魂(こころ)を縛る理(りせい)を超えて
イセリアは水や氷の魔法を撃ち込まれる状況を打破しようとする。
「先輩、この状況を打破するために、更なる先へいきます」
「イセ、リア、あなた、いったいなにをするの」
イセリアの言う更なる先とは、それは・・・、先の試合でイセリアが言った事が今から起こる。
「私の魂を縛る理を超えて、今、私は人となる!!!やってやるぜ!!!」
今、イセリアは人間から人となった。そのときの反動で衝撃波が走り、周りの魔法すべてかき消した。さらに炎は一段と燃え上がりはしたがその後、収束して消えた。それを確認して炎を消そうとしていた人たちは喜びの声を上げた。
「二人は無事だぞ!」
「やったー!」
「担架を早く!」
救護班が二人に近づいたがシャルロッテは自分の力で起き上がり刀を鞘に収める。シャルロッテのその顔には彼女が余りださないはずの怒りの表情が見えた。
「あなたたちぃ~」
それは地獄の底からの呼び声のように聞こえた。その声にほとんどの人が恐怖した。だが皆は分かっていない。なぜ、シャルロッテが怒っていることに。
「シャルロッテ、よく生きていた。炎で黒焦げになっているかと思ったぞ」
「ええ、ご心配なく。どちらかというと溺死または凍死するところでしたけど、私たちを救助しようとして炎の消化しようとしてくれていることは分かっています。ええぇ、分かっていますとも・・・」
シャルロッテはまるで自分に言い聞かせるように言い続ける。だが助けようと炎に魔法を撃ちこんでいた者たちは己の行いに恐怖した。なぜなら助けるはずだった人たちを自分たちの手で殺してしまうところだったのだから。
後にプロのまたは知識あるもの指示に従い、適切な方法で救助するという授業内容が体育の時間に追加された。
「そういえば、イセリア、さっきの詠唱文はどう意味なの?」
シャルロッテはイセリアの方に振り向き、イセリアに質問をしたが、イセリアは目を瞑りただただ沈黙していた。
「どうしたのイセリア?なにかあったの?」
沈黙を保ち続けるイセリアに誰もが心配する。そして、イセリアから放たれた言葉は。
「私の・・・・・だ」
「え?なに、イセリア」
イセリアは瞑っていた目を開きハッキリと言った。
「私の敵はどこだ」
その一言と同時にイセリアから衝撃波が発生する。誰もが衝撃波に飛ばされないように踏ん張る。だが、踏ん張りきれず吹き飛ばされ人たちもいる。踏ん張りきった人たちは、イセリアの変容に戸惑っている。
「イセリア、本当にどうしたの」
吹き飛ばされず踏ん張りきったシャルロッテはイセリアを心配するが、イセリアの目はただ敵を探す目をしている。さらにイセリアからものすごいプレッシャーが放たれている。そのプレッシャーに押しつぶされたやつが恐怖のあまりイセリアを攻撃しようとした。
「うわああああぁぁぁぁ!」
「やめなさい!!!」
「私の敵はそこか!!!」
それは一瞬だった。イセリアの両方の鞘には新たな剣が収まっており、新たな剣を抜き放ち攻撃しようとしたものの肩を斬った。肩から先は飛んでいきリングの外へ落ちた。
誰もがイセリアの速さに目がついていかなかった。シャルロッテでさえイセリアの動きを目で追えなかった。
イセリアの行動に誰もが言葉が出ない。いきなり意味不明なことを言って、いきなり剣を振り回したのである。そして、人を斬った。試合の高揚感がそうしたわけではなく、ためらいなく人を斬る。それは知らないものから見れば恐怖の対象でしかなかった。
「うわあああぁぁ!」
「に、逃げろー!殺されるぞ!!」
あるものは恐怖のあまり逃げ出そうとする。あるものはイセリアを止めようと戦う姿勢にはいる。だがイセリアはさらにプレッシャーを強くし、すべて行動に制限をかける。
行動に制限を掛けたイセリアは移動を開始した。イセリアの向かう先にはさっき斬りおとした肩があった。イセリアは肩を拾い、斬りおとした者の前へ赴き、肩を魔法でつなげなおした。誰もが今までの行動と結びつかないためたださえ混乱している頭がさらに混乱するという状態に陥った。
「イセリア、あなたはいたい何がしたいの?」
「“私の敵はどこだ”は冗談だったんですけど、まさか本当に攻撃するやつがいるとは思わなくて、条件反射で斬ってしまいました。で今現在、条件反射をさせないためにプレッシャーで動きを封じさせてもらいましたけど」
イセリアは条件反射で人を斬ってしまったと言う。これはあまりにも恐ろしいことを言い始めたではなぜ条件反射を起こさないためにはどうしたら良いのか、それは本人から語られる。
「条件反射で人を斬るなんてありえないだろ」
「私はこの状態だと、私に対して殺意、攻撃の意思など、私に害する行為をしようとしたものに対して問答無用で潰していく。たとえ間接的であっても、それが私の条件反射」
つまり今の状態イセリアに対して害しようと思わなければ、普通にいられるということだ。だが、だからといって問答無用で人を斬ってはいけない。
その後、イセリアは自分を害するものはいなくなったと感じ取り、プレッシャーを消した。皆は自分の体が正常に動くことを喜んだ。
「これにてこの騒動は終了と、さて救護室へ行って、エリナ先輩の体を治さないと」
イセリアが言った一言に皆が『おまえ(あなた)(きさま)が無茶苦茶にしたんだろうが!!!!』と思ったが口に出して言えなかった。それは斬られるのが怖いから・・・
私は口にしたぐらいじゃ、条件反射といえども斬らないんだけど、こういうのは何かしら学園新聞とかでどうにかするしかないかな?でも学園新聞なんてあったかな?それと終わらせるの無理やりすぎたかな
そしてイセリアは、救護室へ向かった。
次回:教護室にて




