正義の祝福を受けし者と破滅との試合
イセリア、あなたは強い、見た目といいこの強さといい、あなたは本当に私より年下なの?とても思えないけど一年生として入学してくるのだから年下なんでしょうけど、どうやったらここまで強くなれる?異世界にいけば強く慣れるのか後で聞きだすとしますか。今はイセリアという名の最強の壁を越えて見せる。
私は気合を入れてイセリアに突撃した。
シャルロッテ先輩が気合の咆哮をあげて突撃してくる。さっきより速い。一歩目から全速力、ということは、先輩は縮地が使えるのか。
私は先輩の突きを直前でかわそうとしたが、直前で先輩はそこからさらに加速した。私は、それを剣で流した。その隙を突き、流した剣とは反対側の剣を振るったが、爆音と共に先輩の姿はなかった。
「クイック・ブースト?」
「ただ魔力放出して無理やり加速しただけなんだけど、へぇ、そんな名前があるの、はじめて知ったわ」
「いや~、なんといいますか。後で説明しますので、私的には兵器なんて下手に公表して、下手に再現されて世界が滅びましたなんて」
「あなたの主義主張は今、関係ない!!!」
先輩は私の話を遮り、一言共に再度先輩は縮地をして急接近してきた。
確かに、今、言う話ではないな。
『シャルロッテ先輩、またもや突撃!!!だがこれでいいのか、やはりイセリアは冷静に対処、おっと今度は隙を突かず、攻撃をしません。シャルロッテ先輩、クイック・ブーストの無駄撃ちだー!!
ガイシャ先輩、シャルロッテ先輩の攻撃が単調になりつつありますが、どう思われますか』
『俺の予測は外れない外れないはずなんだ』
『まだ自分の世界にいましたか、ほんと誰か変わってくれないかな~』
実況は実況で何やってんだか。まぁ、確かに先輩の攻めが単調になってはいるが、仕方がないと思うんだけど。現在、私と先輩のパワーの差は歴然、斬りに行って鍔迫り合いなんてできないから突きによるヒット&アウェイぐらしか攻撃手段がない。遠距離からの攻撃魔法はエリナ先輩のとき、使ってなかったから得意とはいえない。攻めが単調化しているということは焦っているのか。でもなにに?
このままではエリナとの戦闘によって消費した体力が回復してしまう。さっきのエリナもこんな感じだったのかな。いくら攻撃してもイセリアにはとどかない、どうしたら彼女に一撃を入れることができる?
エリナが一撃を入れられたのは彼女がまだ封印をといていないとき、封印をといてからは防御越ししかダメージが入っていない。私はエリナのような脳のリミッター開放なんてできない。さてどうすれば・・・
先輩の足が止まった。考え事か、攻めが単調化していたことに気づいたか、どちらにしても今度は私から行かせてもらう。
『シャルロッテ先輩の足が止まった!!!イセリア、これを機に攻めに転ずる。シャルロッテ先輩、クイック・ブーストで回避!!!だけどイセリアの攻めはとまりません。シャルロッテ先輩はこれをどう対処するのか見ものです』
『完全に立場が逆転してるな』
『ぬおっ!アモンさん、いきなり声を掛けないでください。びっくりするじゃないですか。それにしても立場が逆転?え?何で?』
『この試合は新入生が在校生に挑む試合が、イセリアの封印解除で逆転してしまった。イセリアという強者に挑むと言う構図に変わっている』
『確かに・・・と言いつつも試合は続いています。シャルロッテ先輩、イセリアの攻めに避けることしかできない。ですが、さっきより余裕があるように見えます』
このままでは・・・回避に徹するのではなく、攻めなくては、でも、あれ?今思えば、私こんな風に避けれたっけ?
先輩が二段クイック・ブーストを使うようになってからさらに攻撃が当たらないな。それに、なんだか今、二段クイック・ブーストに気づきましたって感じだな。、二段クイック・ブーストに気づいたらどう攻めてくる。
「このままでは私が一方的に勝ってしまいますよ、先輩」
「今、光明が見えた。イセリア、あなたを負かしてみせる」
先輩は避けるためにクイック・ブーストを使っていたが、今回は距離をとるために使用した。私はこれを追撃しなかった。
見せてみろ、あなたが見た光明を・・・
この魔法は魔力を体力に変換する魔法、そして、この技は周りの魔力を取り込む技、これで消費した体力と魔力は元に戻った。あとはすべてをぶつけるのみ。
『イセリア、シャルロッテ先輩が距離を開けてから追撃しません。これはどういうことだー!その隙を突き、先輩は体力と魔力を回復した。そして、刀を構えなおした。これはイセリアが先輩に回復の時間を与えたと見てよろしいのでしょうか』
『そう見ていいだろう。そしてここからがこの二人の試合の決着へのカウントダウンと見ていい』
『イセリアはすごい余裕ですね。それにしても短かったような長かったような試合に終止符が打たれるかもしれません。さて軍配が上がるのはシャルロッテ先輩か、イセリアか、どちらだー!』
『なんとなくまだ長引きそうだな』
仕切りなおしてからどちらも動かず、時間だけが過ぎていく。ただ前の相手に勝つためにどちらも相手の出方を伺っている。
イセリアはわざと隙を作りシャルロッテを誘っている。シャルロッテはイセリアが誘っていることに気づいており出るに出られずにいる。ここにいる誰もがこの試合の決着を気にしており、今か今かと待ち続ける。
だが、空気を読まないやつどこにでもいる。妹が現れてとんでもないことをぬかした。
「フェイト様~、こんなくだらないものなんて見てないで、さっさと寮に戻って私との愛を語り合いましょう~」
妹はフェイトの護衛と周りの人に取り押さえられ退場となった。あの妹の一言により試合が動いた。
お互いが距離を詰める。二人は交差し剣で切り結ぶ。剣戟の音は闘技場に鳴り響く、そしてすぐに剣戟の音が鳴り響く、何度も何度も剣は交差する。そこにいる二人は舞を踊るかのごとく立ち位置を変え剣を振るう。
誰もはこの戦いという名の舞にただただ見とれるだけで言葉が出ない。誰もが長くこの剣舞を見ていたいと思っている。だが、どんなことにもいつかは終わりが見える。その終わりも徐々にだが見え始めている。
そして、その兆しが見え始めた。剣戟の音の中に何かが切れる音がした。それと共に何かが空中を飛んでいる。それは剣の刀身であった。誰もがその刀身の持ち主を気にした。そして、その刀身の持ち主ははイセリアだった。
イセリアが昨日、懸念したとおり、ついにシャルロッテがイセリアの剣を切り伏せたのだ。
イセリアは折れた剣を投げ捨て、残りの一本の剣でシャルロッテを迎え撃つ。シャルロッテはクイック・ブーストでさらに攻めていく。イセリアはシャルロッテの猛攻を耐えてはいる、だけど少しずつだが押されつつある。そして、もう片方の剣もシャルロッテの猛攻に耐え切れず、刀身が折れてしまった。
イセリアは剣を折られる際、剣から手を離し後方へ距離をとった。誰もが思うだろう、この試合はシャルロッテの勝ちで終わると、だが、イセリアはまだあきらめてはいない。
シャルロッテはクイック・ブーストと縮地の連続使用による高速戦闘の反動で体のいたるところにガタがつき始めている。
両方の剣を折られたイセリア、そして、体にガタがつき始めたシャルロッテ、この二人の決着の時は近い。
次回:決着、その後




