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祓ノ血族(はらいのけつぞく)  作者: ハルヤ
【祓ノ血族】-本編-
172/193

【一時の休息】

食事が終わる頃には、神崎組は全員、言葉数が少なくなっていた。


腹が満たされたからなのか。


湯で身体が緩んだからなのか。


それとも、この家の空気に飲まれたからなのか。


分からない。


ただ、妙に眠かった。


玲央

「……。」


海斗

「なんか……眠い。」


一樹

「ああ。」


鷹臣

「飯食っただけで、こんなに眠くなるか?」


紫苑

「……眠い。」


「……俺も。」


真奈

「そりゃそうだろ。」


真奈

「風呂で表面の穢れ落として、飯で中を整えたんだ。」


真奈

「体が休めって言ってんだよ。」


玲央

「……穢れ。」


真奈

「詳しい話は明日。」


玄三

「そうじゃ。」


玄三

「今のお前達に必要なのは、説明ではない。」


玄三

「休息じゃ。」


由美

「座敷に布団を敷いてあるわ。」


由美

「今日はもう休みなさい。」


千代

「明日になれば、少しは頭も働くさ。」


千代

「今は寝るのが一番だよ。」


全員、案内されるまま座敷へ向かった。


そこには、人数分の布団が敷かれていた。


海斗

「……布団だ。」


鷹臣

「見りゃ分かる。」


海斗

「いや、そうじゃなくて……。」


一樹

「人数分、用意されている。」


玲央

「……早いな。」


「何なんだよ、この家。」


紫苑

「……。」


由美

「ふふ。驚いた?」


由美

「陸斗達が来たら、一緒に布団敷いたらいいわ。」


千代

「今日は、ゆっくり休みなさい。」


そう言って、由美と千代は扉を閉めた。


全員、違和感があった。


謎は山ほどある。


何一つ、解決していない。


それなのに。


言われるがままになっている。


海斗は布団に触れた。


海斗

「柔らか……。」


鷹臣

「感想が子どもか。」


海斗

「だって柔らかいんだよ。」


一樹

「……確かに。」


玲央は、小さく息を吐いた。


玲央

「今日は、もう眠い。」


玲央

「考えるのは無理だ。」


「……ああ。」


紫苑

「……眠い。」


その一言に、全員が少しだけ黙った。


紫苑が、そんなことを言うのは珍しかった。


けれど、誰も茶化さなかった。


全員、同じだったからだ。


玲央

「……寝よう。」


誰も反論しなかった。


それぞれが布団に入る。


柔らかくて。


温かい。


謎は山ほどある。


それでも、まぶたはゆっくりと重くなっていく。


神崎組は、何一つ分からないまま。


その夜、すぐに眠りについた。

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