ユーリ暴走
ユーリが決意表明してから時間が過ぎて、週末となった。
ユーリとジークリンデは共に朝早く城へと向かった。
イセリアたちはユーリが出るとに顔を合わせ結果を待つことを伝えた。
イセリアたちはユーリとジークリンデが戻ってくるまで組み手をしながらユーリとジークリンデが帰ってくるのを待った。
それから日が昇り午後になってから少ししてから物凄い音が寮の玄関から響いた。
それは何なのか確かめに行ったとき、寮の玄関は完全に破壊されていた。
このことをしたものはいったい誰がと思ったとき、ジークリンデが走って寮へときた。
「皆さん、ユーリを見ませんでしたか!」
ジークリンデはユーリを探しているようだがイセリアたちはユーリが今どこにいるのは分からない。
そこでイセリアはすぐにユーリの気配を探し始める。
またもやものすごい音が響く。
音が響いた先には大穴が開いていた。
そしてそこからユーリが完全武装した状態でシールドに上に乗り寮を出ていくのが見えた。
ユーリが飛んでいくのを見たイセリアたちはジークリンデにユーリに何があったのかを聞いた。
「ユーリは陛下に書類を渡して契約書にサインしてもらったそうです。陛下はユーリから書類を受け取り次第すぐに書類にサインしたようです」
「じゃあ、ユーリは王族から籍を抜くことができたのか」
「そうなります」
「だが、あの荒れようはただ事ではないぜ。契約書にサインされる際、何かあったのか?」
「わかりません」
「なぜわからない!」
「自分は護衛です。陛下の部屋までは入れません。最初に言った陛下がすぐに書類にサインしたことだってユーリが出て来た時に聞かされたことです」
ここに居るメンバーはジークリンデの話を聞いて陛下がユーリが持ってきた書類にサインした状況を考えた。
「リンデ、ユーリと陛下が会っていた時間は分かるか」
「会っていた時間ですか?会っていたのは五分にも満たなかった思います」
「速いな。もしかして陛下はユーリが取り出した書類を説明も聞かずにサインしたのか。そうすると陛下自身軽率すぎると言わざる得ないが・・・」
「王にでもなると書類の速読は基本ですからあの程度の文章量なら陛下は一瞬で速読をできてもおかしくないのではないですか?」
「確かに陛下は毎日のようにたくさんの書類と格闘しなければならない以上、文字を読むのが速くなるだろう」
「読んだうえですぐにサインしたということか」
「悩まずに即決、さらに読んだうえでユーリに何も仰られない。今のユーリの心には陛下に対する怒りや悲しみ、失望などが渦巻いているのか知れませんわね」
「それでこの暴走か・・・」
イセリアの言葉で全員破壊された玄関と大穴が開いた壁を見てユーリが飛んで行った方向を見た。
「感情のはけ口として物に当たるのはよくないな」
「イセリア、お前確かこういうの直せたよな」
「直せるけど、まさか!」
「任せた!オレたちは暴走しているユーリを止めてくる」
「私はここに留まってイセリアの修理のお手伝いをさせていただきますわ。三人で行ってきてくださいませ。終わり次第、イセリアと共に参ります」
「わかりました。先に行きます」
シャルロッテ、エリナ、ジークリンデの三人はイセリアとイセリナを置いて先にユーリが飛んでいった方向へと向かった。
今のユーリは感情が暴走するまま何をしでかすかわからない以上、最大戦力であるイセリアを置いていったのは間違いである。
しかし、玄関や寮の壁をそのままにするわけにもいかず、イセリアは直してからユーリを止めに行くことにした。
イセリナはイセリアの手伝いをしてからユーリを止めるのを手伝う。
イセリアが寮の修理を始めてから少ししてユーリが飛んでいった方向から大量の光の雨が降るのを多くの人が見た。
イセリアも修理中に光の雨を見た。
(あれはセレスティアル・ローサイトか、ユーリが使えるようになったことは聞いていたが・・・、こんなところで使うとか。全くユーリの奴どれだけ荒れているんだ)
イセリアがユーリの荒れように心配になっているとまた光の雨が降り注ぐ。
ユーリは二度目のセレスティアル・ローサイトを使ったのが分かる。
(二度目か、使うの一向にかまわないが、ただでさえあいつの装備は神霊力を使うのに使い過ぎてガス欠になったときのこと考えているのか?いや、考えていなさそうだな。今はただただ力を振るっているってところか。今は抱えていたものをすべて吐き出させて倒れたところを連れて帰ればいいだろう。イセリナも騒いでいないところを見ると同じ考えなんだろう)
イセリアがそう思いながら寮の玄関を直していく。
玄関が元通りなったときに三度目の光の雨が王都の外に降り注ぐ。
イセリアは何事もなく今度は寮の壁を直し始める。
これだけ光の雨が降り注ぐと何も知らない人から見れば不安に駆られるかもしれない。
だが、今のユーリには関係なかった。
ただただ目の前にいる魔物を倒すことに神霊力を使う。
空からビームライフルで撃ち抜いたり、セレスティアル・ローサイトで殲滅していた。
ドンドンと先へ進み王都から離れていこうとも進んでいく。
ただこの感情が晴れるまでユーリは突き進む。
(陛下はわたしのことなんて何とも思っていなかった。わたしが渡したのは籍を抜く書類、何か一言言ってくれたり、怒ってもいいと思うけど何にもなかった。渡した瞬間に書類にサインして私に返してきた。家族ではなくなるとしても何か一言行ってほしかった。もう、ふ・ざ・け・る・な!わたしはいやあたしは親など信じるものか!)
今のユーリは頭には同じことがループしている。
ユーリは暴れに暴れ回る。
今度はセレスティアル・ローサイトを撃つのではなく、神霊力を使い目の前に現れた魔物をビームライフルとビームガトリングガンでハチの巣にしながら倒していく。
解体して魔物素材を剥ぎ取ろうとは一切思っていない。
シャルロッテ、エリナ、ジークリンデの三人は三度目のセレスティアル・ローサイトを発動されたときにユーリに追いつくことができた。
三人は今のユーリを見て感情的になっていることが分かった。
今のユーリに何を言っても無駄である。
だから三人はユーリの近くに誰かが近づかないように見張りながら、止まるまで後ろからついていく。
「三回目のセレスティアル・ローサイトを使ってから戦い方を変えたな」
「さっきまでは殲滅しようとしていたけど、今度は身体能力が向上しているように見えます」
「たぶん神霊力を身体能力向上に使用しているのよ。今度は神霊力がなくなるより体力がなくなるのが先になるかしら」
三人は後ろからユーリをこっそりと見守る。
そんな中、ユーリは問答無用で神霊力を使いながら戦う。
ユーリは現在、シグルドブレイドを使い接近戦をしている。
さっきまではビームライフルとビームガトリングで戦っていたが、ビームライフルとビームガトリングはユーリが神霊力を込めまくりそれが弾として出てこなくなってしまったために不調をきたして使い物にならなくなってしまった。
接近戦している時、ユーリは神霊力でクイックブーストをして高速移動して戦っている。
ときにクイックブーストを失敗して移動先でこけて大けがするときもあるけど、ユーリはアイテムボックスからある物を取り出して自分にかけてけがを治して戦う。
この光景を見た者はなんて思うだろうか三人は傷つくユーリ物陰から見ているだけで何もしない。
だが、ジークリンデだけユーリの変化に気がついた。
もうユーリは感情のまま戦ってはいなかった。
それに気がついたジークリンデは物陰から飛び出してユーリの戦いに介入する。
「ユーリ!自分も戦う!」
「やろう!リンデ!こいつら全員、地に返してやる!」
この時、ここに居る全員気がついていなかった。
ユーリが突き進んだがために自分たちがいまだどこにいるのかを
「追いついた。ユーリの奴、突き進み過ぎてゴブリンの集落へときてしまったようだな」
そこで寮を修理し終えてやってきたイセリアによって今自分たちがどこにいるのか気がついた。
シャルロッテとエリナはすぐにユーリたちに加勢しようとした。
だが・・・、
「加勢の必要はないようだな。ユーリがキングゴブリンを倒しそうだ」
イセリアが二人の加勢を止めてユーリの方を見る。
ユーリはゴブリンの中でも一際違う個体に一人で向かっていった。
一際違うゴブリンはイセリアが言った通りゴブリンの中で一番強い存在キングゴブリンだった。
ユーリは臆することなく戦いを挑む。
キングゴブリンは近づいてきたユーリに棍棒で迎撃する。
ユーリは体をひねって回避し、クイックブーストを使って加速してシグルドブレイドで足を攻撃する。
キングゴブリンは防御しようとする。
その防御は意味をなさず、ユーリの一閃により足がに斬れる。
ユーリは足が斬られたことによってバランスを崩したキングゴブリンを空へと蹴り上げて追撃する。
クイックブーストを使って空中でキングゴブリンを滅多切りにして地面を叩きつけてユーリは最後の一撃を加える。
「これで終わり!」
ユーリは急降下してキングゴブリンにライダーキックごとく一撃を入れようとしてる。
だが、キックの先端にはシグルドブレイドがありこのままいけばキングゴブリンは串刺しになる。
結果はユーリの最後の一撃は見事に決まり、シグルドブレイドによってキングゴブリンを貫いた。
それだけ飽き足らずそのまま衝撃が拡散してキングゴブリンの四肢と頭が吹き飛んだ。
ユーリは反動もなく再び戦闘態勢に入る。
ゴブリンたちは集落の長たるキングゴブリンがやられたために戦意を喪失して逃げていく。
ユーリは逃げていくゴブリンを追撃しようとするが、そこにイセリアが介入する。
逃げていくゴブリンをセレスティアル・ローサイトを使い殲滅する。
「イセリア、それと先輩方、どうしてここに?今思えばリンデも何でここに居るの?」
「お前を追ってここまで来たんだよ」
ユーリはさっきまで出していた殺気を収めた。
そうしたらユーリは突如としてふらふらし始めた。
「あれ?なんか力が入らない。まだ暴れたりないのに」
「あれだけ暴れれば体力も神霊力も尽きるだろう。さあ、帰るぞ。気づいているかわからないが、もう夕方だぞ」
そう言ってイセリアは空を指した。
空は茜色に染まり時間が経てば陽は落ちて
それでここに居る全員は時間がどれだけ経ったのかわかった。
「管理人には事情を話して帰るのが遅くなることは伝えてある」
四人はホッとする。
しかし、イセリアの話は続く。
「だが、遅くなることが許されても、ユーリが寮の玄関と壁を破壊したことへの説教は免れないけどな」
ユーリはフラフラだったのがイセリアから説教のことを伝えられると限界が来たのか倒れてしまった。
イセリアはユーリを拾って次元倉庫から車を取り出して全員を乗せて寮へと戻る。
何事もなく寮に戻ることができ、玄関には微笑みを浮かべながら目が笑っていないマリアが仁王立ちしていた。
イセリアたちが見えたときに近づいて説教をしようとするが、気を失っているユーリを見てすぐにユーリをすぐに自室へと向かわせた。
イセリア、シャルロッテ、エリナ、ジークリンデは暴走したユーリを迎えに行っていたメンバーとして今回はおとがめなしとなった。
次の日、ユーリは目が覚めて一階へ降りて来た時にマリアから説教されて昼頃にはげっそりとなっていた。
「マリア、怒らせてはだめだ~」
そう言い残してまたもや力尽きた。
その日もダウンしてしまった。
イセリア、イセリナ、ジークリンデ、シャルロッテ、エリナは今のユーリに何も言わず部屋へと戻す。
マリアに説教させたら身が持たないと全員が認識し、説教を食らわないようにしようと心に誓うのだった。




