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帰還した世界での学園生活  作者: astry
第一部 一年生
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イセリア印のポーション

今回、通貨が初めて出てきます

 カリストの話を聞いたイセリアはイセリア印とは何のことか分からなかった。


「私印のポーションってなんだよ。そんなものお前たちに売ったことあったか?」

「お前が作ったポーションを使ったことがある人たちがそう呼んでいるだけだ」

「そうか。でもあれは私がポーションを必要以上に作りすぎてなおかつ金がなくなってきたからぼったくり値段で売っただけだぞ。それにたかだか下級ポーションじゃないか、普通に魔法道具店に行けば下級ポーションぐらい売っているだろ」


 イセリアはなぜカリストとゲヂーがイセリアの作ったポーションを求めているのか分からないと言った。そのことを聞いたカリストとゲヂーは顔を見合わせ、すぐにイセリアに向き直った。そしてイセリアに対してこう見る。『本当にわからないのか』と。


「それはイセリアが作った。下級ポーションの効果が普通の下級ポーションよりはるかに高いからだ」


 それを聞いていたユーリとジークリンデはイセリアにそのポーションはエリクシルかと耳打ちしたが、イセリアはエリクシルではなくただの下級ポーションと答える。

 これに疑問を抱いたエリナとシャルロッテはイセリアが作った下級ポーションと店で売っている下級ポーションとの違いを聞いた。返ってきた答えは普通ではなかった。


「イセリアが作ったポーションを比較対象として挙げるなら上級ポーションだな。イセリアが作った下級ポーションの方が効果が高いうえ通常のポーションは一回で使い切らないといけないのに対して自由に分けて使えるんだ」


 イセリアが作ったポーションは店売りの回復薬を超えていた。イセリアはカリストたちとの会話を聞きながら次元倉庫にある、下級ポーションの数を数えていた。


「だから俺たちにイセリアが作ったポーションを売ってくれ」

「一本、何ビタで買う」


イセリアは売る気満々のようだ。それを聞いたカリストとゲヂーはガッツポーズを取り、イセリアに現在の下級ポーションの在庫数を聞いた。


「現在の在庫数で売ってもいいのは二ダース分だ。さて、もう一度聞くが一本、何ビタで買う」


イセリアは計算機を片手で持ち次元倉庫から下級ポーションを取り出す。カリストとゲヂーが提示した値段は


「一本、1200ビタで一ダースづつもらおう」


 提示された値段を聞いたシャルロッテとエリナは驚きのあまり立ち上がった。ユーリとジークリンデは二人の驚きようにびっくりしていたがすぐに二人に座るように諭す。二人はそそくさと椅子に座り直しイセリアとカリストたちの交渉に集中する。


「そこのお二人さんは相当驚かされたか」

「驚いたもんじゃない」

「一本、1200ビタ出すなんて下級ポーション一ダース分と同じ値段じゃないですか」


 シャルロッテとエリナはGクラス課外授業の過程で回復薬が必要になって多くの魔法道具店に入ったことがあるため下級ポーションの値段を知っている。さらにこれまでのGクラスの先輩たちが残した、データから多くの魔法道具店で売っている商品の値段を統計した資料が学校に置いてあったからである。


「俺たちにそれだけイセリアのポーションを評価しているんだよ」

「ここ王都での上級の値段は、一本、1000ビタ、回復量がほぼ同じなら自由に分けて使える方が使い勝手がいい。俺たちはそこに値段を上げる要素があると思っている。それにイセリアが下手にそのままの値段なんて吹っ掛けたら絶対に売ってくれないからな」


 シャルロッテとエリナはカリストとゲヂーの説明を聞いて納得した顔で頷いた。さらにイセリアも頷いて『誰がそんな値段で売ってやるか』と言い、下級ポーションを次元倉庫から出したのか箱詰めしている。その状態を見た誰もがいつの間にと思った。

そして、下級ポーションを箱詰めし終え、イセリアはカリストとゲヂーの前に箱を出す。

カリストとゲヂーは一本一本中身を確認し本物か確かめる。すべて本物と確認して二人はポーションの代金を取り出しイセリアの前に出す、イセリアは代金を数え釣り銭がいるかどうかを確かめる。代金を確かめ終えたイセリアは交渉成立を言い。懐にお金をしまう。それに伴いカリストとゲヂーもポーションを自らのアイテムボックスにしまう。


 交渉を終えた後、イセリアたちはお互いが持つ情報を交換し合った。その途中、納品した魔物素材の査定が終わったと呼ばれてイセリアたちは査定の結果を聞きに席を離れる。査定の結果を聞き終え、その報酬を貰って再びカリストとゲヂーの元へ戻りイセリアたちは情報を交換し合う。


「今日、西の方角にキノコの形をしていた煙を見たがあれはイセリアたちが関わっていたのか」


 どうやらゴッド・エンペラー戦で発生したキノコ雲は多くの人たちに目撃されていたようだ。それによりキノコ雲はどこで発生してそこがどのようになったかという調査クエストがここ王都で発令されるらしい。

カリストとゲヂーはそれ参加するためイセリアからイセリア産のポーションを購入したとのこと。


「一応、元凶は倒してはいるがまだあそこは私が空間を修復したとはいえまだ時間が半日経っただけだ。何が起こるかわからない気を付けていくんだぞ」

「わかった。それにしても神魔皇帝ゴッド・エンペラーか、とんでもないやつがいたもんだ」

「そうだな。それにイセリアが神様っていのもピンとこないねえな」


どうやら二人はイセリアの話を聞いてあまりの出来事に現実感がもてないらしい。


「イセリアが神様なら権能は何なんだ」

「私の権能は破滅だ。だから私はルインを名乗っていんるんだが」


 全員がイセリアのフルネームを思い出し、ルインについて初めて聞かされた。


「どういうことだよ。確かその神や悪魔に祝福されることによって祝福を貰った神や悪魔の名前をミドルネームに付けることを許されるんだろ。なのにお前は祝福された者ではなくルインそのものだと言いたいのか」

「その通り、SSランクでも踏破できないと言われた。海底ダンジョンに挑み、最奥にて先代ルインに出会いルインの名を継承させられた」


 それを聞いた一同はイセリアがルインを名乗るのかがわかった。そして、恐る恐る先代ルインとはどんな神物か聞いた。


「先代ルインか・・・、一言で言えば引きこもりだな、大型のモニターで誰かが破滅するのを見ているだけ。なお本人曰く『引きこもりは蜜の味、常に誰かが自分から破滅するのぐうたらしながら見ていたい』とことだ」


 それを聞いた者たちはあり得ないことを聞いた思い。そして、ルインに対するイメージ像がバラバラに砕け散った。だがルインを継承したイセリアはこれからどうするの分からなかった。


「私がルインを継承したって言っても、誰かを破滅させるようなかとはしない」


それを聞いて一同は安心する。だがイセリアの話は続きがあるようだ。


「自らの手で破滅させるのってつまらないだろ勝手に破滅するならそれを見ていた方が楽しい」


イセリアはものすごい悪人顔で爆弾発言を言ってのけたそれを聞いた一同はこの手の話から別の話に変えようと思った。


「話を変えよう。それでイセリアたちは調査クエストに参加しないのか」

「調査に何日もかかるクエストに学生である私たちが行けるわけないだろ。明日には授業があるんだぞ」


 イセリアの返答にカリストとゲヂーはイセリアがまだ十五歳の学生であることを思い出し、そこから今のイセリアのパーティは全員学生で構成されていることに至った。


「すまないねぇな」

「もう容姿のことで訂正するのがばからしくなってくる」


 周りからは乾いた笑いしかしなかった。イセリアはもう容姿による年齢の誤認に対してあきらめの境地に至っている。

 それか情報をある程度、交換し終えてイセリアは時計を確認してもういい時間になってきたのでそろそろ解散することにした。


「私たちはもうそろそろ寮に戻る必要があるからこれにて解散にしよう」

「そうか」

「まだまだ話をしていたかったが仕方がねえな」

「いつかまた会おう」

「またいつか」


 イセリアたちはカリストとゲヂーと分かれてギルドから出ていき、行きと同じくユーリの案内の元、王都の地下通路を通り寮に戻った。


それからしばらく何事もなく平和に時間は過ぎていき、ついに月に一度ある。Gクラス課外授業が始まろうとしていた。

次回:初めてのGクラス課外授業

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