【夕方の別邸】
真奈のスマホが鳴った。
真奈
「…………。」
画面を見て、真奈は小さく息を吐く。
真奈
「父さん。」
通話に出る。
真奈
「はい。連絡ついた?」
修一
『ああ。今日の夕方だ。』
修一
『一緒に来てくれるか?』
真奈
「ああ。大丈夫だ。」
修一
『分かった。また連絡する。』
通話が切れる。
真奈
「ふう~~~~。」
真奈はスマホを見つめたまま、深く息を吐いた。
真奈
「こっちも調べるか。」
真奈
「やつらの証拠や、決定的なものがないと断定できね~~!」
真奈は頭を抱えた。
⸻
夕方。
修一から連絡が入り、
一台の車が会社の前に停まった。
修一の車だった。
修一
「乗れ。」
真奈
「あいよ。」
真奈は助手席に乗り込む。
車はそのまま、神崎組の別荘へ向かった。
⸻
神崎組別荘。
真奈
「ひええええ~~~。」
真奈
「めっちゃ山奥じゃん。」
修一
「…………。」
修一は何も言わず、車を停めた。
玄関前には、玲央が立っていた。
玲央
「お待ちしていました。」
修一
「すまないね。」
玲央
「いえ。こちらです。」
玲央に案内され、二人は中へ通される。
そこには、一樹、海斗、鷹臣、紫苑、蓮がいた。
海斗
「こんばんは。」
海斗
「こんな場所まで、すみません。」
真奈
「ほんとにな。」
一樹
「厄介な話だな。」
真奈
「お互い様だろ。」
鷹臣
「…………。」
真奈
「どうかしたのか?」
鷹臣
「いや。」
紫苑
「今日は、あの話を……。」
真奈
「ああ。」
真奈
「ちょっと聞きたい。」
蓮
「…………。」
その時。
蓮の身体が、じわりと熱を帯びた。
蓮
「……?」
何だ。
息が詰まる。
視線が、勝手に吸い寄せられる。
冠崎、真奈。
蓮
「…………。」
綺麗だ。
そう思った瞬間、蓮は自分で驚いた。
何を考えている。
けれど、目が離せない。
真奈
「????」
真奈は首を傾げる。
真奈
「あいつ、大丈夫か?」
一樹が蓮を見る。
一樹
「蓮。」
蓮
「…………。」
一樹
「蓮!」
一樹
「おい!」
蓮
「……え?」
蓮
「あ……ああ。」
蓮は瞬きをする。
蓮
「平気だ。」
けれど、声は少しだけ掠れていた。
なぜか。
真奈から、目が離せなかった。
玲央
「こちらへ。」
案内されたのは、玄関先から続く広い空間だった。
大きなテーブルとソファーが置かれている。
外側は全面ガラス張りになっていて、
中庭が見えるようになっていた。
夜の山の中にある別荘。
静かで、広い。
けれど、そこに流れる空気は、
決して穏やかなものではなかった。




