薬草採取のGランククエストⅡ
イセリアたちを乗せた車は順調に進み、日が少し出てき始めたときには薬草採取ポイントの近くまで来ていた。それでイセリアは採取ポイントに近づいたため車を止め、皆を起こすことにした。
「おきろ~、採取ポイントに近づいたぞ~」
イセリアの言葉にシャルロッテ、エリナ、ジークリンデがおきはじめるがユーリだけは、まだ夢の中だった。
「ユーリ、おきてください。着きましたよ。おきてください」
ジークリンデがユーリを起こそうとするが、ユーリは身悶えるだけで一向におきようとしない。それを見ていた、シャルロッテが口を耳元まで持っていき、虫が飛んでいる羽の音を真似はじめた。それを聞いた、さっきまで一向に目を覚まそうとしなかったユーリが飛び起きた。
「おはようごさいます。ユーリ、今からクエストです」
「ええ、そうね。がんばろう」
ジークリンデとユーリを見ていて微笑ましかったが、イセリアは地図を広げて今の現状を皆に伝える。
「今現在、採取ポイントより南に300mってところだ。これより北に向かいすぐの森の中の採取ポイントへと向かう。これ以上は木々阻まれて車は入ることができない。これより歩いて採取ポイントへ向かうからついてきてくれ」
「わかった。採取ポイントはの正確の場所はお前にしか分からない。だから道案内頼んだぞ」
「了解」
イセリアたちは車から降り、車をしまい。採取ポイントへと歩き始めた。それからしばらくして採取ポイントに着いた。だが、イセリアはこのことに違和感を覚えていた。以前、ここに来たとき、ここには動物も魔物もいたのだが今の森からは動物も魔物もどちらも気配が感じられない。
「よし、採取しようぜ。では、見分け方を教えるからイセリア以外はオレについてきてくれ」
「すまないが、皆はここにいてくれ、今の森は何かがおかしい」
「どういうことだ」
「何も感じないんだ。封印を解除してもこの森から動物の気配も魔物の気配も感じられない。今、感じられるのは森の木々の気配と私たちの気配だけだ」
それを聞いた。シャルロッテとエリナとジークリンデはは武器を抜き放ち警戒し始めた。ユーリは四人の顔見てその異常性に気づき遅れて武器をだし警戒し始めた。
イセリアは地中のほうにも動物や魔物の気配を探ったがどちらの気配も感じられなかった。そこで今のうちに今回必要な分の薬草を採集してここから離れることを提案した。
「それがいいでしょう。森の中なのに動物や魔物の気配が感じられないのは異常なことなのだから、ユーリ、ジークリンデ、今のうちに薬草を採取しましょう」
「「はい!」」
三人は薬草を採取し始めた。ただし、三人はこのクエストは初めてのため薬草の見分け方がわからない。そこでエリナが見分け方を教えつつ三人の採取をサポートする。
イセリアはこの異常事態に何かしら覚えがあったがイセリアは思い出せない。そこでイセリアは人になることでこの異常性を突き止めることにした。
「私の魂を縛る理を超えて、今、私は人となる!!!やってやるぜ!!!」
イセリアは人になったがそれでも何かしら気配が感じられなかった。だが、今度は木々が何かしら怯えているのが分かった。
木々が何かしらに怯えている?だが、何にだ。わたしが以前ここに来たときは、私がいることに対して怯えてはいなかった。今も私たちに対して怯えてはいない。なら、う~ん?異世界にいたときにこれと似たようなことがおきたような、あの時も突然、森から動物や魔物がいなくなって、それからどうなったんだっけ?くそっ、思い出せない。確か何かしら現れる前兆だったはずだでも何が現れたっけ?さっきから思い出そうとしているのだが全然思い出せない。
イセリアが何か思い出そうとしているところ、三人はエリナのサポートを受けて順調に薬草を採取していく。だがそこでユーリがなにかしらひびが入るような音が聞こえた。
「ひびが入る音?」
「どうしましたかユーリ」
「今、ひびが入る音が聞こえたの。でもここにひびが入るような物ってあったかな?」
そして二人は周りを見渡し、ひびが入るようなものがあったか調べる。そこに二人の手が止まっていることに気づいたシャルロッテとエリナが近づいてきた。
「どうした。何かあったのか」
「いえ、なにかしらひびが入る音が聞こえましたから回りを探っていましたの」
「ひびが入る音?」
シャルロッテとエリナは警戒を強め、ひびが入る音を聞こうとした。そこでまたもやひびが入るような音が聞こえた。そのとき四人は顔を見合わせ、音がした、方向を向いた。そこには草木しかなかったが、下の方をよく見ると何かしらのひびが見える。
「なんだあのひびは!」
「草木に対してひびが入っているわけじゃない。まさか空間にひび・・・、これ何かが起こりそうな前触れね。早く薬草を規定量まで採取してここから逃げたほうが得策ね」
「はい」
「では、早くしましょう」
「オレも手伝う。四人でやったほうが早く済むだろ」
「ありがとう。エリナ」
「あとイセリアを呼びましょう。このことに対して何か知っているかもしれません」
「そうね、イセリア、ちょっとこっちに来て」
シャルロッテはイセリアを呼んだが、ここに来てまたもやひびが入るような音が聞こえてきた。
その音を聞いた四人はひびの方向を見るとひびが縦に二m近くまで伸びていた。
イセリアは四人の下へ急行し、四人は急ぎ薬草を規定量まで採取し始めた。少しずつだがひびの入る音の間隔が短くなってきており、皆は警戒しつつ薬草を採取するのであった。
だが、薬草を規定量まで採取したときにはひびはものすごく広がり所々欠けているのがわかる。
そう、ひびが割れ、そこから何かが突き破って出てくるがごとくひびは広がっていき、今度は割れる音が聞こえてきた。
イセリアたちはここから撤収しようとしたが、時すでに遅し、ものすごい音共に何かが割れる音が聞こえたの同時に空間が割れてそこから何かが現れた。
空間が割れて出てきたものの全体はシャコのようであり人のような形をしていた。その者の右腕にはミサイルポッドがあり左腕にはよくわからない砲身がついており、ものすごく神々しく、禍々しいオーラをかもし出していた。
「遅かったか。薬草採取なんてせず、すぐに撤収しとけばよかったか。よりにもよってこいつがこの世界に現れるなんて」
「知っているのか!イセリア!」
「こいつは動くものすべてを焼き払うまで暴れまわる狭間の魔物、その存在は上級神や上級悪魔でも苦戦する存在。その名も神魔皇帝ゴッド・エンペラー!!!」
「神魔皇帝ゴッド・エンペラー・・・」
「それにこいつの強さは半端じゃない、下手に放置なんかしたら、この国なんて簡単に滅ぶぞ!」
国が滅ぶ、その言葉に四人は戦慄を覚えた。ただでさえ上級神や上級悪魔さえ苦戦するのに自分たちがそんなやつと戦って倒せるのかと。
そんなことをお構いなしにゴッド・エンペラーこの世界に入ってきた。だが空間が割れてこの世界に入ってきたのはゴッド・エンペラーだけではなかった。その後ろから一人の少女がこの世界に入ってきたのである。そして、少女はゴッド・エンペラーに攻撃を開始した。少女はまるでゴッド・エンペラーを追ってきたようだった。
少女の見た目は9歳前後で、顔には幼さを感じられるがきれいに整っており、ヘアスタイルは一本結び、髪は赤く、少し釣り目ぎみで瞳はガーネットのような色をしていた、体は筋肉はあまりついているように見えないがロングソードで二刀流をしているので筋力はあると思われる。少女ゆえに出るところは出ておらずそれでも将来的に期待できる体つきをしていた。
それと彼女が持つロングソードはエリナ以外どこかで見たことがある気がした。
「あの少女が、ゴッド・エンペラーの気を引いているうちに逃げるぞ!」
「イセリア!あの子を見捨てるんですか!」
「あいつはそう簡単には死なない。皆を街道まで逃がしたら私が後で援護に戻る。だから心配要らない。それに皆がここにいたら足手まといになって、あいつが全力を出せないだから逃げるんだ」
「あのこのこと、知っているか。イセリア」
「その話は後!逃げろ」
狭間から出てきた少女を置いて、イセリアたちはゴッド・エンペラーから逃げ出した。逃げている途中、金属同士がぶつかり合う音が聞こえたが、振り返らずただ全速力でこの森か出ることにした。そして、森を抜けて街道に出たシャルロッテ、エリナ、ユーリ、ジークリンデは、振り返りあの少女が無事であることを祈った。イセリアは森を抜ける寸前でとまり、四人が森を抜けたのを確認してからアームドシールドを十二体を置いて、少女の下へと引き返していった。
次回:イセリア&狭間から出てきた少女VS神魔皇帝ゴッド・エンペラー




