第二階層ボス戦・・・ファントム再び
一か月前の第一階層と同じくファントムが現れた。
だが、このファントムは第一階層の時とは違いファントム本体だけでフルアームドアーマーが取り付けられていない。
「前回とは違い本体だけか。速攻たたかせてもらう」
ファントムが完全に出現した瞬間を狙いイセリアは剣を振るう。
だが、イセリアの剣はファントムのシールドに阻まれる。
イセリアはもう片方の剣で斬りつけるがこれも同じくファントムのもう片方のシールドに阻まれる。
ファントムのシールドは肩に取り付けられているので両手が空いている。それによりイセリアの剣を防ぎながら、ガトリング砲を撃ち放つ。
イセリアはすぐにファントムから離れ避ける。
だがイセリアが避けた先にファントムの出現に再び戦闘態勢に入った先輩たちがいた。
「何!?」
多く先輩達がガトリング砲の餌食になってしまった。
イセリアはすぐにアームドシールドを使い先輩たちの周りにバリアフィールドを形成する。
どうやら今回のファントムのAIは少し頭が回るらしい。敵が避けたとしてもその先の敵に当たるようにガトリング砲を撃ち込むようだ。
「やってくれる」
イセリアはファントムに再び接近しようとする。だがファントムはイセリアの速さについてこれるようでイセリアは中々ファントムに接近できないでいる。
そこにシャルロッテがクイックブーストを使いファントムに急接近し胴体部に突きを入れる。
しかし、シャルロッテの突きはファントムもクイックブーストを使いこれを避ける。そのままホバー移動しながら高機動で銃撃を加え、時にはファントムから接近して格闘をいれてイセリアたちを攻撃する。
「一か月前とは戦い方全然違う」
「聞いた戦法と全然違う」
前回のファントムは出現直後変形して空へ上がり、空から全武装一斉射撃を加えてこようとしたが、今回はフルアームドアーマーが無い為に高機動戦闘を仕掛けてくる。
更に違いがあるとすればAIの思考ルーチンが前のファントムよりいいということである。
ファントムはイセリアの接近を許さず、先輩たちに攻撃を加えていく。
先輩たちもイセリアのバリアフィールド越えてファントムに攻撃するけど何一つとして当たらない。
しびれを切らしたイセリアは前回と同じようにV-MAXを発動する。
「V-MAX発動!!!」
イセリアは蒼き流星になってファントムの攻撃を避けながら急接近を果たす。しかし、
『V-MAXヲ、感知、コレヨリ緊急プログラムヲ起動、V-MAX発動』
これによりイセリアの攻撃は避けられファントムもイセリアと同じく蒼き流星となってイセリアたちに襲いかかる。
イセリアはファントムがV-MAXを使ってくるとは思っておらず、自らがV-MAXを使ってしまったせいで味方の被害が大きくなってしまった。
まさかこのファントムもV-MAXを使えるとは思わなかった。だが、同じV-MAXでも私が使うか、機械が使うかの違いははっきりしている。
私にはV-MAXの使用限界時間は存在しないが、ファントムにはある。
ファントムのV-MAX使用限界に至れば強制冷却に入りその間は動けない。狙うとしたらそこか。
イセリアは先輩たちを守りながらファントムと激しい攻防を繰り返す。
誰もイセリアとファントムの速さに追いつくことができない。魔力をスラスターのように扱えるシャルロッテでさえ戦いに加わることができない。
魔法でイセリアを援護しようにもファントムが早くて狙うことができない。
それゆえに先輩たちはただイセリアとファントムの戦いをただ見守ることしかできなかった。
それにしても一向にファントムがV-MAXの使用限界による強制冷却に入らない。
長々とただ戦っても意味をなさない。ファントムは私に対しての射撃頻度は少なくなった。
これはファントムの射撃兵装が私のV-MAXの発生させるバリアフィールドを貫通できないからだ。
それでも私に対して撃つことは牽制または先輩たち対しての攻撃、今先輩たちは私が張ったバリアフィールドに隠れているからファントムの攻撃を受けない。
しかし、それこちらも同じだ。
今の私の状態だとファントムのV-MAXのバリアフィールドを貫通させることができない。
さてどうしたものか。ん?今思い出せばファントムがV-MAXを使ったのは私のせいじゃないか。
まさか、私がV-MAXを解除するとどうなる。
イセリアはV-MAXを解除する。
イセリアのこの行動には誰もが驚く。イセリアが今のファントムと互角に戦えるのはV-MAXを使い同じ速度で戦えたからである。
イセリアがV-MAXを解除してもファントムはV-MAXを続けイセリアに攻撃を続ける。イセリアはV-MAXを解除したためファントムの速さに反応して回避または防御することができるが攻勢にはできないでいる。
しかし、しばらくして突如、ファントムは変形してこの場を離脱する。圧倒的に有利な状態であったのにかかわらず。
「よし、強制冷却に入る。そこを狙い撃ちだ!」
イセリアは全てのアームドシールドを攻撃に回しファントムの強制冷却したところを狙い撃つ。
これによりバリアフィールドは消失し、陰に隠れていた先輩たちもイセリアの最後と思われる攻撃に参加するため届くかどうかわからずとも遠距離魔法を詠唱し始める。
イセリアは次元倉庫からキャノン砲を取り出しファントムに対して構える。
そして、遠く離れたところでファントムは急停止して装甲が開き、そこから溜まった熱を逃がし始める。
イセリアたちは強制冷却が始まったところを狙い撃つ。
「一斉射!!!撃てぇぇぇっ!!!」
号令と共に魔法が、ビームが、レーザーが、ミサイルが放たれる。
先輩たちが放った魔法は射程距離が足らず途中で消失する。
ファントムに届いたのはイセリアの攻撃だけである。
ファントムは強制冷却中にもかかわらず動こうとした。だが、強制冷却中は動きが物凄く鈍くなってしまうため何一つ回避できず全て直撃を受けた。
これによりファントムは完全に破壊され搭載されている自爆装置により自爆して消滅した。
「終わった。V-MAXを解いてしばらくしたら強制冷却に入るとは・・・。そういえばファントムのV-MAXは対V-MAX用だったか。V-MAXまたはV-MAXと同じ類に対してのプログラムかもしれん。まぁ、何であれ」
「勝ち鬨を上げろ!!!」
この言葉により全員で勝ち鬨を上げて、バトルフィールドが収まるのを待つ。
イセリアはただ一人、バトルフィールドの空を見上げていた。
それは一か月前、部屋中にファンファーレが鳴り響き、その後、空に日本語で一か月後に次の階層が現れる知らせが来た。イセリアはそれ待っている。
一か月前と同じく部屋中にファンファーレが鳴り響く。その後、空に文字が浮かび上がる。その文章は、
よくぞデビルゴーレムを倒し第二階層を突破した。おめでとう。このダンジョンはこれからどんどん難しくなってゆく。この階層でひぃひぃ言っていたらこの先体がもたないぞ。また一か月後、第三階層が解放される。次の階層も攻略できるよう第一階層と第二階層で修行を積み頑張ってくれたまえ。
ファントムは次の階層で打ち止めだ。そもそも君たちはファントムと戦うことができたかな?
全員は空を見上げて文字を読もうとする。この場で読めるのはイセリアとシャルロッテのみ、一応、この文書の写真を撮って持ち帰ることにした。
その後、警報が鳴り響き、バトルフィールドが解除され元の状態へと戻っていく。
部屋が元通りになった後、何かないか探るが何もなかった。
そして、全員は魔物を倒しながら元来た道を戻り旧校舎地下ダンジョン第二階層探索は終了した。
次回:二度目の旧校舎地下ダンジョンから帰還して




