〖冠崎家の日常〗
朝。
冠崎家のリビング。
長いテーブルには、
色とりどりの朝食が並んでいた。
由美
「みんな~!
起きなさ~い!
ちゃんと食べなさい!」
修一は、
新聞を広げたまま静かにコーヒーを飲んでいる。
真奈
「朝からうるさ……。」
杏奈
「お姉ちゃん、おかえり。」
真奈
「ただいま。
父さん、異常なし。
今日は午後から会議だから、
昼過ぎに会社行くよ。」
修一
「いつもご苦労さん。
分かった。
私は午前中から会合だ。
グループ全体の報告もあるし、
今日は芙蓉グループも来るからな。」
真奈
「芙蓉も……?
なんで?」
修一
「さぁな。」
杏奈は苦笑しながら、
バッグを肩に掛けた。
杏奈
「私は今日は外来だから、
先に行ってくるわ。」
その時。
雄一が欠伸をしながら、
階段を降りてきた。
雄一
「おはよ~……。
姉ちゃん、
もう行くの?」
杏奈
「今日は早いのよ。
ほら、
顔洗ってうがいしなさい。」
雄一
「は~い。」
続いて、
伊織も眠そうな顔で現れる。
伊織
「おはよう、姉ちゃん。
もう行くの?」
杏奈
「今日は外来だからね。」
困ったように、
くすっと笑った。
その背中へ――
和真が勢いよく抱きつく。
和真
「姉ちゃん!
おはよう!」
杏奈
「おはよう、和真。」
真奈
「お前ら、
早くしないと遅刻するぞー。」
雄一・伊織・和真
「は~い!
真奈姉ちゃん!」
由美
「あの二人はまだ起きないの!?
ほんっと毎日毎日……!!」
その瞬間。
真奈がニヤリと笑った。
真奈
「ほぉ~~。
今日は私が行くか。」
物音を立てず、
気配を殺しながら二階へ上がる。
そして、
二つのドアの前で止まった。
真奈
「今日は~
こっちだ!!」
勢いよく、
隼人の部屋のドアを開ける。
次の瞬間。
布団が豪快にひっぺがされた。
真奈
「オラァ!!
起きやがれ!!」
隼人
「うわぁぁぁーーー!!!
兄貴じゃねぇのかよ!!?」
すると隣の部屋から、
陸斗が飛び出してきた。
陸斗
「いつも俺だと思うな!!
あばよ!!!」
そのまま全力で階段を駆け下りていく。
真奈
「隼人!!
早くしろ!!!」
隼人
「やられた~~~……。」
数分後。
ボサボサ頭のまま、
隼人は不機嫌そうにリビングへ降りてきた。




