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祓ノ血族(はらいのけつぞく)  作者: ハルヤ
【祓ノ血族】-本編-
138/193

【夜の風】

鷹臣は、煙草を指に挟んだまま、夜の闇を見る。


病院で聞こえた音。


あれは、今夜の異形とは違う。


もっと近く。


もっと静かで。


もっと、こちらを見ているような気配だった。


ズ……。


ズル……。


ズ……。


何かが、闇の奥を這うような音。


けれど、不思議と害意は感じない。


襲ってくる気配もない。


ただ、近くにいる。


見ている。


見守っている。


鷹臣

「……なんなんだよ。」


気味が悪い。


けれど、怖いわけではない。


まるで、ずっと前からそこにいたものに、

今さら気づいてしまったような感覚だった。


鷹臣は短く息を吐き、煙草の火を消した。


夜の山は静かだった。


静かすぎるほどに。

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