↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lunetteの午後三時  作者: 蒼狐


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/42

第21章 クリスマスの灯りと、約束の季節

十二月に入り、Lunetteは冬の装いになった。


窓辺に小さなイルミネーションを飾り、カウンターには赤い実の入ったリースを置いた。看板メニューは「スパイス・ホットチョコレート」と「栗とチョコのタルト」。店内は甘い香りと柔らかな灯りで満ちていた。


「今年は特別に賑やかになりそうね」


真澄が朝の準備をしながら呟くと、山田老人が微笑んだ。


「君の店が、この街の冬の風物詩だよ」


クリスマスが近づくにつれ、店は予約でいっぱいになった。彩花家族、佐々木夫妻、遥のサークルの仲間たちも訪れ、店内は温かい会話で溢れた。


クリスマスイブの夜。


真澄は特別に店を早めに閉め、拓也と二人で過ごすことにした。店内で簡単なディナーを用意し、キャンドルを灯す。


「メリークリスマス、真澄さん」


「メリークリスマス。……今年は本当にありがとう」


二人はワインを傾けながら、今年一年を振り返った。真澄がカフェを営み、拓也と出会い、ゆっくり恋に落ちたこと。たくさんの人の優しさに支えられたこと。


食事が終わると、拓也が小さな包みを差し出した。


「開けてみて」


中に入っていたのは、繊細な銀のネックレス。Lunetteの「L」をモチーフにした小さなチャームが付いていた。


「君の大切な場所を、いつも身につけていてほしい」


真澄の目が潤んだ。


「……ありがとう。大切にするわ」


真澄も用意していたマフラーを拓也に巻きながら、静かに言った。


「来年も、一緒に過ごしましょう。Lunetteで、君の書店で、この街で」


拓也は真澄を抱きしめ、優しくキスをした。


「約束だよ」


クリスマスの夜、Lunetteの窓から漏れる灯りが、雪の降る街を優しく照らしていた。


真澄は心の中で思った。


——私は今、とても幸せだ。


冬の夜は静かに更け、しかし新しい年の希望を静かに運んでくるようだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。