夜の旧校舎地下ダンジョン第一階層
イセリアとエリナは第一階層の扉をあけ、第一階層へと入る。
夜の第一階層は昼間とは違い中の雰囲気が変わっていた。
昼間の第一階層は太陽の光がダンジョンまで入ってきているのではないかと錯覚するような明るい雰囲気に対し、夜の第一階層は日中と比べるとはるかに薄暗く、ダンジョンから何かが蠢く音が聞こえ、どこからでガスか何かが吹き出る音まで聞こえてくる。
二人は第一階層に入り次第、ダンジョンの雰囲気が日中と変わっていることを肌で感じ取る。
「第一階層はこんな感じなのか」
「一か月前とは全然違う。こんな感じではなかった。もしかしたらこのダンジョンも昼間と夜で中が変わるダンジョンなのかもしれない」
「だとすると日中の第二階層ようにはいかないということか。慎重に行き来つつ奥へ進むぞ。オレが前衛、イセリアが後衛だ」
「わかった」
夜の第一階層はやはり昼間とは変わっていた。昼間には無かったトラップが存在したり、魔物も変わっていた。
昼間の第一階層が初めてダンジョンに潜る人用の入門ダンジョンのようだったが、夜の第一階層は初心者殺しのようなダンジョンに変わっている。
昼間の第一階層で出てくる魔物は最低クラスで昼間を主に行動する魔物だったが、夜の第一階層で出てくる魔物は主に夜行性の魔物で集団で行動する魔物が多い。
この時、現れる魔物は昼間の第二階層の魔物より強い魔物が現れている。
そのような魔物が奥に進むにつれて多くなっていく。
「昼間の第二階層でも魔物と戦う時は精々二、三体同時に相手する程度だったが今は七、八体はざらだ。はっきり言おう疲れる!イセリア!お前の体力は大丈夫か!」
エリナは今まで前衛をして動き回っているために体力の消耗が激しかった。
それにエリナは昼間の第一階層のことを聞いているので、何かあったときにイセリア、一人がいたら大丈夫だろうと思って油断して寮にいるときあまり体力回復に努めていなかったのかもしれない。
それはイセリアも同じだろうと思いエリナは後ろを振り向く。
振り向いたエリナが見たものは・・・、
イセリアがコンゴウ先生とジル先生に頭を下げているところだった。
イセリアは自分たちの後に誰かがここに入ってきたことは感知してた。
イセリアは自分たちと同じように夜に学園に忍び込んでガーゴイルと戦おうとしていると思い。後から入ってきた人物にはあまり意識していなかった。
もし追いつかれたら共にガーゴイルと戦えばいいくらいしかイセリアは思っていなかった。
二人は魔物と戦うにつれて奥へ進むのが遅くなりいつしか後続に追いつかれたのである。
イセリアとエリナに追いついてきたのがコンゴウ先生とジル先生であった。
イセリアは戦いが終わり次第すぐさま振り向き二人に頭を下げのであった。
コンゴウ先生とジル先生は既に先客がいることには気づいており発見次第説教をすると決め込んでいた。
最初はダンジョンの雰囲気に戸惑いはしたもののすぐに気を取り直して慎重に奥へ進んでいた。
二人は突如、戦闘音を聞きつけて先客が戦いに入ったことを悟り、そこで先客たちは足を止めていると考えて戦闘音の元へと向かった。
二人が戦闘があった場所にたどり着いたときにはすで戦いは終わって魔物の亡骸が放置されていた。
二人は魔物の亡骸を検分して先客の武器やどのような人物かを推理する。
拳と蹴りによって倒された亡骸と魔法によって倒された亡骸がある。
主に拳と蹴りによって倒された亡骸が多いため先客は格闘家であることが二人には分かった。
二人はそこからここを知っている人物でこのような戦いをする人物をすぐにあたりをつけた。
「はっはっは、まさか生徒が我々より先に入っているとは」
「笑い話ではありません。早く見つけて寮へ戻さないといけません。それに魔物の亡骸からして一人でここに来たわけではありませんね。その人たちも含めてまとめ説教です!」
「それにしてもダンジョンだというのにこいつらから何も取らないで行くとはエリナは先を急いでるのか。こいつらから落とす物を拾ってアイテムの足しにすればいいのに」
エリナたちは魔物を倒した後、放置して何も拾わず先に進んでいるのである。
ダンジョンに出現する魔物は外の魔物とは違い解体する必要はない。
ダンジョンでは魔物は倒された後、ある程度時間がたつと消失して、魔物が消失した場所に倒した魔物のに関する何かしらのアイテムか回復アイテムが出現する。
例えばダンジョンでコッケーを倒せばしばらくして消失し、その場にコッケーの羽や下級ポーションなどが出現したりする。ダンジョンの難易度が高くなるにつれてレアなアイテムを落とすようになる。
かつて転生者の冒険者がダンジョンの仕組みに気づいたときまるでゲームようだと口にして冒険者たちを騒がせたことがあった。
コンゴウ先生とジル先生は先にいるエリナたちを追いかけてダンジョンを進む。二人がダンジョンを進むにつれて戦闘音の音の大きさがどんどんと大きくなっていく。
そして、二人はついにエリナたちに追いついた。
二人は隠れながら現在魔物と戦っているエリナたちを観察して危険になったときにエリナたちの前に出ていくか、戦いが終わり次第出ていくことにする。その間は二人はエリナたちの戦いぶりを観察していた。
「やはりエリナかもう一人はイセリアか。あの二人が寮を抜け出してここに来ていたのか」
「エリナさんわかるとして、イセリアさんが来ているのは予想外でしたね」
「確かにイセリアがいるのは予想外だ。あいつは遅刻はするが比較的真面目な奴だと思っていたんだがな。まさかこんなところに呼ばれでもしない限り来るなんてな」
「イセリアはすでに成人までに至れる最高ランクのBランクでギルドの制度でどこかしら学校に通わないとさらなる上のランクにいけないためにこの学園に通っているだけですからダンジョンと聞けば攻略せずにはいられないのではないですか?」
「一月ごとに一層が解放されていくダンジョンをか。たぶん違うだろう。俺の勘だとイセリア以外誰も行けそうになかったためにエリナがイセリアを誘ってここに来たのではないか。一応、本人も行ってもいいかなぐらいは思っているとは思うが」
「こういうのは直接本人たちに聞きましょう。もうそろそろ魔物が全滅ですよ」
コンゴウ先生とジル先生が会話しているうちにイセリアとエリナの二人は最後の魔物を倒す。
そして、コンゴウ先生とジル先生は陰から現れてイセリアとエリナのもとへと向かう。エリナはぶつぶつ独り言を言っているの大してイセリアは最初から気づいているかのようにコンゴウ先生とジル先生に頭を下げる。
イセリアのこの行動よりコンゴウ先生とジル先生は出鼻をくじかてしまった。
「すみませんでした。勝手に寮を飛び出してダンジョンに潜ったことは謝ります。ですが、最奥に行くまではどうか見逃してください!!!」
イセリアが言った後イセリアの後ろにいたエリナもイセリアの隣に並びともに頭を下げる。
「それはだめです。生徒は外泊許可書がなければ門限までに寮にいなければなりません。ここから出次第、説教させていただきます」
「それまでは俺たちともに奥にいるガーゴイルと戦ってもらう。どうせ二人ともそれが狙いなんだろう」
「コンゴウ先生!!!」
「いいじゃねか。二人より四人のほうがパーティー生還率高いんだぞ」
「それはそうですが」
「俺にも思うところがないわけじゃない。だが、ここで引き返して説教してからまた突入する気力は今の俺にはわかないぞ。ジル先生もそうでしょう」
「わかりました。二人を連れて奥へと向かいましょう。終わりって外に出たとき説教させていただきますからね」
「「ありがとうございます」」
イセリアとエリナはお礼を言いまた頭を下げる。
これからイセリア、エリナ、コンゴウ、ジルの四人は奥にいるガーゴイルを倒しに奥へと進んでゆく。
次回:夜のガーゴイル




