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祓ノ血族(はらいのけつぞく)  作者: ハルヤ
【祓ノ血族】-本編-
129/193

【安堵の余韻】

玄三

「まっ、とりあえずは一段落じゃ。」


玄三は、ようやく肩の力を抜いた。


そして、茂夫の方を見ると、

片手をくいっと上げた。


玄三

「茂夫、どうじゃ?」


玄三

「今夜、一杯。」


茂夫

「ほっほっほ。」


茂夫

「好きじゃの~。」


茂夫

「千代さんには言うたのか?」


玄三

「いや。」


玄三

「まだじゃ。」


茂夫

「言うてから連絡してこい。」


茂夫

「千代さんに怒られるぞ。」


雄一・伊織・和真

「怒られるぞ!」


玄三

「やかましい!」


その声に、全員が笑った。


先ほどまで張り詰めていた空気が、

ふっとほどけていく。


清々しい風が吹く。


木々が揺れ、

社の周りに光が差し込む。


結界核は戻った。


封印具は、再び役目を果たし始めた。


完全に安心できるわけではない。


綻びや歪みの理由は、まだ分からない。


それでも今だけは、

無事に一つの役目を終えたことを喜んでもいい気がした。

玄三

「帰るぞー!」


全員

「はーい!!!」


全員で、屋敷へ戻った。


屋敷へ戻ると、千代が待っていた。


千代

「おかえりなさい。」


千代

「疲れたでしょう。」


千代

「ご飯の用意はできているから、手を洗いなさい。」


全員

「はーい!」


雄一、伊織、和真は真っ先に駆け出す。


真奈

「ご飯!」


陸斗

「お前も子ども組か!」


真奈

「ご飯の前では全員平等だ!」


隼人

「名言っぽく言うな。」


胡桃

「クスクス。」


その時、千代が茂夫に気づき、

柔らかく微笑んだ。


千代

「あら、茂夫さん。」


千代

「ご無沙汰しております。」


千代は深々と頭を下げる。


茂夫

「いやいや、久しいな、千代さん。」


茂夫

「元気か?」


千代

「ええ。」


千代

「変わらずです。」


千代は、にこりと笑った。


千代

「今日の晩は、来られるのでしょう?」


千代

「修一が土産を持ってきていますから、一緒にどうです?」


茂夫

「ほっほっほ。」


茂夫

「では、有難く。」


茂夫は片手を上げ、軽く挨拶した。


そして、玄三の横へ寄ると、

ぼそりと耳打ちする。


茂夫

「一枚上じゃったの。」


玄三

「やかましい。」


玄三も小さく言い返す。


その瞬間。


千代

「あなた?」


玄三

「なんでもありません!」


背筋が伸びた玄三を見て、

全員が一斉に吹き出した。


全員

「はははははっ!」


笑い声が、屋敷の中に広がっていく。


重かった空気は、もうそこにはなかった。


あるのは、

帰ってきた家族を迎える温かい匂いと、

騒がしい声。


そして、無事に一つの役目を終えた安堵だった。

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