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祓ノ血族(はらいのけつぞく)  作者: ハルヤ
【祓ノ血族】-本編-
164/193

【転移】

真奈はスマホを取り出した。


真奈

「父さん。」


修一

『どうした。』


真奈

「罠だった。」


修一

『……。』


真奈

「印をつけられそうになったが、弾いた。」


真奈

「だが、姿と気配は覚えられた。」


修一

『今は?』


真奈

「別邸。」


修一

『その場を離れるな。迎えに行く。』


真奈

「いや。」


真奈は、神崎組を見る。


真奈

「このまま総本家へ向かう。」


修一

『……分かった。』


修一

『転移を使え。』


真奈

「了解。」


通話を切った。


真奈

「今から転移を使う。」


真奈

「全員、手を繋げ。」


玲央

「転移……?」


真奈

「説明してる時間はない。」


真奈

「絶対に離すな。」


その声に、誰も逆らわなかった。


玲央が一樹の手を取り。


一樹が海斗へ。


海斗が鷹臣へ。


鷹臣が紫苑へ。


紫苑が蓮へ。


そして、蓮が真奈の手を掴んだ。


真奈

「離すなよ。」


「離すかよ。」


真奈

「そういう意味じゃない。」


紫色の光が、空間に薄く走った。


縦に伸びる細い線。


それが、ゆっくりと開いていく。


まるで、空間そのものに切れ目が入ったようだった。


海斗

「……え、なにこれ。」


一樹

「空間が……。」


真奈

「行くぞ。」


真奈は、その紫の線の中へ踏み込んだ。


全員が、それに続く。


紫の光の中に入った。


そう思った瞬間。


次の一歩で、外に出ていた。


風の匂いが変わる。


空気の重さも違う。


目の前には、修一が立っていた。


修一

「大丈夫かい?」


玲央

「……。」


一樹

「……。」


海斗

「……え?」


鷹臣

「……今の、何だ。」


紫苑

「……。」


「……。」


六人全員が出てくると、背後の紫の線は、すぅっと消えた。


そこにはもう、何も残っていない。


ただ、神崎組だけが、何が起きたのか分からない顔で立ち尽くしていた。

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