第一回一年生Gクラス課外授業、初日終了
イセリアとヴォルフガング博士は何事もなく順調にダンジョンの奥へと進んでいく。
ヴォルフガング博士はイセリアの動きに感嘆していた。
イセリアは出てくる敵を片っ端から倒していく。進行方向からくる敵はヴォルフガング博士が目視したことを確認し次第、接近してすぐさま全滅させる。後ろから来る敵はまずナイフを投げ先頭にいる敵を倒しこちらもすぐに敵を全滅させる。部屋での戦いは魔法で射撃戦をして全滅させる。
そして、敵を全滅させてところでイセリアはちゃっかりと魔物素材を回収していった。
さらにダンジョンではよくある侵入者撃退用トラップをすぐさま見抜き、部屋にある進行妨害用ギミックもさほど苦労せず解き明かしたからだ。
「すごいのう。お前さん、獣の魔物やゴーレムを何事もなく倒すとは学生とは思えんのう。それにお前さん学生のくせにダンジョンに潜ったことがあるのか、かなり手馴れているところがあるんじゃが」
「こう見えて冒険者ランクはBランクでいろんなところのダンジョンに潜った経験があるからな。今まで潜ったダンジョンの数々と比べると私的にはかなり楽な方だ。このダンジョンは初心者冒険者パーティがある程度ダンジョンに慣れ始めたところで潜るのがちょうどいいだろう」
「ソロでは無理だと」
「武器や相性次第では可能だがトラップの性質を考えるとソロよりパーティの方が望ましい。というかダンジョンをソロで潜るやつは馬鹿か、余程、自分の力に自信があるくらいだろう。私は後者だが」
「ほう、おぬしは余程自分の力に自信があるというのじゃな」
「そういことだ。例えば・・・」
イセリアは先にある壁から矢が出るトラップをわざと発動させ、それを腕で受け止める。トラップが発動したと同時に通路の前後からゴーレムが一体ずつイセリアたちに迫る。
イセリアは即座に矢を引き抜き何事もなく前後のゴーレムを倒す。それを見たヴォルフガング博士はイセリアが何をしたいのかわからなかった。
「何がしたいのかわからないという顔だな。説明するとこうだ」
イセリアはヴォルフガング博士にこのトラップのことを説明する。
このトラップは発動させた者にしびれ薬を塗った矢を当てて動けなくしたところに前後にゴーレムを召喚し、召喚したゴーレムで挟み撃ちにするトラップである。
イセリアはここのトラップのしびれ薬ではしびれることはない。
「私を毒物で止めたかったら霊薬エリクシルの精製失敗品の一つ、ダークマター毒物ぐらい持ってこい」
「霊薬エリクシルって自然から湧き出るものではないのかのう。さらにダークマター毒物とはなんじゃ」
「エリクシルを精製に失敗した時にできた。暗黒物質をダークマターと呼称して、それが毒物として使える物を私たちはダークマター毒物と呼称している。なお、エリクシルを精製に失敗した時にできたダークマターはどんな作用があるかわからない。一つ言えることはできたものはどれもとんでもない物だな」
「ダークマター毒物の効力はどれくらいじゃ」
「毒に耐性を持つ主神クラスの神ですら一滴だけで死ぬ」
「なんちゅう恐ろしい物を作るんじゃ!!!」
「私たちは一度たりともダークマターを作ろうと作ったわけじゃない。失敗してできてしまうんだ。だからこれに関して怒られてもこちらが困る」
「すまなかった」
「この話は終わりして先へ進むか今日中には宿に戻りたいし、それに博士もここにいるのこりごりでしょ」
「そうじゃな」
そうしてイセリアとヴォルフガング博士は時にダンジョンの道を開かせるためにトラップをわざと発動させたり、ダンジョンの行き止まりに行ってしまったり、出てくる魔物をなぎ倒しながら奥へと進んで行く。
そして、二人はついに最奥の扉らしきところへと到着した。
「さて、この扉は他のと違ってちょっとした装飾がされているな。ということはここが最奥か。ここの守護者を倒せばここから出られる。さあ、速攻で守護者を倒してこことはおさらばだ」
イセリアは目の前の扉を開けようとしたとき、ヴォルフガング博士はイセリアに対してある言葉を口にする。それはイセリア個人的に一番聞きたくない言葉であった。
「なあ、おぬしチートという言葉を知っておるか」
そこでイセリアは扉を開けるのをやめ、ヴォルフガング博士の方に振り向くと同時にヴォルフガング博士の首元に剣を突きつけ殺気をあてる。
「この力がチートだと言うのか」
「そ、そうじゃ。学生でありながらただの学者であるワシを守りながらトラップやギミックをクリアし、その強さで敵を倒しながらここまで来たのじゃ。チートでもない限り、そんなのは絶対に無理のはずじゃ」
「あんたの意見はわからなくもない。だが、これらは全て経験と努力によって培われてきたものだ。それをチートなどという言葉でこれまでの経験を努力を否定されているみたいで不愉快だ!」
イセリアは怒り、ヴォルフガング博士を怒鳴りつける。すぐさまヴォルフガング博士はイセリアに謝罪する。イセリアはそれを受け入れ、剣を首元から離す。それでもイセリアは腹の虫の居所が悪いのか扉に八つ当たりするがごとく蹴破り中に突入する。ヴォルフガング博士もイセリアに続く。
イセリアは先に部屋の中に入った。続いてヴォルフガング博士が入ると同時に部屋に明かりが灯る。二人は部屋の見渡しそこで二人は中央部にいた黒い塊に視線を向ける。
二人の視線先にある黒い塊は最初はただの塊であったが、その塊は突如、形を変えて二人に襲いかかる。
ヴォルフガング博士は黒い塊の正体はわからないがイセリアにはこの守護者が何なのかすぐにわかった。
「スティールデビルゴーレムか」
「スティールデビルゴーレムとはなんじゃ」
「ゴーレムがただの塊の人形ならデビルゴーレムは粘土みたいに形を変幻自在に変えられてコアを破壊しない限り何度でも再生するゴーレムのことだ。まあ、デビルゴーレムはゴーレムと違い攻撃は変幻自在だが常に弱点であるコア部分が露出しているそこをたたけばいい」
「な、なるほど」
「それに今の私は腹の虫の居所が悪いんだ一撃で仕留めてやる!!!私の魂を縛る理を超えて、今、私は人となる!!!今ここにある剣は右手に神剣フェニックス、左手に魔剣フェネクス、この二本は元々一本の大剣、我が力がもつ二つの力を一つとして今ここにあるべき姿に戻す!」
イセリアの足元から白き光と黒き光が湧き出てイセリアを中心に渦を巻く。
「今ここに我が持つ二つの力を反転させ至は第三の力!!!」
イセリアを中心に渦巻いていた白き光と黒き光は混ざり合い虹色の輝きを放つ光となった。持っていた二本の剣が一度光となって混ざり合い虹色の輝きと共に姿を変えて一本の大剣となった。
「これが私の輝きの神話、不死鳥剣〝レディアント・マイソロジー″!!!」
イセリアは剣を高々と掲げ、流れ動作でスティールデビルゴーレムに剣を振るい一撃の名の元一刀両断する。そして一刀両断されたスティールデビルゴーレムは炎が包み消し炭となった。
スティールデビルゴーレムが倒されたことにより遠くから扉の鍵が外れる音が聞こえた。それと同時に大剣を再び分けて鞘に納める。
すぐさまイセリアはヴォルフガング博士を連れてこのダンジョンの出入り口へと目指す。そして、二人が入ってきた扉は開かれていた。
二人は無事ダンジョンの外へ出た時には外は暗く夜になっていた。そして二人はインマーニへ向かった。
インマーニの出入り口のすぐそばで来た二人はインマーニの出入り口の周りにいる多くの人が集まっているのを目撃した。
出入り口に集まっていたのはこの町でヴォルフガング博士を捜索していたメンバーであった。二人はすぐさま捜索メンバーと合流した。その時捜索メンバーから熱烈な歓迎うける。歓迎を受けていたイセリアはしばらくしてから宿へと向かった。
しばらくして宿にたどり着いたイセリアは中に入り皆に無事な姿を見せてからイセリナに正座させられてから今日の単独でのダンジョン突入についてと四年前はこの世界に戻ってきたことについて説教を食らった。
それで夕飯を食べられず今日一日を終えた。
次回:第一回一年生Gクラス課外授業、二日目




