教護室にてⅡ
イセリアは教護室の中に入りエリナが寝ているベッドへ向かうが、イセリアは横から呼び止められた。
「おい、お前!ドアを壊して入ってくるとはどういうことだ。ドアを直してさらに備品を弁償しろ」
どうやらイセリアがドアを開けて扉が壊れたときその衝撃で備品が壊れてしまったようだ。これを聞いたイセリアは、先の救護室でのことを思い出す。
今度は備品まで壊れてしまったのか。待てよ、では先の救護室でも備品が壊れている可能性があるのか。やばいな、ものすごくやばい、総額いくらだ。今現在、持ち合わせがないからすぐに払えといわれても払えないぞ。くっ、こんなことなら貯金しとくべきだったかな、といっても趣味で散財して、今みたいに何か壊してその修理費や弁償でお金がなくなるんだけど。
イセリアは常に資金不足に陥っている。
趣味は何かを作るために、壊しているのは、町や村などでは力を封印しているがその外になると封印をといてる。時に力を封印するのを忘れて町や村に入り、物を壊している。本人は気をつけてはいるがそれでも壊してしまう。
「ドアはいますぐ直します。壊れた備品は直せるものなら直しますし、薬品とかなら使えなくなったものをリストにして、あとで寮にでも送ってください」
「わかった。あとでリストを寮に送ろう。ではいますぐ壊れたドアや備品を直してくれ」
声を掛けた人物はイセリアの視線を誘導した。その先には壊れたドアの破片に壊れた備品などで大惨事な状態になっていた。
イセリアは先の救護室と同じように魔法で意図も簡単に壊れたドアと備品を直した。
それを見た人たちは我が目を疑い、本当に直ったか確認し始める。
「直ってる。直っています」
「本当だ。こんなことできるの大魔道師か大賢者くらいだぞ。一学生の身でこんなことができるなんて、いったい何者」
これを見ていたものが驚きの声を上げる。イセリアのことを大魔道師やら大賢者やらといろいろ話し始める。イセリアは興味もなくエリナが寝るベッドへ向かう。
「元気ですか、エリナ先輩、あれ?シャルロッテ先輩、なんでいるんですか」
イセリアにとってシャルロッテがいることが不思議でならないようだ。シャルロッテにとっては先に行ったはずのイセリアが自分より後に来たのが不思議でならなかった。
「イセリア、あなたどこに行ってたの。先にこの部屋に来ていると思ったのだけれど」
「聞いてくださいよ。先輩」
「何があったの」
イセリアはここまであったことをシャルロッテとエリナに説明した。それを聞いた二人は、さっき聞いた音の正体に気づいた。シャルロッテは教護室に来る途中で聞き、エリナは体のことを説明が終わってからその音を聞いた。
イセリアは説明が終わった後、愚痴を言い始めたのでシャルロッテは愚痴を遮り、イセリアが何しにここにきたのかを尋ねた。
「イセリアは何しにここにきたの?愚痴を言いにここにきたわけではないでしょう」
「そうでした!エリナ先輩の怪我を治しに来たんでした」
イセリアはどうしてここに来たのかを思い出して、イセリアは魔法でエリナの四肢を治した。
「エリナ先輩、ししを動かしてみてください」
エリナはイセリアの言葉に従い、恐る恐る四肢を動かした。そしてエリナは四肢を動かし、エリナは四肢を動くことに喜んだ。
「動く、動くぞ!また歩けるし走れるんだ。すげぇ、この四肢を治すなら霊薬クラスの回復薬がいるのにこいつそんなもの関係ないように魔法で治しやがった。イセリア、お前、本当に大魔道師とか大賢者なんて言われてないんだよな」
エリナは喜んでいたが、イセリアが魔法ですぐにエリナの怪我を治すところをみたシャルロッテはこう思わずいられなかった、なぜリングの上にいたとき、私の反動を何で魔法で直さなかったのか疑問に思った。
「ねえ、イセリア、何でリングの上にいたとき、その魔法で私の反動で動けなくなった体やあなた自身の怪我を治さなかったの?そうすればあんなことにはならなかったと思うのだけれど」
シャルロッテはリングの上でのことを言っているのだ。
「リングの上で起こったこと、それってさっき先輩が言っていたことですよね。イセリアが癒しの炎の魔法を発動していたせいで、周り人たちが二人が燃えていると誤認して水や氷の魔法を撃ってきて、そのせいで死に掛けたってやつですよね」
「そうよ。さあ答えなさい。イセリア」
二人はイセリアの答えを待つ。イセリアは答えにくそうに答える。
「理由は神霊術の癒しの炎を使いたかった」
「「えっ」」
イセリアの答えに二人は言葉を失う。使いたかったそれだけなのだ。イセリアは言葉を失っている二人にこれまで使用した術を説明する。
「それに実は、ここまで使ったのは魔法ではありません。皆にわかりやすいようにいえば魔法ですが、この魔法は魔力を使用していないため魔法とは言いません。
私が使用したのは神霊力を使用する。神霊術といわれる術です。この術は大魔道師、大賢者と呼ばれ人でも使用できません。神霊力を扱えるものしか使えません。
今現在、この術を使えるのはこの世界では私しかいませんが」
二人は信じられないものを聞いた。それどころかこの話に聞き耳を立てていた人たちも信じられないものを聞いた顔をしていた。
「そんな力があるの、神霊力、前世の知識でもそんなものはなかった。でも神霊、まさか神霊術とは神のみわざのことか!なるほど、それならさっきのドアを治したとき完全に元通りなっていてもおかしくない。それなら今のイセリアは神の領域にいるってことなのね」
「いいえ違います。神のみわざというよりは魔力の対となる力と考えたほうが簡単かもしれません。現に今やったことを大魔道師や大賢者ならできるみたいなこと、周りに人たちが言っているじゃないですか」
シャルロッテは神霊術は神のみわざと答えたがイセリアは神霊力は魔力の対になる力と答えた。誰もがそれはなぜかと疑問に思った。そこでイセリアは一枚のコインを取り出し説明した。
「魔力と神霊力はこのコインのように表と裏の関係なります。魔力が使えるということは神霊力は使えない。神霊力は使えるということは魔力は使えない。この法則は例外を除けば魔力、神霊力を持つものすべてに適用されます」
「あなたの言い方だとこの世界のものは神霊力は使えず、あなたは魔力は使えないということね」
「私は例外に入りますので魔力も使えますよ。それに魔力持ちでも神霊力は使う方法はあるにはあるのです」
「どういうこと?」
誰もがその一言に疑問を持つ。イセリアは魔力持ちは神霊力は使えないといった。だが本人は例外だからそれには含まれないではなぜそんなことをイセリアは言ったのか。
イセリアはクラスメイトに教えたことをここにいる人たちにも教えた。
「魔力を反転させれば神霊力が使えるようになるか」
「だが反転させるためにはいまだここにいる人たちは修行不足」
誰もが驚いている中、思考を回復させた。シャルロッテはイセリアに誰が一番先に魔力を反転させて神霊力にできる人物はいるか聞いた
「で、イセリア、ここではあなた以外で今現在ですぐに反転できそうな人に心当たりはない?」
「この中で一番早く、魔力を神霊力に反転できる人は・・・」
誰もがイセリアの言葉に耳を傾ける。
「エリナ先輩です」
「えっ!オレ!?マジで!?」
「先の試合でその可能性が見えました。エリナ先輩ならいけます。他の人たちはまだまだです」
エリナは喜びの笑顔を上げる、それを聞いていた人たちは拍手でエリナに祝福する。そして、エリナはベッドからでてそれに応える。
「ありがとう。さあもっと修行だ。修行して人間の限界へ至ってイセリア、お前にまた挑むぞ」
「あ、はい、でもその程度じゃ私の全力には勝てませんよ。それに私は先の試合で言った。“人間を超えたければ人となれ”という状態なんですよ。つまり私は人間ではなく人ということになります」
シャルロッテとエリナは驚きの表情を上げた。そのあとシャルロッテはリングの上で言った。イセリアの詠唱文のことを思い出した。
「つまりあの時リングの上で言っていた詠唱文は人になるための詠唱文か」
「はい、そうなります」
「私もあの詠唱文を言えば人になれるの」
シャルロッテは期待の目を向けてイセリアに聞いたがイセリアはそれを否定する。
「それはできません。人間から人にシフトするには通常状態で脳のリミッターがなくなっていないとできませし、神や悪魔が人間に施した。理を超えなければなりません。それにこの理は人によって違いますのですでになっている人の理の超え方を聞いても駄目ですよ」
「駄目ですか」
「はい、駄目です。もっと修行しましょう」
それを聞いていた皆も肩を落とした。だがシャルロッテとエリナはすぐに復活し新た目標として目指すようになった。
「もうそろそろ寮に帰りましょう」
「そうだな」
「そうね。では寮に戻りましょう」
こうしてイセリアとエリナとシャルロッテは寮に帰っていった。
次回:目覚めたメイドさん




