会合
「報告を聞きましょう」
この部屋は暗く、明かりを灯すのは蝋燭だけで、ここにいる人は誰もがローブを深くかぶり目元を隠している。
その中の一人、トップらしき人物が何かの報告を聞こうとしている。
この中の一人が、トップの報告する。
「我々が探していた。女神さまのコア、ハイパードライブ・コアはトゥルッフが持っていたことは間違いありません」
「それで」
「ハイパードライブ・コアを回収部隊を送りトゥルッフを襲わせました。結果は失敗に終わりました。トゥルッフは取り逃がし、トゥルッフが落としていった宝物にもハイパードライブ・コアはありませんでした」
ここでこの報告を聞いていた者たちはざわつきだす。
トップがこれを制止して報告を続けさせる。
「取り逃がしたトゥルッフは兵隊を用意してこちらに対して反撃に出るつもりだったようですが、ちょうどそのとき、村に訪れた学生によって討ち取られました。トゥルッフを討ち取った学生はギルドからの報酬としてハイパードライブ・コアを入手しました。手を尽くしてその学生からハイパードライブ・コアを入手しようとしましたが、学生はどれだけ金を積んでもハイパードライブ・コアを手放そうとしません。まるでハイパードライブ・コアがどういうものか知っているようでした」
またざわめきだすが、トップの人物が制止してトップの近くにいた人物が問う。
「ほう、その者の名前はわかるのか」
「すでに調べてあります。その者の名はイセリア・ルイン・フェネクス。歳は十五歳。四月始めに国立魔法学園エンデュミオンに入学、それにインマーニでの作戦を邪魔をしたやつです」
「なんと四月だけではなく今回も我々の邪魔をしたのか」
「これまでそいつの行き先で我々が作戦行動を起こしていて巻き込まれてこちらの作戦を台無しにしてくれただけのように思えるがのう」
「確かにそうですね。それでハイパードライブ・コアはイセリアから手に入れることができるのすか?」
「どれだけ金を積んでもダメなら襲えばいいのではないのか?」
「それでは今の我々の戦力では彼女を倒すのは不可能でしょう」
「なぜだ?」
「彼女は冒険者ランクBですが、強さはBランクでは収まらないほど強いのです。冒険者たちの話ではSSランクの冒険者でも踏破不可能と言われた海底ダンジョンを一人で踏破したという噂があります。それにこれまで全力を出したところがまだ確認されていないのです」
「全力を出したところが確認されたことがない。冗談ではないのか?」
「冗談ではありません」
ここいる人たちはイセリアに対して金もダメ、武力でもダメという状態になった。
この会合に参加している者たちがイセリアに対してどういった手を考えればいいのかと考えている時、トップを張っている人物の後ろのレリーフの目が輝きだした。
「皆の者よ、われらの女神のからの啓示である。しかと聞き届けよ」
ここに居る全員がレリーフに向かって首を垂れる。
『ここに居る全員よ。聞きなさい。その者からはどうやってもハイパードライブ・コアは手に入らないでしょう』
彼らの女神からの言葉にここに居る全員は驚いた。
女神自身がイセリアに何をやってもハイパードライブ・コアを手に入れることができないと言ってしまったのだから、しかし、話はこれだけではなかった。
『彼女はハイパードライブ・コアがどんなものかを知っている。だからどんなに手を尽くしても手放すことはないでしょう』
「ではどうすればいいのですか。ハイパードライブ・コアがなければ貴女様は復活することができません」
『彼女から手に入れることができなければ新しく作り出します。ちょうど今月の夏至祭最終日がちょうどいいでしょう。今から渡すものを指示した場所に置きなさい。さすればイセリアの力を利用して新たなハイパードライブ・コアを作り出すことができます』
信者たちは彼らの信じる女神の言葉に驚き、女神さまが復活すると歓声を上げる。
しかし、
『生成しても今すぐには復活はできません。イグナイト公爵邸にあった我がハイパードライブ・コアと新たに生成されたハイパードライブ・コアを同調させるのに時間がかかります。それ故にすぐには復活出ません』
「女神様、ハイパードライブ・コアを同調させるのにそれくらいの時間がかかるのですか?」
『夏至祭の後に同調を開始して完全復活できるのは来年の一月でしょう』
「わかりました。我々は女神様が完全復活するためにハイパードライブ・コアをお作りし献上して完全復活するまで守る所存です」
『ありがとう。我を信じる者たちよ。これよりこれを渡す。そして、見事作戦を成功させて見せよ!』
信者たちは女神の言葉に誓いを立ててそれを受ける。
そのあとにレリーフから一つの宝玉と指示書が信者たちの前に現れる。
信者たちは指示書に従い行動し始める。
すべては女神の完全復活のために。




