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祓ノ血族(はらいのけつぞく)  作者: ハルヤ
【祓ノ血族】-本編-
126/193

【総本家】

ゆっくりと、二台の車が門の中へ進む。


目の前には、

大きな屋敷が徐々に近づいていく。


冠崎家総本家。


幽玄で、重厚な佇まい。


修一

「着いたな。」


庭先に、二台の車が並んで停まった。


和真

「着いたーーー!!!」


雄一

「やっほーーー!!!」


伊織

「長かったーーー!!!」


真奈

「だから、サービスエリア寄ろうって言ったじゃん!!!」


陸斗

「おまえだけだろ!!!」


胡桃

「着いたんだからいいじゃん。」


杏奈

「やっぱり。」


隼人

「ねーちゃん居なくて良かった~。」


真奈

「なんか言ったか、隼人。」


隼人

「な~~んも。」


由美

「あなた達。先にご挨拶に行きなさい。」


全員

「はーーーい!」


全員が玄関先へ駆けていく。


そして、大きな声で叫んだ。


全員

「じーーちゃん! ばーちゃん! 来たよーーー!!!」


玄三

「やかましーーー!!!」


玄三

「静かに来られんのんか! お前らは!!!」


全員

「無理!!!」


千代

「ホホホホ。」


千代

「元気が一番。」


千代

「会いたかったよ、お前達。」


全員

「ばーーちゃん!!!」


子どもの頃と変わらない勢いで、

全員が玄三と千代に抱きついた。


玄三

「こら! 押すな! わしはもう八十五じゃぞ!」


真奈

「まだまだ元気じゃん。」


玄三

「お前の基準で言うな!」


千代

「ホホホ。相変わらずだねぇ。」


由美は、その光景を見て微笑んだ。


修一も、少しだけ肩の力を抜く。


ここは、冠崎家総本家。


結界を守る一族の中枢であり、

家族が帰る場所でもあった。


修一

「あれを。」


由美

「ええ。」


由美は、ゆっくりと補助具を取り出した。


その前に、玄三へ向き直る。


由美

「お義父さん、ご無沙汰しています。」


丁寧に頭を下げる。


玄三

「おお! 由美さん、息災じゃったな。」


玄三

「元気か? 体は壊しとらんか?」


玄三

「何かあったら言いなさい。わしらが味方になるぞ。」


由美

「まぁ、お義父さんったら。」


由美は、くすくすと笑った。


千代

「由美さん、いらっしゃい。」


千代

「疲れたでしょう。ゆっくり休みなさい。」


千代

「ここでは遠慮しちゃ駄目よ。」


千代は、ゆっくり由美の背中を撫でる。


由美

「ありがとうございます。お義母さん。」


温かい空気が、そこに流れた。


修一

「コホン。」


修一

「俺もいるんだが。」


玄三

「おったんか。」


千代

「あらま。お帰り、修一。」


修一

「なんなんだ、その温度差は。」


玄三

「何って、当たり前じゃろ?」


玄三

「何を言うとるんだ?」


千代

「冗談よ。」


千代

「お帰り、修一。」


千代

「よく帰って来たわね。」


修一

「全く……。」


修一は呆れたように息を吐き、それから由美の手元へ視線を向けた。


修一

「親父。」


修一

「由美の手元にあるのが、例のものだ。」


玄三の表情が、そこで変わった。


先ほどまでの柔らかさが消える。


玄三

「……うむ。」


玄三

「確かに。」


玄三

「早速行くか。」


玄三

「茂夫も痺れを切らすぞ。」


修一

「封印具は?」


玄三

「新たに作っていただいた。」


玄三

「多少、無理を言ってな。」


修一

「作れるのか!?」


玄三

「ああ。」


玄三

「今となっては小さな神社の宮司さんだがな。」


玄三

「唯一、封印具を作れる家系の方だ。」


玄三

「その方にお願いして、作っていただいた。」


玄三

「これはな、特別な技法で作られとる。」


玄三

「並の職人には作れんもんなんだよ。」


玄三は、深く息を吐いた。


玄三

「やっとだ。」


玄三

「ようやく、これを戻せる。」


その言葉に、全員の空気が引き締まる。


玄三

「とりあえず中へ入れ。」


玄三

「それから、あれを封印具の中に納める。」


修一

「ああ。」


玄三を中心に、全員が総本家の中へ入っていく。


先ほどまで騒がしかった玄関先が、

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