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祓ノ血族(はらいのけつぞく)  作者: ハルヤ
【祓ノ血族】-本編-
192/193

【過去の噂】

一通り話し終えると。


四人から、安堵とも疲労ともつかないため息が漏れた。


琴音は、ソファの背もたれに沈み込む。


千颯は、両肘を膝に置いたまま項垂れた。


來華は、眉間を押さえている。


灯子は、煙草を灰皿に押し付けると、遠い目をした。


灯子

「は~~~。」


灯子

「色々起きるわね~~。」


琴音

「情報量、多すぎ。」


千颯

「歌ってる場合じゃなかったわ。」


真奈

「歌ってたじゃん。」


千颯

「歌ったけど。」


來華は、まだ頭を抱えている。


真奈

「來華?」


來華

「は~~。」


來華

「それで、あんた顔色が悪かったのね。」


來華

「クライアント絡みじゃないとは思ったけど。」


真奈

「言ったところで、どうにもならんしな。」


真奈

「こればっかりは、本当にどうしようもなかったんだよ。」


來華

「分かってるわよ。」


灯子は、しばらく何かを考えるように、足と腕を組んでいた。


灯子

「月島……。」


灯子

「蛇塚……。」


真奈

「灯子?」


灯子

「もしかしたら……。」


灯子

「いや……でも……。」


灯子は、ぶつぶつ言いながら考えている。


真奈

「灯子?」


真奈

「どうした?」


灯子

「いや……分からないよ。」


灯子

「分からないけど……。」


灯子

「もしかしたらって。」


真奈

「何が?」


灯子

「確定じゃないよ。」


灯子

「でも……。」


真奈

「だから。」


真奈

「何が!?」


灯子

「う~~~ん!」


灯子

「も~~~!」


灯子

「多分よ。」


灯子

「多分だし、もしかしたらだからね!」


灯子

「その月島と蛇塚。」


灯子

「こっち側なんじゃないのかしらね?」


四人の声が揃った。


琴音・千颯・來華・真奈

「は?」


灯子

「随分前の話よ。」


灯子

「時期は違うけどね。」


灯子

「月島家は、蛟の家系でしょう?」


灯子

「その月島家から、長兄がいなくなったって話が出たのよ。」


灯子

「でも月島家は、それを何とか揉み消そうと必死だった。」


真奈

「……。」


灯子

「で、しばらく経って落ち着いた頃。」


灯子

「今度は、蛇塚家から長兄が忽然と姿を消したって話が来たの。」


琴音

「蛇塚……。」


灯子

「あそこは、八岐大蛇の血族でしょう。」


灯子

「しかも、生まれてきた長兄は、母親と父親によく似た美形だったみたいでね。」


灯子

「他の兄弟達は普通に接して、ある程度自由だった。」


灯子

「なのに、長兄にだけは執拗だった。」


灯子

「あれは駄目。」


灯子

「これは駄目。」


灯子

「どこへ行くにも。」


灯子

「何をするにも。」


灯子

「口を出して、縛って。」


灯子

「居なくなった時の母親の情緒不安定さなんて、凄かったんだから。」


灯子はその当時を振り返りながら、熱量を持って話した。

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