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祓ノ血族(はらいのけつぞく)  作者: ハルヤ
【祓ノ血族】-本編-
193/193

【失踪した長兄】

真奈は、黙り込んだ。


月島。


蛇塚。


真奈

「灯子。」


真奈

「名前は分かる?」


灯子

「さ~~。」


灯子

「名前までは覚えてないよ。」


灯子

「月島家なんて、揉み消そうとしてたんだよ。」


灯子

「覚えてたら、こっちがヤバかったんだから。」


真奈

「……。」


灯子

「ただ、蛇塚家は必死に探してたからねぇ。」


灯子

「何だったっけ。」


灯子

「たか……。」


灯子

「たかみ?」


灯子

「いや、違うな。」


灯子

「たかし?」


灯子

「なんか違うな。」


真奈

「……もしかして。」


真奈

「鷹臣じゃないか?」


灯子

「そう!」


灯子

「それよ!」


灯子

「鷹臣よ!」


灯子

「なんで知ってんの!?」


真奈

「マジかよ。」


真奈

「それが、神崎組の一人だ。」


四人の声が揃った。


琴音・千颯・來華・灯子

「は?」


すかさず、琴音が割って入った。


琴音

「待って。」


琴音

「月島もいるの?」


真奈

「いる。」


全員が、一斉に真奈の方を向いた。


真奈

「月島海斗。」


灯子

「……。」


琴音

「!!」


千颯

「!!」


來華

「!!!」


四人とも、驚愕した。


灯子が、考え込むように視線を落とす。


灯子

「それは、調べた方がいいねぇ。」


來華

「偶然にしては、重なりすぎてる。」


千颯

「神崎組の六人……。」


真奈

「六人が集まったのは、本当に偶然だったんだと思う。」


真奈は、神妙な面持ちで話した。


真奈

「誰かに集められたわけじゃない。」


真奈

「仕組まれたわけでもない。」


そこに、來華が疑問を投げかけた。


來華

「本当に、偶然だと思う?」


真奈は目を閉じ、静かに頷いた。


真奈

「ああ。」


真奈

「多分な。」


真奈

「ただ、馬が合ったんだろうな。」


真奈

「息が合うっていうか。」


真奈は、ソファの背もたれに体を預けた。


真奈

「似てたんだよ。」


琴音

「似てた?」


真奈

「ああ。」


真奈

「それぞれ、生きてきた場所は違う。」


真奈

「抱えてるものも違う。」


真奈

「でも、どこか似てた。」


真奈

「そういう奴らが、たまたま同じ場所に流れ着いた。」


真奈

「それが神崎組だったんだと思う。」


千颯

「……居心地が良かったのね。」


千颯は、なぜかその言葉が分かる気がした。


真奈

「多分な。」


真奈

「普通の場所じゃ、異物だった。」


真奈

「でも、六人でいる時だけは。」


真奈

「自分が異物だってことを、忘れられたんじゃないか。」


灯子

「似た者同士が、寄り集まったってわけかい。」


真奈

「ああ。」


真奈

「偶然だよ。」


真奈

「でも、その偶然があったから、あいつらは今まで生きてこられたのかもしれない。」


その言葉に、全員が黙り込んだ。

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