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祓ノ血族(はらいのけつぞく)  作者: ハルヤ
【祓ノ血族】-本編-
165/193

【威厳】

修一

「急ですまなかった。」


修一

「大丈夫かい?」


玲央

「はい。」


玲央

「これは……一体。」


海斗

「なんで!?」


一樹

「転移……ですか。」


修一

「……ああ。」


真奈が、すかさず修一の方へ歩いた。


真奈

「父さん、ごめん。」


真奈

「向こうの姿が分からない以上、すぐには出られなかった。」


真奈

「遅かった。」


修一

「分かってる。」


修一

「よく判断した。」


真奈

「……。」


その時。


修一の後ろから、低く落ち着いた声がした。


玄三

「よく来たな。」


全員が、修一の後ろを見る。


そこに立っていたのは、ひとりの老人だった。


だが。


ただの老人ではない。


空気が、違った。


重圧。


威圧。


それとも、その両方か。


分からない。


けれど、その場にいるだけで、空気そのものが変わっていた。


背筋が、勝手に伸びる。


呼吸が、少し浅くなる。


その立ち姿には、威厳があった。


上品さと、気品。


そして、長い年月を背負ってきた者だけが持つ、揺るがない重み。


神崎組は、誰もすぐには動けなかった。


今まで、いろんな人間を見てきた。


権力を持つ者。


金を持つ者。


暴力で場を支配する者。


だが、目の前の老人は、そのどれとも違う。


何をしても。


何を言っても。


敵わない。


そう、身体の奥で理解させられる相手だった。

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