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帰還した世界での学園生活  作者: astry
第一部 一年生
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ユーリついに動く

 課外授業が終わり寮に戻ってきて数日がたった。

イセリアは日課である早朝ランニングを終えて寮に戻る。

寮の玄関口には同じく早朝ランニングをしいる面々と合流する。

今、寮の玄関口にいたのは一年生のユーリ、ジークリンデ、イセリナ、エミルの四人、二年生はエリナと二年生最強のアモンの二人、三年生はシャルロッテと男子二名の三人がいた。

女性陣は全員走り終えた後で汗をかいている。

男性陣はこれから走り始めるところで、女性陣が戻ってきたところを丁度ばったり出会ったようだ。

それから互いに朝の挨拶をして女性陣は寮の中へと戻っていき、男性陣はイセリアの横を通って寮のから出て早朝ランニングし始めた。


 女性陣は朝のシャワーを浴びてから制服に着替えて朝食を取り始める。

早朝ランニングをしていたメンバーで朝食を取っている時、ユーリから話を打ち明けられる。


「皆さんにちょっと聞いてほしいことがあります」


 ユーリの目には決意が灯っており、この話は前から言っていた例のことの決意表明と思ってイセリア、イセリナ、エリナ、シャルロッテはユーリの言葉に耳を傾ける。


「今週末にわたしは王家から籍を抜こうと思います」

「ついにか」


 ついにユーリが前々から考えていた王族から籍を抜いて、ユーリ・エンデュミオンからユーリ・エターナルになるための行動に出ようとしていた。

そこに待ったをかける人がいた。


「もうちょっと考え直してもいいのではないですか?籍を抜くのは学園を卒業した後の方がよろしいのではないですか」


 シャルロッテは学生の間に籍を抜くのではなく卒業してから籍を抜いたほうがいいという。

だが、シャルロッテ自身この提案は今のユーリの目を見たらそれが無駄だとわかっている。


「シャルロッテ先輩、今、籍を抜かなければ国王陛下にユーリが術を使えることが分かり何かしら手を打ってくると思う」

「それはないと思うのだけど、ユーリが術を使い始めたのが分かったのは今月の旧校舎地下ダンジョン再調査の時にセレスティアル・ローサイトを放ってから時間が経っているのに何の行動を起こしていないのよ。囲い込みをするならすぐに行動されると思われるのだけれど」

「確かに」

「ぶっちゃけた話、ここに居るオレたちが悩んでも意味なくね。本人が籍を抜くなら後のことは自分自身でどうにかするしかないんだ。ユーリ、お前が王族から籍を抜いてからどうするつもりだ」


 エリナはユーリに王族から籍を抜いた後、どうするか聞く。

ユーリから帰ってきた答えは


「今まで通り、学園に通います」


ジークリンデ以外はユーリの答えを聞いて首をかしげる。

一番最初に立ち直ったのがエリナだった。


「いや、無理だろ!お前奨学生じゃなんだから学園に通うためには学費を払わなければならなんだぞ!どうやって払うつもりだ!」

「そこは心配いりません。ちゃんと手だては考えています」


誰もがユーリが学園に通うために学費をどうやって工面するのかを興味そそられた。

イセリアとイセリナはジークリンデに学費を工面させるのではないかと考えた。

しかし、ユーリが考えた手立ては話を聞いている者たちには考えられないことだった。


「陛下に払わせます」


ここに居た誰もがユーリの言葉によって志向が停止した。

それから再起動して現実か確かめる。


わたくしの聞き間違いでしょうか。ユーリ様は陛下に払わせると仰ったように聞こえましたが」

「オレもそう聞こえた」

「寝言でしょうか」

「ユーリの目がマジだ。本気で陛下に払わせる気でいやがる」

「すみません。ユーリは本気なんです」


ユーリは本気で陛下に払わせる予定でいる。

だが、これを聞いて誰もが思う。

陛下が払うとはとても思えない。


「どうやって陛下に払わせるつもりだ」

「簡単です。これを使って払わせます」


ユーリは後ろから一枚の書類を取り出した。

その書類の内容は遠回しの文が書きつねられていて、文を要約するとユーリの王族から籍を抜くこととユーリが学園卒業するまで学費などを支払うことが書かれているものだった。

それにユーリが取り出したか書類に使われている紙をイセリアが見たところ紙自体に術がかけられていることが分かった。

紙に書けられている術はまだユーリに教えていなものだった。

そもそもイセリア自身この術を教えるつもりはなかった。

だが、ユーリは自力でたどり着き使用している。


「神霊術を日々研鑽していたとはいえ、まさか自力で契約書作り出すレベルへと上がっていたとはこのイセリアの目を持っても見抜けなんだ」

「契約書を自力で制作するですって!まだ術の基本を覚えて使えるようになってから一カ月もたっていないのにどうして!」


誰もが驚く、唯一驚いていないのはユーリのそばにいるジークリンデだけである。

イセリアはこれまでのことを考えてユーリに対して一種の結論を出した。


「ユーリはとんでもない天才だった。そうじゃなければ、ちょっと訓練しただけで動いている的を狙い撃てるなんてできはしない。それに何度か見せたのと一時的に使い方を教えただけでシールドに乗って空中浮遊なんて応用ができるなんてありえないだろ。師匠たちの元での修業時代の自分と比べると悲しくなってくる」


イセリアの言葉は後の方になるにつれて小さくなっていき、昔の自分と今のユーリを比べて泣きそうになる。


次にこの契約書はどれくらいの効力があるかになった。


「まぁ、後はどれくらいの効力があるかだね。弱すぎると簡単に解除されるしまうから」

「そこは安心していいだろう。この世界は神霊術に関して知識はゼロだから解除されないだろう」

「魔力と神霊力は打ち消し合うのが基本で、ある程度行くと打ち消しあわず高め合うという性質でしたわよね。契約書に使われている神霊力がどれほどかはわかりませんが、魔力をあてられて消されかねません」

「まずそれは私たちがその知識を持っているから言えることで知識を持っていないやつが見てもわからない。そもそも私が神霊力のことを話さなければ誰も神霊力のことについて誰も知らない」

「確かにそうですね。神霊力は知る人ぞ知るという力ではなく。本当に誰も知らない力ですものね」

「オレも先月にイセリアに聞かされるまで知らなかったしな」

わたくしはアリシアさんから聞かされていたから知っていましたけど、神霊力を持っていないから感じ取れませんでしたわ」

「そうするとこの書類を渡しても城の連中は誰もわからないってわけか」

「そういうことだ」


 城の人間は神霊力を感じ取ることができな故にユーリが掛けた契約書の術は解除されることはない。

だが、そもそも国王陛下がユーリの出した書類に許可を出すかが問題なのだがこれは結果を待つしかないだろう。

それから話は続き、イセリアたちはユーリの決意もわかりこれ以上口出ししないことにした。

ユーリが王族から籍を抜けるかどうかは週末の結果を待つしかない。

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