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祓ノ血族(はらいのけつぞく)  作者: ハルヤ
第2章 〖日常〗
12/139

〖残る疑問・疑惑〗

黒崎


「……何故“無し”ではなく、

不明なんだ?」


静かな疑問が落ちる。


誰も答えない。


海斗


「何が違うんだ?」


黒崎は資料へ目を落としたまま言う。


黒崎


「無しなら確認済み。」


黒崎


「不明は――」


黒崎


「確認出来ていない。」


空気が止まる。



「……。」


玲央


「つまり?」


黒崎


「冠崎家の裏が無い証拠も、

存在する証拠も無い。」


海斗


「余計怖ぇよ。」


鷹臣


「ふふっ。


面白い家じゃん。」


黒崎


「笑い事じゃない。」


黒崎


「普通なら出る。」


黒崎


「痕跡。」


黒崎


「噂。」


黒崎


「監視。」


黒崎


「人脈。」


黒崎


「だが冠崎家は何も出ない。」


黒崎


「……綺麗過ぎる。」


沈黙。


窓際。


紫苑だけが海を見る。


頭に浮かぶ。


泣いていた胡桃。


怯えた顔。


そして。


最後に見た――


家族へ抱き締められる姿。


紫苑


「……。」


海斗


「どうした?」


紫苑


「いや。」


煙草の火を消す。


紫苑


「何でもない。」


だが。


黒崎の視線だけが、

資料の一角で止まっていた。


冠崎家。


家族写真。


そこに記された一文。


【観測記録:無し】


黒崎


「……違う。」


誰にも聞こえない声。


黒崎


「観測されてないだけか?」

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