27/193
〖謎の女性〗
崩壊した地下。
瓦礫。
血。
煙。
神崎組全員が倒れていた。
海斗は肩を押さえている。
蓮の額から血が流れる。
玲央も壁へ寄り掛かっていた。
紫苑は瓦礫の横。
立てない。
だが視線だけは外へ向いていた。
夜。
吹き飛んだ屋敷。
その外。
白銀の虎。
巨大な白蛇。
そして。
一人の女。
海斗
「……虎?」
蓮
「蛇……?」
玲央
「夢か?」
誰も動けない。
理解出来ない。
異形だけでも意味が分からない。
なのに今度は――
虎。
蛇。
結界。
一樹だけが止まった。
一樹
「……あの声。」
全員見る。
一樹
「電話の女か。」
沈黙。
鷹臣
「マジかよ。」
海斗
「電話……?」
玲央
「待て。」
玲央
「昨日の。」
玲央
「……あの家か?」
紫苑だけが黙っていた。
頭に浮かぶ。
泣いていた胡桃。
抱き締められていた姿。
そして。
目の前。
異形へ刀を向ける女。
紫苑
「……昨日の女の。」
紫苑
「姉……?」
その瞬間。
外。
真奈が霊刀を構える。
紅虎の炎が刀へ纏う。
ハクが異形へ巻き付く。
異形が暴れる。
真奈
「暴れんな。」
静かな声。
真奈
「うるさい。」
次の瞬間。
真奈の姿が消えた。
ドォン!!
衝撃だけが走る。
海斗
「消え……!?」
蓮
「速ぇ!!」
玲央
「見えねぇ!!」
紫苑だけが目を見開く。
その速さだけは。




