【朝の食卓】
しばらくすると、それぞれのタイミングで、ひとり、またひとりと起きてきた。
玄三
「起きたか。」
玄三
「洗面所へ行って、顔でも洗ってこい。」
玄三
「目が覚める。」
玄三
「朝ごはんじゃ。」
そう言うと、玄三は席を立ち、庭の方へ歩いていった。
蓮達はその背中を見送ってから、洗面所へ向かった。
顔を洗い、身支度を整える。
そして食卓へ向かうと、すでに朝食の準備は整っていた。
由美、千代、真奈は、すでに起きている。
真奈
「起きたか。」
真奈
「朝ごはんだ。」
由美
「おはよう。」
由美
「よく寝られたかしら?」
千代
「おはよう。」
千代
「朝ごはん出来てるから、食べようね。」
修一は、いつものように新聞を読みながら、コーヒーを飲んでいた。
修一
「おはよう。」
修一
「体はどうだ?」
修一
「違和感はあるか?」
玲央が口を開いた。
玲央
「いや……。」
玲央
「それが、妙に軽いんです。」
修一
「そうか。」
修一は、ふっと微笑んだ。
修一
「良かったな。」
海斗は目を擦りながらあくびをしていた。
海斗
「……まだ眠い。」
紫苑は、ウトウトしていた。
紫苑
「……眠い。」
鷹臣は、いつものだるいような感じではなく、妙にスッキリしていた。
鷹臣
「え? マジ?」
鷹臣
「俺、すげぇスッキリしてる。」
その隣で蓮はボソッと呟いた。
蓮
「良かったな。」
鷹臣
「え? 馬鹿にした?」
蓮
「してねぇ。」
その時、庭から戻ってきた玄三の声がした。
玄三
「こりゃ。」
玄三
「はよ席につけ。」
玄三
「食うぞ。」
全員
「はい。」
それぞれが席につき、朝食を食べ始めた。
味噌汁を口にした瞬間。
また、身体の奥がじんわりと熱くなる。
夕食の時と似ていた。
けれど、少し違う。
体の中から温められ、何かがゆっくりと焼かれていくような感覚。
重く絡みついていたものが、少しずつほどけていく。
そして。
不要なものが、外へ押し流されていくような感覚。
玲央
「……まただ。」
一樹
「ああ。」
一樹
「昨日より、分かりやすい。」
海斗
「食べてるだけなのに……。」
紫苑
「……変な感じだ。」
鷹臣
「でも、嫌じゃねぇな。」
蓮
「……ああ。」
戸惑いはある。
けれど、不快ではない。
温かいものが、身体の内側を通っていく。
玲央達は、その感覚を確かめるように、黙ったまま朝食を食べ続けた。




