寮にてⅢ
「まず分かっていることをあげましょう」
イセリア・ルイン・フェネクスは元貴族でイセリア・イグナイトのイトコ。
イセリア・イグナイトは本名、イセリナ・アロマージでアロマージ皇国の第一皇女、庶子の娘。
イセリアと母親は『操られた』父親に捨てられ接触してきた師匠たちとアロマージへ。
イセリナのもとでしばらく世話になりそこで母親が自殺、その後、異世界へわたる。
イセリナ・アロマージは現在、イセリア・イグナイトを名乗り生活している。
「こんなものか」
「なんでイセリナさんはイセリアと名乗って生活しているんですか?」
そういえばそうだ、イセリナと別れるとき確か伯父に顔を見せに行くと言っていたけど、なぜこの国に居りあまつさえ、私の名前を名乗っている?
「わたくしは現イグナイト公爵夫人に誘拐されてこの国に来たのですわ。訳の分からないことを言われたあと、イグナイト公爵の屋敷に滞在し、この国の城から迎えが来て、今回の国際問題が終わるまで、イセリア・イグナイトとして生活してくれと言われたわ。その後から城で皇女と王妃教育を受けて生活していたわ」
国同士での話し合いは終わっているみたいだな、にしてもあのババアはイセリナを誘拐した?まさか私と間違えて、いやそんな馬鹿な、過去の私の顔と当時のイセリナの顔は瓜二つだったがさすがに目と髪の色は違うから間違えるとは思わんが。
「聞くがイセリナ、何でお前は誘拐されたんだ。あとフィリスさんどうしたよ、一緒に誘拐されてこちらに来たって訳じゃなさそうだけど」
「誘拐された理由はわからない、そのときお母さんが死んだことにショックを受けていたから」
「すまない、嫌な事思い出させてしまったな。そうか、あの人が死んだか・・・」
この世界に戻ってきたときに調べればよかった。あの人には世話になったから恩返ししたかったんだが、何で私はイセリナから死んだことを聞くまで忘れていたんだ。私にとってあの人はその程度の存在だったのか。なんかへこむな。
「今、思ったんだが、本物のイセリア・イグナイト公爵令嬢はどこ行ったんだ」
このエミルの発言に皆言葉を失う。
私は名乗ってはいないがここまでの会話である程度予想できる思うんだが。エミルって脳筋だったけ?
「これまでの会話である程度予想できると思ったんですがわかりませんでしたか」
「全然分からん」
エミルには予想不可だったみたいだ。
「今までの会話からしてイセリア・ルイン・フェネクスがイセリア・イグナイトだってことは予想できなかったんですか」
「え~、昔、遠くから見たことあるけど、全然彼女と似てないんだけど、だって目の色も髪の色も違うじゃないか、それに顔に至っては面影がないじゃないか」
エミルは昔の私を見ているから私とイセリア・イグナイトは同一人物と認識できなかったみたいだ。私の目と髪の色が変わったのは世界を越えているときに人間と言う種の限界を超えて覚醒した影響で目と髪の色が変わった。
「エミルのことは放っておきましょう」
「放っておくな!!」
「次に国は何故イグナイト公爵家に罰を与えないのでしょう?国際問題を発生させた以上しかるべき罰が与えられるはず」
誰もが思うだろうがには訳がある。
「あのババアは魔術師としては優秀だからな」
「優秀って、国際問題を起こしている人ですよ」
「イグナイト公爵を操っている時点で魔術師としては優秀だ。彼は公爵の地位にいる以上何かしらその手の対策はしていたはずだ、それに本人も対魔術抵抗も高い、なのに操られた。つまりあのババアがその対策すべてを上回り、イグナイト公爵の対魔術抵抗を超えて支配できるという証。一歩間違えればババアを捕まえにいった連中がババアに支配されこちらの敵に回る可能性がある以上、下手な手出しはできない」
「可能性の問題ですよね」
「ババアの能力の限界が分かれば対処できるだろうが、それすら分かっていないのに手を出すべきではいないと両国は考えているんじゃないか」
もうこれらは国の問題だ私たちの手には負えない。もうそろそろ切り上げるか、エミルがオーバーヒート寸前だし。
「これ以上、下手に進めるとエミルの頭がオーバーヒートしそうだ。ここで話し合いを終わりにしよう。もうそろそろ夕飯時だし」
「あれ?もうそんな時間でしたか」
「内容が国際問題に発展したから、ただでさえ疲れているのにさらに疲れる羽目になったのじゃ」
「ではあげますと」
イセリア・ルイン・フェネクスはイセリア・イグナイト
現イセリア・イグナイトはイセリナ・アロマージ
あとは国際問題
「全然整理できた感じがしない」
「さらに分からないことが増えましたね」
情報の整理とはそんなもんだ整理すればするほど謎が増えていくこともあるし新たなる発見もある。だが、今回のは問題がでかすぎて手に負えないし、ましてや学生の身分の私たちではどうにもできないものだ。ここはこの問題を丸投げするしかない。
「夕飯も近いことだしそれでは解散」
なんか無理やり終わらせた感じがするがまあいいや
皆、一年用談話室から退出していこうとしているが私は、イセリナに呼び止められた。
「イセリア、お願いがある」
「ん?なに」
「レーザーピストルをまた使いたい、エネルギーを補充して欲しい」
「ちょっとみせて」
私はイセリナからレーザーピストルを受け取った。そのレーザーピストルはエネルギー残量ゼロで転移の魔法が掛かっていた。
「ねぇ、イセリナ、これ一度ババアに奪われなかった」
「ええ、一度奪われたけど取り返したわ。でも何でそんなことを聞くの?」
「エネルギーを補充したらこれがババアの元に行く魔法が掛かっている。まずこの魔法を別のものに移し変えて・・・」
移し変えるにしてもいいものあったかな・・・、あぁ、あれにしよう異世界で無理やり持たされたあの像に転移魔法を移そう。
私は異世界である人から無理やり持たされた、像を次元倉庫から取り出した。
「何この像・・・、ものすごい筋肉ですわ・・・」
「この像は私が異世界のとある人物から無理やり持たされた。筋肉王アレキサンダー・マッチョの像だ!!!これにレーザーピストルに掛けられた転移魔法を移す」
「そんなことができるの、そもそもよくレーザーピストルに転移魔法が掛けられていることが分かってその行き着く先が分かったの」
「今の私ならできるとしか言えないな」
そして私はレーザーピストルに転移魔法が掛けられた転移魔法を筋肉王アレキサンダー・マッチョの像に移し、レーザーピストルのエネルギーを補充した。
「これで使えるようになったぞ」
「ありがとう」
「私は像のエネルギーを補充したら食堂に行くから先に行ってて」
「わかりましたわ。では食堂で」
私は筋肉王アレキサンダー・マッチョの像のエネルギーを補充して転移したところを見届けて一年用談話室を後にした。
さてあのババアが筋肉王アレキサンダー・マッチョの像にどんなことするか、想像しただけで笑いがこみ上げてくる。夕飯食べたらとある詰め所にいって筋肉王アレキサンダー・マッチョの像が盗まれたと盗難届けをださないとな。
一年生による話し合いは終わりました。
次回は先輩たちを出す予定です。
次回、先輩




