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【威厳】
修一
「急ですまなかった。」
修一
「大丈夫かい?」
玲央
「はい。」
玲央
「これは……一体。」
海斗
「なんで!?」
一樹
「転移……ですか。」
修一
「……ああ。」
真奈が、すかさず修一の方へ歩いた。
真奈
「父さん、ごめん。」
真奈
「向こうの姿が分からない以上、すぐには出られなかった。」
真奈
「遅かった。」
修一
「分かってる。」
修一
「よく判断した。」
真奈
「……。」
その時。
修一の後ろから、低く落ち着いた声がした。
玄三
「よく来たな。」
全員が、修一の後ろを見る。
そこに立っていたのは、ひとりの老人だった。
だが。
ただの老人ではない。
空気が、違った。
重圧。
威圧。
それとも、その両方か。
分からない。
けれど、その場にいるだけで、空気そのものが変わっていた。
背筋が、勝手に伸びる。
呼吸が、少し浅くなる。
その立ち姿には、威厳があった。
上品さと、気品。
そして、長い年月を背負ってきた者だけが持つ、揺るがない重み。
神崎組は、誰もすぐには動けなかった。
今まで、いろんな人間を見てきた。
権力を持つ者。
金を持つ者。
暴力で場を支配する者。
だが、目の前の老人は、そのどれとも違う。
何をしても。
何を言っても。
敵わない。
そう、身体の奥で理解させられる相手だった。




