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【玲央の自室】
同じ頃。
玲央は自室にいた。
灯りを落とした部屋で、
スマホの画面だけが青白く光っている。
玲央
「…………。」
画面には、検索結果が並んでいた。
冠崎家。
冠崎グループ。
表向きは、経済界にも顔が利く名家。
政界との繋がりもある。
古くから続く家。
それなりの資産。
それなりの影響力。
だが。
玲央が知りたい情報は、どこにも出てこなかった。
あの光。
あの糸。
あの結界。
あの異形。
そして、何もなかったように消えた冠崎家の三人。
玲央
「……表には、出ねぇか。」
スマホを伏せる。
玲央
「冠崎家……。」
玲央は目を閉じた。
病室で修一が言った言葉が、頭をよぎる。
知らない方が、普通に生活できる。
普通や平穏、当たり前だった日常が一番平和なんだ。
そして、一番難しいんだ。
玲央
「……もう、遅ぇよ。」
玲央は静かに呟いた。
玲央
「俺たちは、見ちまった。」
沈黙。
その後、玲央はもう一度スマホを手に取った。
画面に映る連絡先。
冠崎修一。
玲央
「俺たちが知らねぇ世界があるってことか。」
そして、その世界はもう、
向こう側の話ではなくなっていた。




