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祓ノ血族(はらいのけつぞく)  作者: ハルヤ
【祓ノ血族】-本編-
162/193

【嫌な予感】

依頼は、拍子抜けするほど順調だった。


護衛対象に不審な様子はない。


ルートにも異常はない。


待ち合わせ場所。


移動車両。


到着先。


すべて、事前情報と一致していた。


海斗

「……普通だね。」


一樹

「普通すぎる。」


玲央

「気を抜くな。」


紫苑

「分かってる。」


「……。」


鷹臣

「……静かすぎる。」


護衛対象そのものは本物。


依頼も本物。


だが。


最後。


護衛対象が車に乗った、その時だった。


パキン!


乾いた音が響いた。


次の瞬間。


六人の周囲だけに、白い結界が発動した。


玲央

「なんだこれは!」


一樹

「結界!?」


鷹臣

「マジか……!」


海斗

「気づかなかった……。」


紫苑

「……真奈さんか。」


「真奈。」


遠くの方で、舌打ちが聞こえた。


「チッ!」


だが、姿は見えない。


空気だけが、わずかに歪んでいた。


その歪みを切るように、真奈の声が落ちた。


真奈

「やはりな。」


全員

「!?!?!?」


真奈は、いつの間にか近くに立っていた。


真奈

「嫌な予感はしてたんだ。」


玲央

「どうして……。」


玲央

「いつから?」


真奈

「骸が来た時さ。」


真奈

「あの時、念のために仕込んでおいた。」


玲央

「仕込んだ?」


真奈

「ああ。」


真奈

「万が一、何かあった時に発動するよう、ハクに頼んで結界の種をつけておいた。」


海斗

「結界の種?」


真奈

「お前達それぞれの影に、ほんの少しな。」


一樹

「影……。」


真奈

「異物か術が入り込もうとした時、同時に結界が張れるようにしてた。」


真奈

「まさか、こんなに早く引っかかるとは思わなかったけどな。」


鷹臣

「……今のは、何だった。」


真奈

「印だ。」


玲央

「印?」


真奈

「追跡用の呪いみたいなもんだ。」


真奈

「お前達に印をつけて、どこにいても辿れるようにするつもりだったんだろう。」


「……あいつら。」


真奈

「けど、それはできなかった。」


真奈

「結界が弾いた。」


海斗

「じゃあ、セーフ?」


真奈

「完全にセーフとは言えない。」


玲央

「どういう意味だ。」


真奈

「印はついてない。」


真奈

「でも、狙った相手の姿と気配は向こうに知られた。」


真奈

「次からは、もっと正確に来る。」


紫苑

「……。」


真奈

「とりあえず、別邸に戻るぞ。」


真奈

「ここに長居するな。」


玲央

「分かった。」


全員が頷いた。

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