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祓ノ血族(はらいのけつぞく)  作者: ハルヤ
【祓ノ血族】-本編-
153/193

【神崎組との再会】

修一は玄関を出て、車に乗り込む前にスマホを取り出した。


表示された名前は、神崎玲央。


一度だけ息を吐く。


修一

「……さて。」


通話ボタンを押す。


数回の呼び出し音の後、相手が出た。


玲央

『……冠崎さん。』


修一

「朝から悪いな。」


玲央

『いえ。こちらからも、連絡しようと思っていました。』


修一

「昨夜の件だな。」


玲央

『はい。』


短い沈黙。


修一は、車のドアに手をかけたまま空を見上げた。


修一

「神崎さん。」


玲央

『はい。』


修一

「昨夜の依頼について、確認したい。」


玲央

『依頼……ですか。』


修一

「ああ。」


修一

「誰から来た依頼か。」


修一

「どういう経路で入ったのか。」


修一

「標的の情報。」


修一

「そして、紫苑君があの場に行くことを、誰が知っていたのか。」


玲央の声が、少し低くなる。


玲央

『……罠だったと?』


修一

「可能性は高い。」


玲央

『神崎組を狙った罠ですか。』


修一

「それだけなら、まだいい。」


玲央

『……。』


修一

「冠崎家を炙り出すための罠だった可能性もある。」


電話の向こうで、玲央が息を呑む気配がした。


玲央

『……胡桃さんの怪我は。』


修一

「残滓はない。かすり傷だ。」


玲央

『そうですか……。』


修一

「ただし、普通の下位異形ではなかった。」


玲央

『やはり、そうですか。』


修一

「話を聞きたい。」


玲央

『分かりました。こちらも、お話ししたいことがあります。』


修一

「場所はこちらで指定する。」


玲央

『冠崎家、ですか?』


修一

「いや。」


少し間を置いて、修一は言う。


修一

「神崎組の別荘へ行く。」


玲央

『……こちらへ?』


修一

「ああ。」


修一

「そちらの現場を見たい。」


修一

「それと、紫苑君本人にも確認したいことがある。」


玲央

『分かりました。』


修一

「今日の夕方、都合はつくか。」


玲央

『つけます。』


修一

「では、夕方に伺う。」


玲央

『お待ちしています。』


修一

「それと。」


玲央

『はい。』


修一

「今後、似た依頼が入った場合は、すぐに連絡してくれ。」


玲央

『……分かりました。』


修一

「独断で動くな、という意味ではない。」


修一

「だが、昨夜のようなものが絡むなら、もう神崎組だけの問題では済まない。」


玲央

『……承知しました。』


修一

「では、また後ほど。」


玲央

『はい。』


通話が切れる。


修一は、しばらくスマホを見つめていた。


そして、小さく息を吐く。


修一

「……もう、隠して済む段階じゃないな。」


朝の光の中、修一は車へ乗り込んだ。


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