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祓ノ血族(はらいのけつぞく)  作者: ハルヤ
【祓ノ血族】-本編-
157/193

【変な怒り】

全員が、しばらく動けなかった。


外に残る、黒い気配。


消えた骸。


そして、空から落ちてきた不気味な声。


海斗

「……なんなんだよ、今の。」


鷹臣

「骸って……。」


玲央

「修一さん。」


玲央

「あれは、一体なんなんですか。」


修一

「……。」


修一はすぐには答えなかった。


真奈は、骸が消えた方を睨んでいる。


その横顔を見た瞬間。


蓮の奥で、何かが燃え上がった。


真奈が狙われた。


ただ、それだけで。


胸の奥から、どうしようもない怒りが湧いた。


理由なんて分からない。


なぜ、こんなにも腹が立つのか。


なぜ、あの男が真奈を見た瞬間に、全身が熱くなったのか。


分からない。


けれど。


「……あいつ。」


蓮の声が、低く落ちた。


全員が蓮を見る。


「あいつ、ぶっ殺す。」


真奈

「……は?」


蓮は、骸が消えた闇を睨んでいた。


拳が震えている。


怒りで。


殺意で。


それとも、自分でも分からない何かで。


一樹

「蓮。」


「真奈を狙いやがった。」


「ふざけんな。」


その言葉に、空気が止まる。


真奈

「……。」


真奈は、蓮を見た。


蓮は気づいていない。


自分が今、何を口にしたのか。


ただ、怒っていた。


ただ、許せなかった。


真奈

「……お前。」


「あ?」


真奈

「私、別に怪我してないぞ。」


「そういう問題じゃねぇだろ!」


真奈

「……。」


真奈は一瞬、きょとんとした。


それから、少しだけ眉を寄せる。


真奈

「なんでお前が怒ってんだ?」


「……。」


「知らねぇよ!」


蓮は自分でも分からないまま、吐き捨てた。


「でも、腹立つんだよ!」


その場に、重い沈黙が落ちた。

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