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祓ノ血族(はらいのけつぞく)  作者: ハルヤ
第2章 〖日常〗
29/193

〖弔い〗

神崎組は。


ただ見る事しか出来なかった。


鷹臣


「なんなんだよ……。」


一樹


「嘘だろ。」


一樹


「常軌を逸脱している。」


玲央も動けない。


海斗も言葉を失っていた。


紫苑


「…………。」


呆然と見るしかない。


誰も。


何一つ理解出来ない。


ただ一つ。


分かる事がある。


――あの女は普通じゃない。


その時。


真奈が振り向いた。


そして。


ゆっくり神崎組へ近付く。


全員息を飲む。


玲央


「……。」


海斗


「……。」


紫苑だけが黙って見ていた。


真奈は立ち止まる。


真奈


「無事だな。」


沈黙。


全員


「どこがだよ!!!」


真奈


「怪我はしてる。」


真奈


「だが生きてる。」


真奈


「何人かは犠牲になったがな。」


空気が落ちる。


真奈は静かに、

吹き飛んだ屋敷を見る。


フェニックスの炎が、

静かに揺れていた。


真奈


「犠牲者の為にも浄化は必要だ。」


真奈


「ここへ留まる訳にもいかんだろ。」


真奈


「フェニックスの浄化炎は。」


真奈


「未練なく、

あの世へ届けてくれる。」


誰も喋らない。


真奈


「お前らも悔やむな。」


真奈


「あれだけの奴が出て。」


真奈


「命が助かっただけでも有難いと思え。」


真奈


「それが。」


真奈


「犠牲になった奴らの成仏になる。」


真奈


「悔やみ。」


真奈


「怒り。」


真奈


「それは死者を縛る。」


静寂。


真奈は煙草へ火をつけた。


夜風に煙が流れる。


その時。


遠くから。


サイレン。


救急車。


パトカー。


真奈


「来たか。」


振り返る。


真奈


「まぁ。」


真奈


「しっかり療養して治せよ。」


手をひらひら振る。


歩き出す。


誰も止めない。


止められない。


海斗


「……行った。」


鷹臣


「何だったんだよ。」


一樹


「…………。」


紫苑だけが、

最後まで背中を見ていた。

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