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祓ノ血族(はらいのけつぞく)  作者: ハルヤ
【祓ノ血族】-本編-
141/193

【翌日・日中 別編】

翌日。


胡桃

「じゃあ、出てくるね。」


由美

「行ってらっしゃい。楽しんで。」


胡桃

「は~~い。」


玄関を閉める。


外は、いつも通りの街だった。


胡桃は、ぶらぶらと街中を歩く。


いつもの風景。


いつもの道。


けれど、今日は仕事ではない。


目的もない。


ただ歩いているだけ。


そろそろ夏物が出る頃だった。


胡桃

「あの服いいな~~。」


胡桃

「げっ! 高!」


思わず値札を見て、顔を引きつらせる。


胡桃

「あっちに新しいお店か。」


胡桃

「色々出来てるな~。」


いつもは目的があって街に出ることが多い。


買うもの。


行く場所。


用事。


でも今日は、何も決めていない。


胡桃

「ど~しよ~かな~。」


そう思いながら歩いていると、

通り沿いのベンチに、誰かが座っているのが見えた。


そこら中にベンチはある。


座っている人も、何人もいる。


なのに。


なぜか、そのベンチに座っている人だけが、

他と違って見えた。


胡桃

「……おっかし~な~。」


気になってしまう。


見ないふりをして通り過ぎてもよかった。


けれど、どうしても目が離せなかった。


胡桃は、恐る恐る近づく。


近づくほどに、

どこかで知っているような気がした。


その時。


小さく、声が聞こえた。


紫苑

「……くそ。」


聞き覚えのある声。


胡桃は足を止めた。


胡桃

「あの~~~。」


恐る恐る声をかける。


胡桃

「氷室……さん?」


すると、ベンチに座っていた人が、

急に顔を上げた。


氷室紫苑だった。


胡桃

「あ、やっぱり氷室さんだったんですね。」

挿絵(By みてみん)


胡桃は少し安心して、ほっと笑う。


胡桃

「どうかしたんですか?」


胡桃

「気分が悪いとか?」


紫苑

「……。」


胡桃

「なんか、顔色が悪い気がします。」


胡桃

「大丈夫ですか?」

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