第二回一年生Gクラス課外授業:『それから』
イセリアたちはその場を冒険者たちや領の軍に任せて村へと戻る。
そして、村の出入り口には頭に血が上り怒り心頭のコンゴウ先生がイセリアたちを待ち構えていた。
一年生一同、コンゴウ先生によって宿の廊下に正座させられ説教を受けた。
説教が終了したときにコンゴウ先生から今回のレポート課題だけではなく反省文とレポート書いて提出することになった。
それから一年生一同は遅めの夕食を取って今日のことをレポートにして各々で眠りついた。
イセリアは一人、バルコニーに出て次元倉庫からある物を取り出して風にあたりながら取り出したものお猪口に注ぎ飲み始めた。
イセリアが風にあたりながらある物を飲んでいる時、誰かがバルコニーへと入ってきた。
「こんなところで何をしていますの?」
バルコニーに来たのはイセリナだった。
イセリアはイセリナにある物を見せて「一緒に飲むか」と聞き、イセリナは頷いた。
イセリナはイセリアの隣へと移動してイセリアからお猪口を受け取りある物を注いでもらい口につける。
「あっ、これお酒」
イセリナは水だと思ったのかある物を飲んだ時にある物が酒であることに気がついた。
「何だと思ったんだ。水だと思ったのか?」
「ええ、このような透き通ったお酒は初めてで」
イセリナはそう言いまた酒を口に運ぶ。
イセリアも隣でそれを見ながら酒を口に運ぶ。
二人は星を見ながら無言で酒を飲み続けた。
二人が酒を飲んでいる時、出入り口の方からノックの音が聞こえイセリアとイセリナの二人はそちらに目を向ける。
出入り口のそばにはコンゴウ先生が立っていた。
「お前らこんなところでどうした。眠れないのか」
そう言ってコンゴウ先生は二人に近づく。
「私は少し眠れなくて」
「私はちょっとした習慣かな。今日殺した人の分の酒を飲んでる」
イセリナとコンゴウ先生は驚いた。
イセリナが驚いたのは、イセリアが人を殺してしまったことに対する罪悪感などとっくになくなっていると思っていたからだ。
コンゴウ先生が驚いたのはイセリアは法律上まだ未成年として扱われている。未成年でも隠れて酒を飲むのは良いが、先生のいる前で堂々と酒を飲んでいると言ったことに驚いている。
コンゴウ先生は先生というと立場を考えれば止めなければならないが、今回戦った魔猪たちのことを考え追悼の意をもって酒を飲んでいるイセリアを止めようとは思わなかった。
それどころか
「俺にも酒をくれ。追悼の酒を飲むのを手伝おう」
今度はイセリアの方が驚いた。
「先生、本来の立場なら私が酒を飲むのを止めなければならいないのに一緒に飲むとか何考えてんだ」
「用意した追悼の酒を俺も飲んで空にするのを手伝ってやるとだけさ」
イセリアはお猪口を取り出してコンゴウ先生に渡して酒を注ぐ。
コンゴウ先生は注がれた酒を一気に飲み。また注いで飲む。
イセリナも付き合うように酒を飲む。
「イセリア、私はあなたがすでに人を殺すことへの罪悪感などとっくになくなっていると思ってました」
「人を殺すことへの罪悪感か・・・、昔は殺すたび殺すたびに感じていたけど、今はそう感じないな」
「そうなのか、てっきり罪悪感を感じているから酒を飲んでいると思ってたぞ」
「最初に言ったがこの行動自体もう習慣なんだよ。人を殺した以上は殺した人数分の酒を飲んで、殺したやつらに恥じないように生きる。ただそれだけだ」
イセリアはそう言い酒をあおる。
イセリナとコンゴウ先生は難しい表情を浮かべるも何も言わなかった。
三人とも夜空をの星を眺めながら酒を飲んで行く。
それからイセリアが用意した酒は無くなり、最後まで飲んでいたのはイセリアとイセリナだけでコンゴウ先生は途中から酒を飲む頻度が減り酔いが回ってきたのか眠ってしまった。
イセリアはコンゴウ先生を部屋へと運び、イセリナと共に与えられた部屋に戻って眠りについた。
次の日の朝がやってきたイセリアとイセリナは何事もなく普通に起き上がり、朝の日課を終えて宿の朝食を取り始める。
昨日、魔猪のことは原因を排除したから今日は本来の課題が出るだろうと思い一年生一同は朝食を取り終えた後、コンゴウ先生が食堂に入ってくるのを待った。
しかし、コンゴウ先生はいくら待っても来ない。
何が起きたのかと心配になり皆を代表としてユミルがコンゴウ先生を迎えに行こうとした。
そこでコンゴウ先生が気持ち悪そうな顔をして食堂へと入ってきた。
それを見たイセリアとイセリナはコンゴウ先生がなぜ来るのが遅かったのか理解した。
(完全に二日酔いだ)
コンゴウ先生は自分を殴って気付けをして今日の課題を渡す。
課題を渡した後コンゴウ先生は椅子に座り、机に倒れ伏す。
一年生はコンゴウ先生から課題を受け取った後、今回の課題の班分けをする。
今回の課題は昨日と引き続き魔猪の討伐にクッケーの飼育、畑の手伝いがあった。
班分けが終わらうとしているところでコンゴウ先生からイセリアに指示があった。
「イセリアはこれからギルドに行って、大型魔猪トゥルッフの戦利品を取りに行ってくれぇ」
コンゴウ先生はそういった後また机に伏せてしまう。
それを見たイセリアとイセリナ以外は昨日の夜何があったのかと疑問に思った。
イセリアとイセリナはコンゴウ先生が伏せている理由に見当はついている。
(コンゴウ先生は二日酔いか三人の中では一番飲んでいなかったのになってしまうとは下戸だったのか?それなら私たちに付き合わなければよかったのに)
(コンゴウ先生、お酒一本でダウンしてしまうとは、こんなことになるなら私たちに無理に付き合わなくてもよかったのに)
二人は昨日の夜、三人で酒を飲んでいたことは誰にも話さずそれぞれやる課題の元に向かった。
イセリアは課題の場所に向かう前にギルドに行って戦利品を取りに向かう。
戦利品を取りに行く前にコンゴウ先生が伏せている机の上に手紙と二日酔いが治るようポーションを置いていった。
イセリアが書いた手紙の内容は
『早く良くなれ』
コンゴウ先生は手紙呼んだあとポーションを飲んだ後、少し伏せてから自分の仕事に戻った。




