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祓ノ血族(はらいのけつぞく)  作者: ハルヤ
第3章〖接触〗
32/193

〖病院〗

翌朝。


大学病院。


早朝。


まだ日が昇り切っていない。


杏奈は更衣室で着替えを終え、

ナースステーションへ向かう。


婦長


「冠崎さん。」


杏奈


「はい。」


婦長


「申し訳ないんだけど。」


婦長


「昨日、

救急で多数運ばれて来てね。」


婦長


「人手が足りないの。」


婦長


「あっち回って貰える?」


杏奈


「分かりました。」


救急病棟へ向かう。


だが。


扉を開けた瞬間。


杏奈


「……これは。」


空気が重い。


見える。


微かだが。


所々に黒い残滓。


まだ消えていない。


患者達が呻いている。


苦しそうに呼吸をしていた。


杏奈は静かに息を吐く。


ふぅ――。


次の瞬間。


ふわり。


藤の香りが広がった。


残滓が散る。


患者達の顔色が少しずつ戻る。


呻き声が止まった。


やがて。


静かな寝息へ変わる。


看護師達


「落ち着いた……。」


「助かった……。」


「やっと処置進められる。」


杏奈は小さく笑った。


杏奈


「良かった。」


だが。


止まる。


一箇所だけ。


濃い。


異常な残滓。


杏奈


「……。」


カーテンへ近付く。


杏奈


「失礼します。」


シャッ。


開く。


止まる。


そこに居たのは。


神崎組。


玲央。


海斗。


蓮。


一樹。


鷹臣。


紫苑。


全員の視線が杏奈へ向く。



「お前!!」


鷹臣


「なんで!?」


玲央


「嘘だろ。」


杏奈は目を丸くする。


そして。


ふわっと笑った。


杏奈


「あらあら。」


杏奈


「坊や達。」


杏奈


「また会ったわねぇ。」


クスクスクス。


神崎組


「……。」


海斗


「待て待て待て。」


海斗


「何で病院に居るんだよ!!」


杏奈


「仕事。」


普通にカルテを見る。


全員


「???」

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