【幻灯楼の主役】
すると。
ステージの方で、ひときわ大きな歓声が上がった。
真奈は、つまみを口に運ぶ手を止める。
真奈
「……は?」
ステージの上にいたのは。
烏天狗の千颯だった。
真奈
「は?」
真奈
「あいつまで来てたわけ!?」
琴音
「私が来てる時点で、分かれよ。」
真奈
「最悪。」
真奈は、頭を抱えた。
灯子
「仲間思いね~。」
灯子はそう言いながら、ゆっくり煙草を吸っていた。
真奈
「仲間思いっていうか、包囲網だろ。」
琴音
「正解。」
真奈
「灯子~~~。」
灯子は煙草をふかしながら、ステージの方を見ていた。
灯子
「今まで、昼間っから飲みに来ることなんてなかったろ?」
灯子
「逃げては来てたけどね。」
灯子
「いつもなら酒は飲まずに、ドリンクだけ飲んで帰ってた奴が。」
灯子
「昼間っから酒飲んでりゃ、そりゃ来るわいな。」
真奈は灯子を見ながら、つまみを食べ、酒を飲んでいた。
琴音
「無理はすんなってことよ。」
琴音は、真奈の肩にポンポンと手を置いた。
千颯はひとしきり歌った後、すぐさま真奈のところへ来た。
千颯
「ホントにいた!!!」
千颯
「何してんのよ、あんた!」
千颯
「灯子さんから連絡来た時は、まさかと思ったけど。」
千颯は、真奈が飲んでいた酒を見る。
千颯
「しかも、度数高そうな酒飲んでるし。」
真奈
「そんなに高くないよ。」
真奈
「炭酸で割ってる。」
真奈
「灯子も、そこまでなもん作らないよ。」
真奈は、何事もないようにつまみを食べた。
千颯
「一体、何があったのよ。」
千颯
「琴音も何か知らないの?」
琴音
「さ~ね。」
琴音
「まっ、いつもの真奈じゃないことは確かよ。」
真奈
「いつもの私って何よ。」
琴音・千颯・灯子
「…………。」
真奈
「何その沈黙。」
灯子
「自覚がないって怖いねぇ。」
千颯
「ほんとそれ。」
琴音
「重症ね。」
3人はそれぞれ顔を見合せた。




