〖紫苑の治療〗
真奈
「先に腹から行け。」
胡桃
「うん。」
真奈
「いいか。」
真奈
「霊力を。」
真奈
「目に五割。」
真奈
「霊糸に五割。」
真奈
「最初はそれで始めろ。」
胡桃頷く。
真奈
「目が慣れたら。」
真奈
「目三割。」
真奈
「霊糸七割。」
真奈
「まずは見ろ。」
胡桃
「分かった。」
胡桃は目へ霊力を集めた。
瞳が淡く光る。
そして。
見えた。
紫苑の脇腹。
筋。
筋肉。
その隙間へ。
黒い残滓が巻き付いていた。
胡桃
「見えた!」
真奈
「よし。」
真奈
「次。」
真奈
「両指に霊糸。」
真奈
「ゆっくり体内へ入れろ。」
胡桃
「分かった。」
細い霊糸。
淡い光。
ゆっくり。
紫苑の体内へ入る。
触れる。
残滓が静かに消えていく。
同時。
止まっていた血流が戻る。
ジクッ。
紫苑
「ッ……!」
胡桃
「ご、ごめんなさい!」
胡桃
「我慢して!」
次の瞬間。
霊糸から治癒霊力が流れる。
痛みが少し落ちた。
消す。
治す。
消す。
治す。
繰り返す。
真奈
「その調子だ。」
真奈
「胡桃。」
しばらくして。
胡桃
「真奈姉ちゃん!」
胡桃
「骨!」
胡桃
「少しある!」
真奈
「分かった。」
真奈が焦点を定める。
紅い光。
――シュッ!!
焼く。
剥がす。
消える。
紫苑
「ガァァッ!!」
真奈
「治癒。」
胡桃は即座に霊糸を巻く。
骨。
筋。
深部。
全部包み込む。
紫苑
「はぁ……。」
紫苑
「はぁ……。」
胡桃は汗だくだった。
額から汗が落ちる。
胡桃
「……あと。」
胡桃
「少し。」
紫苑はずっと見ていた。
自分の為に。
必死になっている少女を。




