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その頃のアジト
地下アジト。
重い沈黙が流れていた。
海斗が煙草を咥えたまま、
低く呟く。
海斗
「……なんなんだ、一体。」
蓮
「訳分かんねぇ……。」
誰も笑わない。
一樹だけが静かに考えていた。
一樹
「…………。」
あの結界。
あの転移。
そして、
電話越しでも感じた圧力。
どれも異常だった。
紫苑は、
ずっと黙っている。
だが頭から離れない。
それでも、
自分を“化け物を見る目”で見なかった胡桃。
そして、
杏奈の異常な霊力。
玲央が煙草を灰皿へ押し付けながら、
紫苑を見る。
玲央
「お前、
あの女気になってんのか?」
数秒の沈黙。
紫苑は顔も上げず、
短く吐き捨てた。
紫苑
「……うるさい。」
だが。
その声は、
いつもより少しだけ弱かった。




