちも立ち上がり、ここを去る。

フェイトは一度イセリアの方を向いた後、すぐに立ち去る。


 イセリアはフェイトの視線に気が付いていたがアベルトのようにはしなかった。

だが、さっきとは違う笑みを浮かべていた。

この時に二人は何を思ったのか。

二人の道はかつて交差し同じ道を歩むことがあったかもしれない。

今は一時的に交差するだけである。

もう互いに歩んでいる道が違うのだ。


 アザレアが王子たちがいなくなると片づけを始めるとイセリアたちも話を切り上げ、アザレアの手伝いをし始める。

片づけが終わった後、それぞれ教室に戻って行った。

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