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【別邸の中】
別邸の中は、静かだった。
誰も、無駄口を叩かない。
海斗ですら、軽口を減らしていた。
一樹はパソコンに向かい、昨日の依頼の経路を洗っている。
鷹臣は窓際に立ち、煙草も吸わずに外を見ていた。
紫苑は壁にもたれたまま、黙っている。
蓮は、ずっと苛立っていた。
玲央は、そんな全員を見ていた。
静かすぎる。
昨日までの疲労とは違う。
何かが近づいてくる前の、嫌な静けさ。
玲央
「……気持ち悪いな。」
一樹
「ああ。」
一樹
「昨日の依頼元の情報が、消えている。」
玲央
「消えてる?」
一樹
「最初から無かったみたいに、綺麗に消されてる。」
海斗
「うわ。やな感じ。」
鷹臣
「……外もだ。」
玲央
「外?」
鷹臣
「音がしねぇ。」
紫苑
「……。」
蓮
「来るなら来いよ。」
玲央
「蓮。」
蓮
「分かってる。」
蓮は低く吐き捨てた。
蓮
「でも、腹立つんだよ。」
真奈を狙った骸。
あの視線。
あの声。
思い出すだけで、胸の奥が熱くなる。
玲央は小さく息を吐いた。
玲央
「修一さんから連絡が来るまで、動くな。」
蓮
「……分かってる。」
だが。
その静寂は、長くは続かなかった。




